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大急ぎで時間をひっぱっていくヤツがいる ぼくの手を強引にひっぱって はやく、はやく、と急か…
昼すぎになると三丁目の公園に 小さな魔法使いが集まってくる 彼らは素敵な魔法で いろんなも…
「ねえ、ネコ、飼おうよ」 となりできみが言う 「もう、いるじゃん」 気まぐれなのが一匹 「…
目的地が決まっていると きみは必ず 地図をくるくるまわす 自分の場所と 地図を見比べながら …
愛を忘れた小鳥が歌う わたしに愛は必要ないの 素敵な巣箱と 美味しい木の実で十分よ ある日…
冷たい指先が頬を撫でる ゆっくりと、それを知覚する 「どうしたの?」 「明日も、ここにいる…
「ねぇ、わたしと出会った時のこと、おぼえてる?」 「うん、おぼえてるよ」 誘われた意識が過去に戻る しまわれた記憶が再生される あたたかくて優しい時間 「わたしが、おばあちゃんになっても、一緒にいたい?」 「うん、一緒にいたい」 まだ見ぬ未来が描かれる 期待と不安が創造される 過去と希望が織りなす時間 そっと、抱きしめる 通りすぎた時間と これから出会う時間の間で 今を感じる 「大好きだよ」
ぼくが生きている理由 きみを愛している理由 それを探している理由 見えない心が居場所を探し…
きみには、きみの好きがある きみには、きみの得意がある それは、大切な光 その光を、隠さ…
眠れない夜に きみのことを考える きみはどんな夜を過ごしているのだろう 目を閉じると聞こ…
「ぼく、ほんとは、高いところが怖いんだ」 「うん、知ってる」 きみがぼくの手を、そっと握…
「ねぇ」 「なに?」 「ぎゅって、抱きしめて」 「なんで? どうしたの? 急に」 「いつも…
「何してるの?」 「聴いてるの」 「何を?」 「あなたを」 声・呼吸・鼓動 打ちよせる波は…
「海に、行きましょう」 「どこの海に?」 集められた水が海と呼ばれた その日から 海は今まで、海のまま 光を吸収して青を拡散する 「なぜ、海は青いの?」 「青だけが深く潜れるから」 風に抱かれて優しく揺らめく 「なぜ、波があるの?」 「風と戯れていたいから」 月に魅かれて満ちていく 「なぜ、満ち引きするの?」 「月に近づきたい欲望と、それを制する理性が葛藤してるから」 「それで、どこの海に行くの?」 「海は、ひとつでしょ」