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YU-TOの頭の中 一観客だった自分

どうも皆さん、YU-TOです。

昨日、友人である役者のハマツタカシ(通称:ハマちゃん)が出演する演劇を観に行ってきた。

今までも、ハマちゃんからの誘いで何度か演劇を観に行かせてもらったことがあったのだが、最後に劇場に足を運んだのは確か6年前くらいだったから、生で演劇を観るのは本当に久しぶりの事。

今年の初めに誘ってもらっていて、また行きたいとは思っていたのだが、感染拡大やら何やらでウヤムヤになり、やっとこさ年の瀬近くになって観に行けて、生の観劇特有の高揚感を久々に味わう事が出来た。

普段、別に劇場に足繁く通ったりはしないのだが、生で繰り広げられる劇を観るときに感じる、あのライブにも映画にも無い類の緊張感が自分はとても好きだ。

ライブや映画においては、音が大きいからちょっとくらい鑑賞中に声を出しても大丈夫だが、生の演劇だとそうはいかない。

万が一スマホの通知音など鳴ろうものなら、下手をすれば劇の進行そのものに影響がある可能性もあるし、目の前で実際に人が演じているとなると、居眠りをしてイビキをかくというわけにもいかない。特に、100人入るか入らないかの小劇場での観劇ならば尚更だ。

そういう、"目の前の事に集中せざるを得ない感覚"って、余計なことを考えなくて良い状況を作れるから、精神衛生上とても良い。

物語の内容だけではなく、限られた舞台セットの中でどう場面展開を観せていくかや、セリフの熱量、照明の当て方など、細かい部分での演出を観るのも好きで、音楽のライブだけでは決して学べない、"生の魅せ方"を色々と知れたりもして、とても勉強になる。

「あの女優さん、めっちゃ美人だな、、、」みたいな邪な楽しみ方も出来たりで(笑)、生での演劇鑑賞はやはりとても楽しい。

今回観に行かさせてもらった演劇は、"ヨドミ"という劇団が主催する『ポラリス』という舞台。

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まだ上演中なのでネタバレは避けるが、これが中々にエグい内容で、、(笑)。

中盤からは"ブルータル"と形容しても差し支えないだろう描写が数多くあり、人生の不条理さを遠慮なくぶつけてくるような物語は、"胸糞映画"に目が無い自分のツボを突いてくる作風だった。

脚本は劇団オリジナルのもので、もちろん物凄い細かく観ていけば突っ込みどころはあるのだけど、"ファンタジー"と銘打ってるからそこはまあ、敢えて考えなくて良い部分だろう。

"ファンタジー嫌い"な自分ではあるが、綺麗事一切無用のリアルで血生臭い愛憎劇は、非現実的な世界観の物語ながらも十分に楽しめた。

中盤からの急転直下な展開はちょっと予想外で、"胸糞マニア"は心の中でガッツポーズ(笑)。

120分という割と長めな尺だったが、ちゃんと飽きずに最後まで楽しめた。

「こういう"1つのシーン"があるのだな」と、演劇を観に行く度に思う。

"メタルシーン"、"ライブハウスシーン"みたいな世界が、演劇にもちゃんとこうやって存在している。

音楽が生の舞台で演奏されるのを楽しみに行くのと同じで、1つの物語が生の舞台で演じられるのを楽しみに行く。

もう自分は、とうの昔に1人の観客としてライブを楽しめる感覚を失ってしまった。

例え好きなバンドを観に行ったとしても、どうしても専門的な事ばかりが頭をよぎり、どう頑張ったって"自分の知っている世界"を観に行くという事から脱せられない。

こればかりは、もう仕方ないがない事だと諦めた。

普段、あまり自分がライブハウスに顔を出さない理由はそこにある。

しかし演劇に関しては、人々が生で繰り広げる創造を"1人の観客"として純粋に楽しむ事が出来て、演劇はいつも自分に"全く知らない世界"を見せてくれる。

例えそれが小規模であろうと、そこは自分が足を踏み入れられない聖域で、そこに立つ人々は自分には全員輝いて見えるのだ。

出演者の方々は特に有名という訳ではないだろうし(界隈での知名度は分からないが、、)、終演後に衣装のままで物販席に立つリアルな姿も見受けられた。

普段自分達がやっている事と、殆ど同じようなことを役者の人達もしている。

ステージに立つという事が当たり前になってしまった自分は、たまに「本当に自分は人を楽しませているのだろうか?」と感じてしまう。

別に"芸能"をやっているわけじゃないから、終演後にお客さんと会話するなど普通のことで、そこを変に制限してしまう"魅せ方"は、自分には合わない。

そんな"エンタメ"とは程遠い存在な自分は、本当に人に楽しさと喜びを与えられているのだろうか?と、疑問に思ってしまう事が多々あるのだ。

ただ自分は、昨日の演劇を"1人の観客"として心底楽しむ事が出来た。

別に衣装のままで物販を売っている役者さんを観ても、その日の演劇で得られたものが消滅したわけでは無かったし、彼らがその日演じた役の印象が変わることもなく、寧ろ良い意味で近寄り難さすら感じてしまったほど。

まして、出演者の1人は普通に飲んだこともある友人である(笑)。

そんなライブハウスと変わらない"リアルな現場"である小劇場も、自分にとっては新鮮で、ドキドキとワクワクが詰まった1つのエンタメとして成立し得る"未知の世界"なのだ。

これはきっと、普段自分のライブに来てくれるお客さんもそうなのだろう。

自分にとって、ライブハウスは未知でも何でもない、至って普通の"ドラムを叩く現場"であるが、観に来てくれるお客さんにとっては違う。

武道館だとかアリーナでのライブとなったら、それこそ絵に描いたようなエンタメが成立するのだろうが、リアルで小規模なライブハウスでもエンタメは成立するし、ちゃんと観に来るお客さんは、そんな現場でも"楽しさ"を味わってくれている。

小規模な劇場に胸を踊らせながら足を運び、程よい緊張感と胸の高鳴りを感じて、暖かな充実感を持って帰路に着いた昨日の"一観客だった自分"みたいに。

演劇って、そういう"視点を変えてくれる"ような存在で、偶に足を運ぶと学ぶ事が沢山ある。

これからは、もっと積極的に観に行ってみようかな。

誘ってくれたハマちゃんに感謝です。相変わらずというか何というか、"ちょっと間抜けな悪役"が似合うね、あなたは(笑)。

明日は、自分が演者として観せる番。

別に普段通り演奏するだけではあるが、少し意識の持って行き方は変わりそうな気がしてる。

ありがたいことに前売りソールドしたみたいです。

頑張ります!。


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役には立たないけど、少し意識は変わるかも?

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