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暗闇の中はフリーでクリーンで、ちょっとグリーン -企画メシsidestory-

通っていたオンライン講座(企画メシ)の最終講義がみなとみらいで行われたため、東京に来ていました。

その翌日、竹芝にあるダイアログ・ミュージアム「対話の森」に向かった。
ダイアログ・イン・ザ・ダークを体験するためだ。

きっかけは、「対話の企画」で講師として来てくれた檜山さん(ひやまっちさん)。

期間中に関わった人の大切にしてるものに触れてみようと決めていたし、せっかくの機会だと思って、ネットから予約していたのだ。

「実は、ある講義に通っていまして…」と、
受付の方に話していたら、ちょっと前に講義に通ってる方から話を聞いていたみたいで、企画メシってすぐにわかったらしい。

始まるまで待機中。辺りを見渡す。

(暗闇のなかで何をするんだろう?)

お話は聞いていたから、怖いというよりもワクワクしていた。人って目に見えないものに恐怖を感じる生き物だと思っているので、ちょっと不思議な感覚。

そんなことを考えてると、あっという間に声がかかる。

参加者7名に、アテンドをしてくださるアッコさん。

自分に合った杖を選んで、部屋の中に入っていく。
簡単な説明が終わると、徐々に光が無くなっていく。

部屋が真っ暗になってからの自己紹介。
名前と呼んでほしいニックネームを声に出していく。

自分は、ぐっちと呼んでほしいと話したんだけど、まさか隣にいた彼も似たような苗字でダブルぐっちになるところだった。始まりからすでに面白い。

ここからは実際に体験して感じたことをまとめています。

私から、私たちへ

まず暗闇なので、何も見えない。
私の身体もない。もちろんあなたも。

だから、声で私の存在を知らせる。
そうしたら、声で返してくれる。

「私はここだよ」
声でお互いの位置を把握する。

前に進みながらも、
手に触れたものをやさしく叩いてみて、
音で確かめる。

「これは木だよ。これは手すりだよ。」
それぞれの声で共有していく。

「ここを右にまわるといい」
うーん、左右の感覚はちょっと難しかったです…。

わたしはあなたになり、あなたはわたしになる。
そうやって、私たちになっていった。

苦手から解き放たれてフリーになれた

実は、複数人(5〜10人)でいるときに語りかけるのが苦手で、うまくタイミングがうまくつかめないんです。

けれど、見えない世界では、
皆に語りかけることができたし、
タイミングもばっちりつかめた。
(呼吸に従った感じでした)

これまで無意識に人の目を気にしていたのかあと。
うーん、自分の目もだったんじゃないだろうか

そして、暗闇の中にいる自分は、周りに頼れる自分だった。こちらも普段は苦手なことなんです。

そうするしかないのかもだけど、誰かがきっと助けてくれるって思っていたし、実際にそうだった。

できていたことができなくなったけれども、
できなかったことができるようになった。

なんだか解放された気分。僕はフリーになれた。

音は自分に正直でクリーンだった

この話をする前に。絵から連想して作曲されるシンガー作曲家の悠実さんの言葉が印象的だった。

"音のいいところは嘘をつかないこと。
興味が湧かないもの、思っていないことをシャットアウトしてくれる。"と。

たしかに視覚情報は寄せ付けたくないものも心に入ってきて、自分が分からなくなるときがある。

実際に暗闇の中では、自分が必要だと感じたものだけを拾っていた気がする。

途中、もちろん何も見えない状態でカフェに案内してもらった。そして紅茶をいただいたのだけれども、
すする音が更に美味しさを引き出してくれた。

水が流れる音が心地よいと言ってくれた方もいた。

いい音だったというよりも、余計なものを取り除いてくれたようで気分はクリーンだった。

見えるはずのない光はグリーンのような

暗闇の中で何も見えないはずなのに、いつのまにかそこに誰かがいることがわかるようになってきた。

それは緑色の輪郭を描いていた。

とても不思議な体験。

見えないけど確かに存在するものがあるとは聞いたことがあっても、感じることって難しいと思ったから。

これは実際に体験できたからこそ発見できた、自分だけが自分に与えてあげられる大切なギフトです。

通っていた企画メシは卒業してしまったけれども、これからも実際に触れて体験することを続けていきたい。
そして言葉で伝えていきたい。

最後に

アテンドしてくださったアッコさん。
暗闇の中でアッコさんが一人ひとりを探して近くまで歩み寄ってくれてすごく安心しました。一緒になったメンバーともすぐに打ち解けたのもアッコさんがいてくれたからです。ありがとうございました。

スタッフの皆さん。
受付のときも体験した後もお話を聞いてくださってありがとうございました。大阪から来たことをお伝えしたら喜んでいただけて、本当に来れて良かったと思っています。またお伺いできることを楽しみにしています。

そして、ひやまっちさん。
講義の最後に質問させていただいた者です。

音に敏感でよく驚いてしまうことが悩みだとお伝えして、ひやまっちさんは「仕方がないことだし、良いも悪いもないよ」と言ってくださった。
実際に体験してみて、音や声が自分に歩み寄ってくれてとても安心したのを覚えています。

いつかお会いできることも楽しみにしています。

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