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激人探訪 Vol.4 朱美〜趣味の長い延長にある歌〜

皆さんどうも、YU-TOです。

前回の激人探訪も数多くの反応をいただき、とても感謝している。

"普段メディアでクローズアップされない人を取り上げてくれて嬉しい"といった感想がこの激人探訪に最も寄せられている声なのだが、変な言い方をすれば"狙い通りになったな"という思いがある。

メディアにあまり出ない(出たがらない)人や口数の少ない人でも、実は内面はかなり面白い事を考えていたり、その人なりの深いストーリーがある音楽人生を送っていたりもする。

そこをクローズアップし、皆さんに伝えていくのがこの激人探訪の役割であり、一番の面白みでもある。

それが読んでいる皆さんにも伝わっているという事実は本当に嬉しいし、励みにもなっている。

ありがとうございます。

それでは、今回の激人探訪のゲストはUndead corporationで共にプレイする朱美氏だ。この激人探訪、初の女性ゲストになる。

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朱美氏はUndead corporationのフロントマン(ウーマン)であるが、その音楽性や人間性などが注目される事は極めて少ないように思う。

やはりUndead corporationはリーダーの松山氏がスポークスマンとしてメディアに出る事がほとんどだし、もう一人、道元氏という強烈なフロントマンがいるので朱美氏はどちらかというと影に隠れている事の方が多い。

だが、ファンの皆さんが一番強く心を惹かれているUndead corporationの曲のパートは朱美氏の歌ではないだろうか?

もちろん、松山氏が作曲した曲自体や、道元氏のスクリームといった部分に惹かれている人達も沢山いると思うのだが、やはりUndead corporationの曲の最大の魅力は朱美氏の歌うメロディだと思う。

朱美氏の声質は非常に魅力的だ。そしてかなり独特でもある。

もちろんスクリームやガテラルなどの声は一切使わないし、決して男まさりな歌声という訳ではない女性にしか出せない繊細さや、色気もある声なのだが、そこに弱々しさは全く無い。

Undead corporationの強烈なメタルコアサウンドの中でも全くの違和感なく、むしろ"彼女でないと歌いこなせない"とすら感じる程の強さを持った歌である。

これを書く為の対話で開口一番

わかってるとは思うけど、、、私、本当にメタルの話とか全然出来ないからね(笑)

と言うほど、メタルのルーツが無いと自称する朱美氏だが、そんなボーカリストがUndead corporationの曲にあれ程マッチしてしまうとは逆にかなり面白い事だと思う。

そして今回、話を聞いてみて普通の人とは違えど"割とルーツはメタルに近いんじゃないか?"と思ったりもした。

今回はそんなメタルのルーツを持たないと自称するメタルボーカリスト、朱美氏を徹底深掘りしていこうと思う。

第1章 歌う事との出会い

朱美氏が歌を歌い出したのはごくありふれたきっかけからだった。

自分で歌おうって思ったのは確か中学生の時だったかな?友達とかとカラオケ行ったら結構みんなから"上手いねっ"って言われて。多分、上手いのレベルは相当低かったと思うんだけど、、(笑)それで調子付いちゃって"歌やろうかな"って思って始めたのかな。

そんな日常的な遊びから朱美氏のボーカリストとしての人生は始まったわけだが、この調子付いて始めた事が20年近くも続くとは朱美氏本人も思ってもみなかっただろう。

人から何かを褒められた時、"いや、全然ですよ"と謙遜してしまうのは日本人特有のクセだが、時には少女時代の朱美氏のように、ある程度調子に乗るという事はその後の自分の人生を変えていくのかもしれない。

そんなありふれた事で歌う事を始めた朱美氏だが、当時聴いていた音楽は何だったのだろうか?

そんな時期にL'Arc〜en〜Cielを好きになって。よくカラオケでhydeさんのモノマネとかもしてた(笑)それで中学校の朝礼前に音楽クラスの催しみたいなのがあったんだけど、そこで友達を集めてバンドみたいにしてFlowerを演奏したのね。それが自分が人前で歌った初めての経験だったね。

前回取り上げたTORU氏もL'Arc〜en〜Cielからの影響を語っていたが、やはり自分らの世代にL'Arc〜en〜Cielが与えた影響は絶大であったのだと痛感せざるを得ない。

朱美氏が歌ったFlowerはL'Arc〜en〜Ciel初期の代表曲で、繊細なメロディとバンドサウンドだけでは成り立たないアレンジで普通のロックバンドとは一線を画すサウンドが非常に魅力的な1曲だ。

中々しっかりと歌いこなすのが難しい楽曲だと思うが、この曲を中学生時代の朱美氏がどう歌い上げたのか非常に気になるところである。

ピュアなメタルサウンドでは無いにしろ、L'Arc〜en〜Cielのサウンドはメタルの要素も多少ながらあると思っている。

朱美氏本人はメタルのルーツは無いと語るが、彼女の音楽を始めたきっかけはこのようなロックバンドのサウンドであり、決して今歌っているメタルと全く無関係な音楽がルーツである訳では無い。

彼女の歌声に力強さやしっかりとした芯のようなものを感じるのはこのようなバンドサウンドをルーツとしている事が所以かもしれない。

第2章 バンド活動のスタート

そんな形で始まった朱美氏の音楽人生だが、本格的にステージで歌い出したのもバンドのボーカリストとしてだった。

高校時代に友達がライブに連れてってくれて。そこに出てたバンドのメンバーがその友達と知り合いで紹介されたんだけど、ボーカルがサポートだったらしくて良かったら歌ってみない?って話になったの。バンドもカッコ良かったし、"やってみようかな"って思ってそのバンドに加入する事になったんだよね。

特に"バンドをやる"という事でなく、"歌う"という事を志した人は、ソロシンガーとしての道を目指すという人も多いと思うが、朱美氏は敢えてバンドでのボーカルという道を選択した。

もちろん本人的には"絶対バンドで!"という意識はなく、"ご縁があったから"という理由でバンドに加入したように思えるが、やはり朱美氏の中で歌う事=バンドで歌うというイメージがもうこの時からもうあったように思える。

また、そのバンドの音楽性もメタルに近いものであったと言う。

多分、音楽性的にメタルに入ると思うんだけど、、明るいメタルを演ってた(笑)"ハッピーメタル"って自分らで呼んでたし(笑)だからUndead corporationが初めて歌うメタルって訳ではなかったね。

もちろん朱美氏の言葉から察すると決してエクストリームなメタルという訳ではなかったと思うが、この時から朱美氏は既に、というか半ば無意識的にメタルを歌うという事を選択していたという事だ。

Undead corporationでの朱美氏は"メタルじゃないシーンからやってきた人"というイメージがあるとインタビューで言われた事がある。特に初期はそのようなイメージが強くあったという。

しかし、この話を聞くと決してそうではない事がわかる。

ずっとソロや違うシーンでやってきたシンガーがバンドサウンド、特にメタルやロックバンドの中に入ると不思議と違和感を覚える事がある。

自分自身の偏見なのかもしれないが、歌の上手い下手に関係なくどこかバンドの出してるサウンドと歌声が混ざってないと言うか、ぎこちなさを感じるのだ。

個人的に"ソロシンガーとしての魅せ方"と"バンドのボーカリストとしての魅せ方"は全く別物だと思っている。だからその魅せ方をバンドの中でやってしまうと少し滑稽にも見えてしまう。

"違うシーンからやってきた人"という事が何となくわかっても朱美氏の歌がピュアなメタル好きからの支持も得られているのは"メタルとは違う感触はありつつもフィットしている"からだと思う。

それは朱美氏がバンドのサウンドに影響を受け、完全なメタルというわけでは無いにしろ、メタルに近いバンドのボーカリストとして最初のステージに立ったと言うルーツがあるからこそのものだ。

だから朱美氏は"シンガー"ではなく、生粋の"ボーカリスト"なのである。

第3章 女性R&Bシンガーから得た"強さ"

その朱美氏にある"違うシーンから来た"というイメージを形作っているのはR&Bからの影響だと思う。

自分もR&Bは好きでよく聴くのだが、たまに朱美氏とR&Bのアーティストについて色々と話すこともある。

朱美氏がR&Bを聴き始めたきっかけは歌う事に目覚めるよりもずっと前の話だと言う。

音楽に目覚めるとか全然それ以前の話で、お父さんが洋楽がすごい好きで車の中でずっと流してて、それを聴いてたって感じだったの。だからそういう海外のPOPSとかR&Bが耳馴染みがあってずっと好きで聴いてるのかな。

R&Bという音楽はどちらかというとアダルトな音楽というか、聴き始める際は"少し背伸びして聴き始める"という個人的な印象がある音楽だが、朱美氏にとってR&Bは子供の頃から当たり前に接する音楽の一つだった。

R&Bで一番大切な要素は当たり前だが"歌"である。

もちろんどのジャンルでも"歌"は大切だが、R&Bほど"歌の物理的な上手さ"が重要な音楽もそれほど無いように思える。

むしろ、しっかりと音程も正確で、かつソウルの込もった色気のある"上手い歌"がないとR&Bという音楽は成立しない。

そんな"歌"というものが最重要なR&Bを子供の頃からずっと聴いてきたからこそ、朱美氏は歌う事を自然に志したのだと思う。

そんなR&Bで朱美氏が影響を受けたアーティストは誰なのだろうか?

子供の頃から聴いてて最初に"これは好きだな"って思ったのはJanet Jackson。ライブにも行ったしね。あとはChristina Aguileraかな。やっぱり小さくて華奢な体だけど強い声が出て、一人で歌ってて強い女性っていう部分に憧れがあるのかな。

Janet Jacksonはここ日本でもかなりの地名度がある女性R&Bシンガーである。かのMichael Jacksonの妹としても知られている。

切なく歌い上げる曲調というよりはダンサブルな曲調が多く、リズミカルで歯切れの良い歌とキレの良いダンスが特徴的なアーティストだ。

一方でChristina Aguileraは切なく歌い上げるバラード系の曲も多く、Janetはダンスでも魅せるといったようなアーティストだが、Christinaはどちらかというと歌のみで聴かせるという印象のあるアーティストだ。

このような海外の女性R&Bシンガーの特徴は朱美氏も語る通り、"強さ"だと思う。

歌声もそうなのだが歌詞やライフスタイルといった部分でも"女性の強さ"というものを前面に出し、男性からの支持だけでなく、女性からの支持も数多く獲得してる。

例えば、日本のJ-POPのシンガーはアイドルなどがそうであるように、男性に"こういう女性と良い関係になりたい"と思わせるような魅せ方をしていると思うのだが、海外の女性シンガーは女性に"こういう女性でありたい"と思わせる魅せ方をしているといった印象がある。

まあ、国民性の違いも多々あるとは思うのだが(苦笑)

朱美氏がこの2人から受けた影響は歌だけではなく、その"強さ"の部分でもある。

まあ、やっぱり私も強くありたいって思うかな。"男に守ってもらうだけじゃない!"みたいな(笑)それで何度も色々と失敗してきてるけど、、(苦笑)でもそういう強い部分がメタルと合うっていうのはあるかも。女性がいるという事がサウンドの弱さに繋がるのは嫌だからしっかりと他のみんなと対等に映るように日々苦労してる(笑)

女性が歌うメタルは決して少なくは無いが、エクストリームメタルという中で女性ボーカルが歌うものは非常に少ない。

あってもそれは女性がデスボイスを出すというあまり女性の声質を活かしていないものが多い。

Undead corporationの音は、リーダーの松山氏も語っていたが、基本的に"タフ"な音だと思っている。

朱美氏の歌声でそのUndead corporationのタフさが無くならない、いやむしろ際立っているのはこの朱美氏のAttitudeによるものなのでは無いかと思う。

それは決して"男みたいに振る舞う"といった事ではなく、"女性にしか出せない強さを出す"といった類のものだ。

実際、Undead corporationの女性ファンは基本的に朱美氏のファンといった印象があるし、男メンバーに囲まれても負けじと強い歌を懸命に歌う朱美氏に心打たれている女性も多いはずだ。

現に自分の親しい女性などにUndead corporationの映像を観せると、第一に"この女の人かっこいいね!"と誰もが言う。

そのように"女性が魅力的に感じる女性"である事が朱美氏のボーカリストとしての最大の特徴であるかもしれない。

第4章 ソロシンガーとしての活動から最初期Undead corporationへ

高校時代はバンドのボーカリストとして活動していた朱美氏だが、高校卒業後はソロのシンガーとして音楽活動をしていた。

高校卒業したくらいにバンドが無くなっちゃってね。やっぱJannetとかの影響でソロで歌うのも良いなーって思ってたから、それで一人でもやってみようって思ったの。当時は結構クラブで遊んでたんだけど、そこで知り合った人とかに曲作ってもらったりして活動してた。別にライブハウスとかクラブで歌うんじゃなくて普通のバーとかで少人数の前でしっとり歌うって感じだったけどね。

そのような今とは真逆と言えるところでの活動をしていた朱美氏だったが、後にUndead corporationとして活動するきっかけとなった出来事がその頃あったという。

当時、私のボイストレーニングしてしてくれてた先生の友達が社長(松山氏)だったのよ。それで社長がその先生に歌ってもらうオファーをしてた曲があったんだけどその先生が"もっとロックとかも好きでこの曲に合いそうな子がいる"って私にレコーディングを振ってくれたの。それでレコーディングした曲が"O.D"に入ってる"Get mine"の旧バージョンだったんだよね。

このようなある意味、偶然ともいえる事でUndead corporationは始まった。

もしこの時、その先生が"Get mine"を歌うオファーを普通に受けていたら今のUndead corporationはなかったかもしれない。

ただいくら高校生時代に少しメタル的な曲を歌ってたとはいえ、いきなりメタルを、しかも知り合いからの紹介とはいえ、全くの初対面の人のところでレコーディングするとはなかなかチャレンジングではある(笑)

朱美氏は初めて松山氏に会った時の事をこう語る。

イメージしてる人と全然違かったよ(笑)激しい音楽演ってる人だから厳つくキメた感じで来るのかな〜って思ってたら、待ち合わせの駅にボロボロの自転車で「どうもぉ〜」って感じで来て(笑)それでお土産にドーナッツ買ってくれて、、社長はそんな事してないって言ってるけど(笑)まあ優しい人でよかったなって感じ。

もう自分はその光景が目にはっきり浮かぶくらいの感じなのだが、、(笑)

朱美氏はこのレコーディングが初めてちゃんと録音したメタルの作品であったらしいのだがどのような印象だったのだろうか?

ん〜、、覚えてないなぁ、、(笑)でも"全然わけわからなかった〜"って記憶も無いから普通に録って帰って来たとは思うんだけど、、。まあ社長も色々思うところあったとは思うけど優しくカバーしてくれたから(笑)

朱美氏がそれまでとは違う音楽、それもなかなか癖の強いエクストリームなメタルをやろうと思えたのはこのような松山氏の人柄もあっての事だったのかもしれない。

これまでもそうであったように、朱美氏のこのような"わからないけどとりあえずやってみる"といったチャレンジングな精神は彼女の最大の強みだと感じる。

"自分にわからない事をやる"という事は決してそれが悪い結果を招くとは限らない。むしろそれが自分にとって新しい世界の扉を開く事にもなるし、何かこれまでとは違った全く新しい物事が生まれる可能性もある。

この朱美氏のチャレンジ精神と松山氏の楽曲が今のUndead corporationの音楽スタイルを確立させたと言っても過言では無い。

第5章 Undead corporationの本格始動

その"Get mine"のレコーディング後、朱美氏は再び松山氏からレコーディングのオファーを受ける事になる。

それが東方アレンジサークルとしてのUndead corporationのレコーディングであった。

最初のレコーディングからしばらく経って、、確か1、2年くらいは空いたと思うんだけど、また社長から"今度、東方アレンジってやつを男女ツインボーカルでやるんだけど歌ってくれない?"って連絡が来て。それが本格的なUndead corporationの始まりだったかな。

この時、松山氏が朱美氏に再度オファーした理由は、"単純に人間的に良い人だと思ったから"だと激人探訪Vol2の時の聞き取りで語っていた。

もちろん、メタルを歌うという事に関してはこの時まだ朱美氏は初心者で、最初のレコーディングからブランクもあったが、経験の無いことにも前向きに取り組む朱美氏の姿勢に松山氏は惹かれていたのだろうと思う。

東方アレンジでのUndead corporationの楽曲は今の音楽性以上に非人道的なスピードで展開されるエクストリームな曲調であったが、レコーディングは大変ではなかったのだろうか?

まあ、歌いやすくはなかったよ、、(笑)元々はゲーム音楽でボーカルラインとしてのメロディじゃ無いから結構難しかった。あとやっぱり速いしね。この間YouTubeライブで久々に歌ったけどやっぱり難しいなって思った(笑)

あのようなとんでもなく高速な曲をエクストリームメタルの経験がほぼ0のボーカリストに歌わせるのもなかなか鬼畜な事だとも思うが、、(苦笑)それをこなしてしまう朱美氏も単純に凄い。

あと前回は1曲だけだったけど東方はアルバムで録ったから"この曲終わった!はい次っ!"って次々に曲がやってくる感じで、歌詞とかも書かなきゃだったし結構大変だったな。それも初めての経験だったしね。東方アレンジだけで大体30曲くらいは録ったのかな。

このようにアルバムを録るということも朱美氏にとってUndead corporationで初めて経験した事だった。

やはり1曲単位で録っていくのとアルバム単位で録っていくのでは仕事量は雲泥の差だ。このように慣れない音楽スタイルに苦労しつつも、朱美氏はボーカリストして様々な事を吸収していけたという。

私ってそんなに自分を前に前にって目立ちたいタイプでも無いから、、(笑)ある程度、無理を強いられた方が自分の成長に繋がるんだと思う。それこそ今やってるラップとかもやった事なかったけど社長に無茶振りされて出来たものだから(笑)まあそういうのは感謝だよね(笑)

ここで"もう無理"と投げ出さず、与えられた仕事に前向きに取り組み、自分にないものを吸収する朱美氏の姿勢はミュージシャンとして非常に尊敬できる姿勢で、自分もこうありたいと思う姿勢だ。

このようなメンタルの強さも、朱美氏が影響を受けてきた海外の女性アーティストから感じる"負けてたまるか"というスピリットに通ずるものがあると思う。

また、作品を重ねるごとに松山氏のボーカルに対する要求が朱美氏の表現に合わせたものに変わっていったから作品毎に歌いやすくなっていったとも朱美氏は語っていた。

それは朱美氏のボーカルが松山氏の要求するものを上回った、というか"朱美が好きに歌えるメロディならば何でも良い曲になるだろう"という信頼が生まれた証であると思う。

その信頼は朱美氏のメンタルの強さと、与えられた要求にしっかりと答えていく実力があったからこそ獲得できた信頼であり、彼女の実力をもの語る事実でもある。

第6章 歌詞の世界観の変化

Undead corporationの歌詞は全て朱美氏が書いている。

全て英詞であるが、朱美氏は高校生の時から歌詞を英語で書いていたという。

全部英詞ってわけじゃなかったけどね。私自身も英語話せるようになりたかったし、父親にもやれって言われてたから英語は頑張って勉強してた。やっぱ覚えた事は使いたからさ。小難しい英語とか使って書いてたよ(笑)クラブ行ってた時も外国人に積極的に英語で話しかけたりしてアウトプットしようとしてたね。

なかなか生きた英語が身につきにくい日本の英語教育だが、朱美氏のように積極的にインプットしたものを試験などではなく、日常生活でアウトプットしようと努力する事は英語を学ぶ上で必要不可欠なのかもしれない。

また、朱美氏は海外アーティストと国内アーティストの歌詞の違いについても語っていた。

日本語の曲って歌詞を大事にするじゃない?だから歌詞を書く上で何か大きなネタがないとダメなんだろうなって思ってたの。でも洋楽の歌詞とかって本当に生活の一部分だけを切り取って歌詞にする感じがあってそれはちょっとショックでもあったけど(笑)でもそれだったら色々書ける歌詞の幅が広がるのかなーって思った。

基本的にJ-POPなどの歌詞はアーティストが伝えたい事というよりは、時代背景を考え、そのアーティストのファン、またはファンになって欲しい世代に響く言葉選びと表現を用いて歌詞にしていることが多い。

それはそれで面白いのだが、もっと泥臭くてその人自身の内面が浮き彫りになったような歌詞の方が自分は親近感が湧くし、そのアーティストを深く知れる気がして好きだ。

どうもJ-POPの歌詞には"検閲でもあるのか?"というくらいにお行儀の良い歌詞が多い気がするが、洋楽のアーティストはメジャーなアーティストでも怒りや暴力やセックスをテーマにした過激な歌詞も結構ある。

そんな海外アーティストの歌詞に影響を受けたという朱美氏だが、Undead corporationでの歌詞は初期の頃と最近のとで変化があったという。

昔はファンタジーとは言わないけど割と綺麗目な歌詞が多かったね。"Sad dream"とかは、、、なんか敢えて言うのは恥ずかしいんだけど(笑)"別れたり遠くに行ってしまった恋人との良い場面を思い出して悲しい夢のようだ"みたいな事を綺麗な言葉で書いてる。逆に"The sinner"とか"Get lost"とかはもっとヘイト感溢れる歌詞になってるかな。やっぱ初期の頃の歌詞とかYouTubeライブで久々歌うと"うわー何か綺麗な歌詞〜"って思うよ(笑)

初期の頃の歌詞はどちらかと言うと恋愛ソングというか、女性の心の動きや心情を表現したセンチメンタルな歌詞が多いといった印象だ。

一方でNo antidoteに収録されている曲の歌詞は、よりエクストリームメタルらしい直接的な怒りや憎しみを表現した歌詞も多くなっている。

そのような歌詞の変化はどこからきたのだろうか?

うーん、結婚したからじゃない?(笑)やっぱ自分を綺麗に可愛く見せようとする欲が無くなったんじゃないかな?私が多少汚いとこを見せようとも認めてくれる人が出来た安心感から媚を売らなくなったというかね(笑)そういう意味では本当の意味で強くなったのかもしれない。

"女性は結婚してからその本性を見せ始める"という男としては非常に恐怖を感じる世の中の真実があるが(笑)朱美氏はそれが歌詞の面に出たという。

この変化は個人的にはとても良い変化だと思う。

以前までの朱美氏は自分が書きたい歌詞というよりは周りの目を少し気にした歌詞を書いていたのではと話を聞いて思った。

しかし、結婚をして自分の心を拠り所を得た事で安心感が生まれ、今までは周りの見え方を気にして書けなかった彼女のリアルな部分を表現した歌詞が書けるようになったのだ。

そして朱美氏は歌詞として日々の怒りや憎しみを書くことが、そのようなネガティブな感情の浄化に繋がっていると語っていた。

朱美氏にとって結婚し、生涯の伴侶を得た事はボーカリストとしての表現や彼女の精神に大きな影響を及ぼている出来事の一つだ。

第7章 Micu氏という存在

朱美氏の様々な部分に影響を及ぼした結婚だが、彼女の夫であるMicu氏(michael rätz)はスイス人である。

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Undead corporationのファンの方ならば朱美氏のSNSや、ライブ会場の物販などに立つ彼を見た事があるかもしれない。

BlowのMVや、最近では朱美氏のYouTube配信などにも登場している。

朱美氏に多大な影響を及ぼしたMicu氏との結婚だが、彼との出会いもUndead corporationがきっかけであった。

みっちゃん(Micu氏)がスイスで東方時代のUndead corporationをずっと聴いてたらしくて、O.Dを出すタイミングで"自分のネットショップでCDを売ってヨーロッパにUndead corporationを広めたい"ってバンド宛にみっちゃんからメールが来たんだよね。それで英語が出来る私が対応した事が一番最初のコンタクトだったかな。

Micu氏は日本のアニメや音楽などの文化をとても愛している。

ヨーロッパの人達は日本の文化に対する理解がかなり深く、それを自分の国でも広める活動をしている人達も様々な分野で存在している。

Micu氏もそんな人達の中の一人だった訳である。

そんな彼と朱美氏と当時のUndead corporationのメンバーが直接顔を合わせたのはもう少し後のことだった。

まあ、それで正直、半信半疑なところもあったけど、とりあえずそう言ってくれてるだけでありがたいからCDを送ったんだけど"日本に行くタイミングがあって売り上げ渡すからメンバーみんなで会いましょう"って連絡が来てみんなで飲みに行ったのね。基本的にメンバーで英語話せるの私くらいだから一番コミュニケーション取れて仲良くなって。それでその後みっちゃんがスイスに帰る前にもう一回二人で会って、お互い連絡先交換して彼が日本にいる間、連絡は取り合ってたのね。

いくら自分の好きな文化がある国とはいえ、実際に現地に来てしまうとはMicu氏の行動力は凄い。

そこで連絡を取り合っていた2人はどうやって交際に発展していったのか?

まあもう割とみっちゃんからグイグイ来て(笑)それで一回社長に相談したのね。そしたら"どうせ日本人とじゃ上手くいかないんだから良いんじゃないの?"って言われてね(笑)それで私も"まあいいかっ"ってなっちゃって付き合う事になったの(笑)最初は3ヶ月に1回、私がスイスに行ったり、みっちゃんが日本に来たりって感じで1年半くらい遠距離だったかな。

普通だったらかなり慎重に判断しなければいけなさそうな所をあっさりと決めてしまうのがいかにも朱美氏らしい(笑)

まあ、彼女なりに色々と考えた事もあったとは思うが、人生というのは大体においてよく考えた事よりも、直感や自分の気持ちに正直に従った方がその人の人生において本当の意味で良い選択が出来る事が多い。

選択に慎重になるのではなく、選択した後の行動に慎重になる事が大切だ。

その後、Micu氏と朱美氏は結婚する事になるのだが、皆さんもご存知の通り国際結婚というのは厳しい審査などがあり、決して簡単な事ではない。

まあ大変だったよ(笑)やっと最近落ち着いて来たけどね。手続きも大変だったしみっちゃんが日本に来てからの生活も大変だったし。結局、結婚するってなって完了するまでに4ヶ月くらい掛かったのかな。大使館行って書類を取って来てそれをスイスに送って〜みたいな事をずっとしてた。

この書類も偽装結婚などを避けるため、かなり膨大な二人に関する記録などを書いて提出しなければいけないらしく、かなり苦労したという。

しかし、Micu氏はUndead corporationでの朱美氏の活動を理解してサポートし続けているし、このような存在が自分の最も近い所にいるのはとても心強い事なのではないだろうか?

バンドや音楽活動に理解ある伴侶を持てる事はそれが夫側であれ妻側であれ非常に貴重な事だ。

また、結婚による作詞面以外での自身の変化についても朱美氏は語っていた。

私、最初みっちゃんに練習してる姿を見せるのが嫌だったのね。でもそんな事は御構い無しにこの人はグイグイ色々言ってくるから(笑)だからもうそういう"見栄"みたいなのもこの人に消されたよね(笑)

"完璧な自分"だけを受け入れてくれる人や自分のいい部分だけを見る人と一緒になるというのは実は自分自身の首を絞め、自分の人生を不幸にする原因となる。

人が本当に幸福になりたいのならば、完璧でない自分や取り繕わない自分を受け入れてくれる人と一緒になれるかが大事だと感じる。

そしてそれはなかなか得難い事だ。

そういう意味でも朱美氏がMicu氏と出会えた事は、なかなか適切な言葉が思い浮かばないが、シンプルに"とても良き事"であると思う。

本当に心からそう思う。

第8章 ボイストレーニングを継続する意義

朱美氏のボイストレーナーの方が松山氏と友人であった事からUndead corporationは始まったわけだが、朱美氏は今もボイストレーナーをつけ、定期的にトレー二ングを続けている。

朱美氏がボイストレーニングを始めたきっかけは何だったのだろうか?

高校時代のバンドの人がボイトレの先生と繋がってて、"受けてみたら?"って紹介してもらって始めたの。Undead corporationに入るきっかけになった人とは違う人だけどね。そこからずっとボイトレ自体は長く続けてて、歴代の先生が5人くらいいるんだよね。でも最初の何人かの先生は"スタイリング"っていう"表現の仕方"とか"ステージでの魅せ方"とかを教える感じの先生で、今思うと"やってて楽しい"って次元からはあんまり出れなかったかな。

自分はあまりボイストレーニングの分野については詳しくないのだが、様々な教え方や流派があり、かつ色々な派閥のようなものがある事は何と無く聞いたことがある。

朱美氏は最初に受けたトレーニングでは特に何か開眼出来たわけではなかったと語るが、その後に受けた、より理論的なボイストレーニングは様々な発見があったと言う。

ここ数年で習ってる先生はアメリカで専門的な研修を受けてる先生で、しっかりと発声的なトレー二ングをやっててそのトレーニングでは結構変われたかなって思う。例えばUndead corporationの曲をレッスンしてもらうとしたら、まずは"自分がどういう風に歌いたいのか"っていうのを先に聞いてもらって、そこに向けたエクササイズをやるって感じ。それで実際に曲を歌ってみて、"そのイメージに近づけたー"みたいな感じになれるっていう本当にお医者さんみたいな感じ。それを繰り返してるうちに無理なく強く声が出せるようになってきたかなって思うかな。

もちろん、人によっては理論的なトレーニングでない方が自分の成長に繋がるということもあるのだろうが、朱美氏の場合は実践的でしっかりとした理論に根差したことをやった方が自身の成長に繋がったようだ。そして今でもそのようなトレーニングを続けている。

ボーカリストもその他の楽器などもそうなのだが、ある程度の所までいったら特に講師などはつけず、自己流で何とかしようとしていくのが一般的だとは思うのだが、なぜ朱美氏はボイストレーニングに通い続けるのか?

何か恐くて辞められないっていうのはあるかな、、。継続してきたから、一応。これだけは続けられるだけ続けた方がいいかなって思ってて。やっぱりチューニングしてもらうっていう部分もあるから。自分だけで歌って対処法を処方出来るならいいんだけど中々難しくてね。自分で家で一人で練習してても段々チューニングがズレていくというか"何か上手くいかないな"っていう時もあるから、、そういうのを放置しておくとまた悪いクセが出て来ちゃいそうな気がして。もともとそういう歌い方の悪いクセがあって、やっと何年か掛けてとれてきた所だし。

これまでのどこかいい意味で大雑把な"まあ何とかなるだろう!"精神の朱美氏とは違った印象のある言葉である。

確かにミュージシャンにとって腕の衰えは自分でも気がつかないうちにやって来ているという事は多々ある。

自分はそれを定期的に自分の録音したプレイや映像をチェックしたり、ルーティーン的な基礎練習をやったりと色々な方法でわかるようにしているが、やはり朱美氏のように"人に見てもらう"という方法が一番手っ取り早いと思う。

また、ボイストレーニングを続ける理由は尊敬する海外アーティストからの影響も多々あるという。

私、海外アーティストのツアーの裏側とかアルバムのメイキング映像とか観るの好きなんだけど、その中のシーンでアーティストがライブ前にskypeとかで発声エクササイズを先生に見てもらって、"よし、準備OK"みたいなシーンとかが結構あって。あとセリーヌディオンとかもボイストレーナーがいるってトーク番組で言ってたりしてたしね。そういう有名な人でもボイストレーニングやってるんだなって。

トップクラスのボディビルダーに必ずトレーナーが付いているように、歌のトップクラスのアーティストにも必ずボイストレーナーが付いている。

やはり歌を歌うという行動は自分の身体を直に使うとてもフィジカルな行動であり、とても繊細な行動でもあると思う。

間違った歌い方で喉を潰してしまっては本末転倒であるし、風邪など引いたら誤魔化しが効かない。

そう言った部分からしっかりと自分の声を客観的に評価してくれるトレーナーは必要不可欠であり、ボーカリストがキャリアを維持していくのには必要不可欠な存在であるのかもしれない。

それを朱美氏は感覚的にわかっているのだろう。

最終章 "強さ"への憧れとライフスタイルの中での歌 

10代で歌う事に目覚め、ずっと歌う事を続けて来た朱美氏だが、続けて来た要因はやはり、"強さへの憧れ"という部分もあったのではないかと感じる。

私ってすごく自分に自信があるタイプって訳じゃないからさ(笑)それで自信を持ちたくて強い女性に憧れるっていうね。そういう意味では私も拗れてるんだと思う(笑)

自分自身もそうであったと思うし、松山氏も語っていた事だが、"強さ"に憧れて音楽を続けているというところはルーツやベクトルが違えど、自分達と朱美氏とで共通している事かもしれない。

"強い"というのはミュージシャンではないリスナーの方々にも浸透している音楽の捉え方だ。

その"強い"という音楽は恐らく人によって様々だろう。

デスメタルやハードコアが"強い男の音楽"であるのならば、彼女のルーツであるR&Bは"強い女性の音楽"であるのかもしれない。

また、朱美氏の"強さ"は自身が他のメンバーとは"音楽のルーツ"が違うという事実を受け止めるということでもある。

まあ、畑違いって感じだかさ、私って。でも何かその事をそのまま受け止めていこうかなって。みんなとはメタルの知識が違うし話せなかったりする事とかあって、それについて考えたりした事もあったけど、、私は別にそのままでUndead corporationにいてちゃんと堂々とやっていきたいかなって思ってる。

このように、畑違いでも"それがどうした?"と堂々と歌うという決意が彼女の"強さ"なのだ。

しかし、自分は本当の意味で朱美氏が自分達と畑違いだとは思わない。

本当に畑違いであったのならば、東方時代30曲、バンド時代で3枚のアルバムを残す事は出来なかったはずだ。

確かに音楽スタイルの相違は少しあれど、"強い"という事に憧れるという部分ではメタルと共通している。

このような人間としての根本にある深層的な姿勢は、表層的な音楽ジャンルという枠組みを嫌が応にも飛び越えて作用するものだ。

だからこそ彼女はUndead corporationで歌い続けてこれているのだと思う。

また、彼女は単純に歌う事を楽しみ、自身のライフスタイルの一つとして"歌"というものを捉えていると言う。

"私には歌しかない!"みたいなそういうのじゃなくてね。気張らない身近さで歌があるのがいいなって思う。切羽詰まった感じではなく、もうちょっとラフな感じでいいかなって。その中で自分が気持ちよく、しっかり歌える技術はちゃんと持ちたいなって思ってるかな。

"自分にはこれしかない!"という姿勢はストイックで一見すると上達に適した姿勢であるように思うが、そのような自分の視野を狭くするような姿勢はかえって上達の妨げになることが多い。

そしてそれは物事が上達するのに一番必須な"継続する"という事の一番の敵となりうる。

人間は"快"を感じる事しか続かないように出来ている。これはもう人間の脳味噌の基本的な構造なので抗おうとしても抗えない。

だから物事を上達させたいのであれば、いかに自分の"快"の範囲でそれを継続出来るかが大事だ。

"これしかない!"という視野の狭い姿勢はすぐに窮屈になり、自分で自分の首を絞めてしまう"快"とは程遠い姿勢である。

それを朱美氏は感覚的にわかっているのでないかと思う。そしてその姿勢は朱美氏が自身のスタイルを確立させた大きな要因にもなっていると感じるのだ。

別にまたソロでやっていこうとかそういう考えはないし漠然と思ってる事だけど、もしUndead corporationが無くなったとしても歌は続けると思う。私にとって歌って趣味のすごい長い延長みたいな感じ。

歌うという行為を真剣に、そして楽しく取り組み、時に自分のキャパシティを超える事にも挑戦して一生涯かけて歌う事と向き合っていく。

それが朱美氏の言う"趣味のすごい長い延長"という事なのだと思う。

結局それはプロであれアマチュアであれミュージシャンと呼ばれる人達全員に共通した音楽の捉え方であるように思う。

Undead corporationの2nd album、"Flashback"のリリース当時を振り返った時に朱美氏が語っていた事がある。

やっと自分のバンドが出来るんだなーって実感が湧いたかな。MV撮影出来るって結構嬉しい事だから。高校の時に憧れてた事がやっと叶ったかなーって思った。

例えそれが趣味の延長であろうと、真剣に向き合い、そして継続していれば夢というのはいつの間にか叶ってしまうものなのである。

むしろ夢というものはそういうものだ。

そんな事を今回、朱美氏の話を聞いて思った。

あとがき

とにかく今回は"チャレンジ精神"という言葉に尽きるなと思った。

なるべく何回も同じ言葉や表現を同じ記事中に使うのは避けたいと思ってるのだが、今回は話をまとめているとその"チャレンジ精神"という言葉が何度も出て来てしまって"どうしたもんか、、"と思ってしまった。

結果的にそこまで使わずに終われたと思うが、それだけ朱美氏の音楽人生はチャレンジに溢れていると思った。

朱美氏の"良くわからないけど、とりあえずやってみる"というある種の"ノリ"で物事に飛び込む姿勢は本当に素晴らしい姿勢だ。

そしてそれを平均以上にこなす朱美氏の器用さは尋常ではない。

実は1章丸々使って書こうと思っていたが、話のバランス的にカットしてしまったのがこの朱美氏の器用さだ。

朱美氏はUndead corporationのTシャツデザインやメイクも担当している。

画像3

写真左上は隣の写真の道元氏のメイクを施すために朱美氏がクリアファイルを切り抜いて作った型である。

ちなみにこれを初めて見た時、自分は普通に「へー、そういうのが売ってるんですねー」なんて事を朱美氏に言って「違うよ!!私が作ったんだよ!」と言われて仰天した覚えがある(笑)

ちなみに自分のスティックに施した猫をモチーフにしたデザインも朱美氏がデザインしたものである。

画像4

このような多彩な能力を持っている事も朱美氏の特徴だが、これらの事も基本的には松山氏から頼まれ、"まあ出来なくはないか"とチャレンジして出来たものだと言う。

まあ音楽面以外でもこれだけ無茶振りをする松山氏もさすがはブラック企業という感じだが(笑)それをこのクオリティでこなせてしまう朱美氏の器用さには驚くばかりである。

このように色々な事にチャレンジしていき、それを自分のものにしていく朱美氏の姿勢は感心せざるを得ないし、記事中でも書いたが素直に自分もそうありたいと思う。

もちろん朱美氏ほど色々な事は出来ないと思うが(笑)"やってみたらいけるかも?"と感じられる事には飛び込んで行かなければなと感じる。

何を隠そう、この激人探訪がそうだ。

これまでも文章を書くのは不得意ではなかったが、まさか自分がこんなにも15000字を超える文章で親しいとは言え、他人の事をこんなにも色々と書けるとは思ってもみなかった事である(笑)

朱美氏の話を聞いて、やはり思い立ったことや目の前に現れたチャンス、人から頼まれて"まあやれん事はないか"と思った事はやはりやってみるのが吉なのだなと再確認できた。

それを継続していけば高校時代の朱美氏が見ていた夢のように、いつの間にか叶う夢もあるかもしれない。

これからも朱美氏の"趣味のすごい長い延長にある歌"と一緒にドラムを叩き、"趣味のすごい長い延長"としてこの激人探訪も続けていきたいと思う。

                                                                                       2020/6/1 YU-TO SUGANO


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