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ナツメ

ナツメ球

ナツメと聞くと植物のナツメを思い浮かべがちだと思うけれど、ナツメ球というと電気をカチカチすると変わる赤みがかった電球のこと。
うちでは「ゆうがたでんき」呼んでいた。

「暗くすると怖くて眠れないからそのままにしておいて」ということ。
夜と灯りが「有灯」と掛かっているみたいでちょっと素敵だし気にいってる。まあ有灯の名前の由来とは違うんですけど。

あとにも書いてるのだけどこの曲は色々あって1年以上温めていたもので、特に歌詞は当時のものをほぼそのまま使っている為その頃の自分の心理状態を窺い知ることができてちょっと面白い。

この曲は自己のアイデンティティや将来性、或いは人と関わっていくことに対する不安とか難しさを一緒くたにして練り上げられたものなので、最近作ってきてたような暮らしの優しさのようなものがまだ少し足りなくて、自分の中では若干毛色が違うなと思っている。

「灯りを消して眠ればなんてさ、沈む優しさも見失うから どうか、そのままで。」

ここすき。

1年前

歌としてこの曲が生まれたのは1年と4ヶ月前、2019年末の頃だった。
それから1年が経ち、当時気にならなかった部分を、というか1から作り直した後に映像にして出したので、実質セルフアレンジということになる。

当時も動くMVを作ろうといろいろ構想して、煮詰まっているうちに「なんか違うな」となって考えるのをやめてしまった。
仮にうまくいっていたらそれが有灯として発表する最初の音楽になっていたかもしれない。
最初にMV作りで躓いてしまったので、曲発表のハードルを下げるという意味でもその後は曲に合わせた一枚絵を描いていた。飛行船が落ちたとか。

些細なことだけど今までの動画は縦横比率にも拘りがあって、現在ポピュラーな動画のフォーマットである16:9の映像を使いたくないな、というのをずっと考えていた。
これはもう、皆が皆当たり前のようにその画面比を用いて映像を作っているので「映像って実はもっと柔軟で、思っていたことが簡単に覆ってしまうのだよ」という意味合いを込めている。

…のだけど、今回は昔の自分の意図を汲んであげるのと、純粋な「映像作品」として動画を作るという意思表明のつもりで16:9の作品になっている。

ハードルを下げること

映像を作ること、とても大変なので「出来るだけハードルを下げたものづくりをしよう」というのをひとつの目標に設定した。
1度完成させることができたらそれが実績と自信に繋がるので。

色を白黒ほぼ2色にして色の煩わしさから解放されたし、画面構成を極力シンプルにしたり物語性を感じさせないように仕上げた。

物語性については別の意図もあって、
物語性のあるMV、いいなって思うんだけどコメント欄が映像の解釈を始めてしまうのを見ることがままあり、「もっと曲にも注目してあげて欲しいな」と思うことがある。それは傲慢だけど。
なのでそのうちもっとTHE雰囲気みたいな映像も作ってみたい。

絵も気楽に描けるように極力肩の力を抜いて臨んだ。
絵はまじで凝り始めると一枚描くのに膨大な時間を要するし、構想を練り終わったらまず最初にするのが「絵を描くこと」なので、良いスタートが切れるようにモチベーション維持との戦いだった。

終わり

引っ越したばかりで机も何も無かったので、引っ越した時に使った段ボール箱を重ねて机とかにした。つかれた。

そうしているうちにもニコニコ動画では日々数多のボカロ曲が生まれ続けていて、みんなすごいな。

別に自分はそんな中で戦い抜いて市民権を獲得しようとかの野心を持って曲を作っているわけでも、それだけの力があるとも思っていないので蚊帳の外だけど、でももしかするとそういう気概を持って活動してる人の方が少ないのかも。

ひとまず自分と、自分の音楽を好きだと言ってくれた人達に届けばそれでいいかなという気持ち。
でも自分の為に作るんであれば初めからネットに公開なんてしないので、これはもうどうしようもない。結局だれかに認めて欲しいんでしょう。

少しでも自分の作品について多くのことを知っていた方が、この曲に対して愛着を持ってくれるんじゃないかと思ってnoteを始めたけど、それはもしかしたら蛇足かもしれない。

「作品は作品の上でのみ評価されるべきであり、外的要因を評価の要素にするべきではない」という考え方があるので。わかりません。