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反抗期の息子とサカナクションのLIVEに行った話


ライブとわたし


わたしが初めてライブを体験したのは
小学校6年生の時。

友達から借りたカセットテープで
米米CLUBにどハマりした。

すぐにファンクラブに入会し、
ライブのチケットを1枚取り、
親には事後報告。


よく言えば自立している

悪く言えば無鉄砲


さすがに心配して
母が会場の前まで送迎してくれたけど、
たった一人で踏み入ったコンサートホール。

重たい扉を開けて中に入ると、
うっすらスモークがかかり
日常では味わうことのない
包まれるような音響でSEが流れている。

若い大人たちが高揚感を抑えながら、
今か今かとその時を待っている。


あまりにも、非日常な空間と
背伸びした興奮に
全身がカァっと熱くなった。


今だにライブ会場に足を踏み入れた時には
その時の気持ちが蘇ってくる。

何度経験しても鳥肌が立つ。
ライブが好き、
来てよかったと思える瞬間。


サカナクションとわたし


若い頃は地元のライブに事足らず、
仕事帰りにフラッと飛行機にのって遠征するくらい、
自由気ままにライブ三昧していました。

フェス文化ができてからは
地元のフェスが最高すぎて、
年に一度の参戦を生きがいに仕事を頑張る日々。

そんなわたしが音楽とライブをお休みした期間があります。
それは、出産と子育ての時期。

無理に我慢をしていた訳ではなく
子育てに没頭していたから
自然に離れていた感じ。


はじめは必死だった子育て
けれどだんだん子どもは大きくなり
少しずつ心にも時間にも余裕がでてくる。


そんな中、
追い討ちをかけるように襲い込んできたのが
『コロナ自粛』

不穏な空気の中で
世の中の時間が強制的に止まったような感覚

しかし、そんな中で必死に動き
音楽と刺激を届け続けてくれていたのが
サカナクションでした。

コロナ禍の唯一の楽しみとして
サカナクションのライブ配信を見ていたわたし。

ちょっぴり音楽に興味を持ち始めた4年生の息子が
いつもちょこんと隣に座っていました。

息子とわたし


甘えん坊な息子。

『お母さんの好きなサカナクション
僕も好き〜』

と言わんばかりに、
見事にどハマりしてくれました。

お母さんがサカナクションを見る日は
夜更かしをしてもいい日、ということで

普段は早寝なのに
眠たい目をこすりながら
一緒にライブ配信をみていました。

かわいかったな。

けれど、気付けば成長とともに
思春期、反抗期に向かって進んでいくお年頃。

一緒に聞いていた音楽も
イヤホンで一人で聞いちゃう感じ。

母ちゃん寂しい。

そんなだけど、
コロナが落ち着き、

サカナクションついに全国ツアー
始めるってよ!

と小6になった息子に伝えたら
『お母さんと一緒に行く!』って。

やったね!

息子初ライブ
母ちゃんは14年ぶりのライブだ。


息子とライブ

うちの息子

無鉄砲な母とは大違いで
たいそう慎重派。

初めてのことにドキドキしちゃうし
大きな音が苦手

『家のテレビでいい』と尻込みして、
映画館もなかなかデビューできなかったくらい。

サカナクション、音大きいらしいよ

周りが大人だらけで

大きな声出したり飛んだり跳ねたりするかも

終わるの夜遅いよ

念の為、事前確認。

けれど
行きたい気持ちが揺らぐことは
ありませんでした。

よし、よく決断してくれた!

共に行こうぞ!


そして当日


普段は経験することのない
大人たちばかりの世界。

(サカナクションの場合は
黒い服の大人達ばかりの世界🤣)

嬉しくておしゃべりが止まらない母を
口数少なにさらりと受け流す息子。

緊張してるのかなぁー

背伸びした興奮  感じてるのかい?


息子と足を踏み入れた
アリーナの空気感には
やっぱり鳥肌がたった。

君もかい?息子よ。


徐々に客席が埋まり
影アナで観客から拍手が巻き起こり
会場の雰囲気が高まるとともに
息子の口数がみるみる増えていった。

「音、大丈夫かな?」

「イヤーマフ(子ども用の耳を保護するためのヘッドホン)つけておいたほうが
いいかな」

「ちゃんと見えるかな?大丈夫かな?」

ソワソワとスピーカーの位置を確認したり

耳を塞ぐ練習をしていました

可愛いな、息子よ。

サカナクションのライブは
音へのこだわりがすごくて有名

会場のスピーカーに加えて
別にスピーカーを吊るし
(フェスの3倍のスピーカーを使用、
サラウンドを超えた音質)
どの席でも音に差がなく
ラグもない
これはすごいこと。

(昔、某アーティストの
東京ドームのコンサートを見た時、
2階、3階席とやまびこのような時差があって、手拍子やコール&レスポンスが
気持ち悪かったなぁ)



今回のライブ、
初めは自然の雨音や雷の音でスタート

あまりにも音がリアルで
大きな音なのに刺激がない

自然のシェルターの中で
目をつぶって雨音を聞いているような

不思議な体験でした。


演奏が始まっても
爆音なのに辛くない。

なんなら、ライブが終わってからも
耳がキーンとならない。

息子もイヤーマフを一度も使うことなく
音を全身で存分に浴びていました。

レーザーの海の中にいるような視覚の演出、
隙のない没頭できる最高のセトリ

そして、本物のメンバーがステージにいる!


ふと横を見ると
反抗期の生意気息子は
泣いていました。


コロナ禍の息苦しい日々に
「夜を乗りこなす」楽しみを与えてくれた
サカナクション

やっと生の音を体験できて
息子も母も胸がいっぱいでした。


あれから


また息子は
イヤホンで音楽を聞く日々に戻ってしまったけれど

これまでよりずっと音楽が好きになったようだし
またライブに行きたいと言っている。

これから、色々なライブに出かけていくようになるのだろうけど、
初めての記憶と感動がいつまでも
彼の中で残り続けてくれたらいいなと

母はそーっと願っています。


このコラムは
わたしが所属している
Webライターラボのコラム企画にきっかけを頂き、書きました🙌

Discord名:ゆうとろ
#Webライターラボ2406コラム企画

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