有灯(ゆうとう)

あっても無くても良い文字たち

有灯(ゆうとう)

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最近の記事

星辺のカフカ

依存と幸せの話。 街を出たあと『街を出ること』の後、新しい街に来た。 環境も暮らしも今までとは大きく変わってしまった。 ただ、きっとここで一生を終えるんだろうな、という確信に似た何かがあった。 そう思わせるだけの理由が此処にはあった。 少しだけ我儘に生きても良いかな、と思った。 それはより良い幸せの為。 自己を構成するものは自分自身だけではなく、外的環境、外的評価、様々な異物が含まれている。 そしてそれは行動や、思想にも変化をもたらしているということ。 誰と生きるか

    • 追記

      何のためにものを作っているのかを知るためにものを作っていようと思う

      • 慣性の輪

        自分の為だけにものづくりをやろうとずっと心掛けていたけど、自分が1番それに囚われていた。 もしもこの世からyoutubeとtwitterが消えてなくなったら、自分の作風は変わるんだろうな、と思った。 「これは有灯の作るべき音楽ではない」と、途中で丸めてゴミ箱にほうった構想がある。 水槽の魚みたいに、落ちてくる餌をただ待っている期間が長く続いたせいで、目と耳だけが肥えてしまった。水は濁っていた。 昔ほど多くのものに心を動かされなくなったことを、喜べばいいのか、悲しめばい

        • 予防線と言い訳

          絵を描いて、音を作って映像してるとたまに「何でも自分でできてすごい」と言われるけど、今のところ『人と関わらなくて済む』という所にしか利点を感じていない。 人にはそれぞれできることのキャパシティが決まっていて、その容量を超える活動はできないと考えている。 自分は自分の容量が、それほど多くを受け入れることができない型番のものだと思っているので、何かで大きな成果を残すためには必然的に他の色々なものを犠牲にしなければいけない、やりたいことをやりたいようにする生き方では結果的に何も残

        マガジン

        • 作った曲シリーズ
          3本

        記事

          追記の関係ない話

          「ナツメ」を投稿しようと思った4/24の0時、やけにいろんな人が曲の告知をしているな、と思ったらなにかそういうボカロのお祭りがあるらしく困ってしまった。 マーケティング的な戦略としてはそのビックウェーブに乗った方が良いんだろうし、そうでなくてもせっかく色んな人の目に触れるいい機会になるのだから本来参加しない理由が見当たらないくらいのことだとは思ったけど、 お祭りに参加するために曲を作ってたわけでは無いし、人気になるためでも無かったのでちょっと時間をずらしてしまった。これは

          追記の関係ない話

          ナツメ

          ナツメ球ナツメと聞くと植物のナツメを思い浮かべがちだと思うけれど、ナツメ球というと電気をカチカチすると変わる赤みがかった電球のこと。 うちでは「ゆうがたでんき」呼んでいた。 「暗くすると怖くて眠れないからそのままにしておいて」ということ。 夜と灯りが「有灯」と掛かっているみたいでちょっと素敵だし気にいってる。まあ有灯の名前の由来とは違うんですけど。 あとにも書いてるのだけどこの曲は色々あって1年以上温めていたもので、特に歌詞は当時のものをほぼそのまま使っている為その頃の自

          街を出ること

          街について街を出た。 数年暮らした街を出た。 いろいろな事象が少しずつ形を変えていく。 この街は常に些細な変化の連続の上に成り立っていた。 最初の春の匂いを覚えている。 季節が巡る度にその春を思い出すことになる。 そのときの自分と何度も対話することになる。 ゆっくりと染み込むように、街が肌に馴染んでいった。 体の一部を置いていくような感覚と引き換えに、 街は1つの大きな生き物となって、心の隅に住み着いてしまった。 形の無い思い出はやがて磨耗していき、ただの曖昧で綺麗な