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【戯言】冒険の書

朝起きたら、金色に光る女神がいた
「勇者よ」

「いえ、ぼくは裕人(ゆうと)です」
「細かいことはいいのです。冒険に出るのです」

女神は、雑に冒険へと促した

「業務都合で、今日は無理です」
「そう言わずに、早く冒険に出るのです」

押しが強い女神に、ぼくは訊いた

「冒険に出る目的はなんでしょうか」
「あなた、面倒な性格ね」

たまに言われるが、
女神にまで言われると思っていなかった
冒険に出る前に、ダメージをうけた

「この世界を守るため、幻の薬草を手に入れるのです」
「あの、ぼく、RPGとか苦手で」
「もぅ、なんでもいいから、早く出て!」

女神は、投げ出した

「メールを1本打ったら、準備します。なにが必要ですか」
女神は、なにも答えずに準備した

スマホ
財布
推しのペンライト
推しのライブ用ボディバッグ

「幸運を祈ります」

女神はその言葉を残して、光の粒子となった

テーブルには
名古屋行きの『特急ひのとり』のチケットと
請求書がおかれていた

朝、6時48分
かくして、ぼくは
この世界を救うため
幻の薬草を求めて、冒険に出ることとなった

ライブ参戦用の装備で


…… つづく、のだろうか ……✂……✂……

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