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9ページ目「インギンブレイ」の話

「趣味は読書」と言えるほどではないですが、好きな方ではあります。
最近読んだ本は『ナナメの夕暮れ』著:若林正恭

読み終えた時、
大学生の時のとある言葉を思い出しました。

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「うーん。。わざとやってないのは分かるけど、
仲本君の場合、面接の時の話し方は"インギンブレイ"な印象を抱くね。」

「イ、インギンブレイ、、?」

「そう、インギンブレイ。」

発せられた言葉を頭の中では漢字に変換できなかった。
初めて聴く言葉だった。

「慇懃無礼」
丁寧さがかえって、相手に失礼になってしまうことらしい。
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大学の時、就職対策の面接練習で講師の人から言われた言葉だ。28年生きてきて、一度しか言われてないです。

僕の話し方の癖として、自信がないと言葉を付け足してしまうんです。最初に発した言葉に、後から尾ビレ、背ビレ、胸ビレと色々つけて最後には歪な形に。
時として「慇懃無礼」な発言になるという仕組みなわけで。

「慇懃無礼」
自分の本質を突かれた表現で、当時よりも今になってより際立ってきています。

自分の考えや発言に確固たる自信を持てないから、補うように自らの発言に付け足しをすると思います。自信の無さその癖は多少改善していますが、
今も変わってないです。

自信の無さから生み出されたのは他者への劣等感。
その劣等感は世の中を斜めに見て冷笑することを肯定してしまいました。
そうなると、自分の根っこを突かれた時非常にもろい。

でも、悪いことばかりではないと思っています。
自信が無い分、色々と発言するまでに考えるようになりました。
多少なりとも積んだ人生経験は、冷笑することは恥ずかしいと気付かせてくれました。
もろかった根っこも少しは頑丈になっています。 

そして、費やしてきた時間は自分を見つめていた時間であって、無駄じゃないと思ってます。

きっとこれからも卑屈に世間を見ていくはず。
それすら上手にエネルギーに変えられる日は来ると思います。

その成功体験が記されているのが『ナナメの夕暮れ』なんじゃないかなと。

大変面白い本です。

#オードリー
#若林正恭

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