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ちょっとしたV字回復の経営 #2 現状の把握

これはちょっとした規模の事業をV字回復させた話です。売上の規模は10億円くらいです。

ミッションは事業黒字化
実はこの事業の問題は以前から感じていた。会社の中では売上規模が大きくなく、収益性もさほど期待されていなかった。会社の売上の大部分を占める基幹事業に比べたら少人数で管理も甘く、社員は自由に自分たちの仕事をこなしている。目標管理もあいまいで販売部門(収入)と業務部門(支出)が分断されており一貫した事業活動ができていない。ここをまとめて事業単位で黒字を達成せよ、というのが私に課せられたミッションだった。

問題は感じていた
実はこの事業の問題は以前から感じていた。それは特に業務部門(支出)側に起因することだった。マーケティング部の頃、経理にお願いして事業の利益を算出してもらったことがある。事業の規模の割に人が増え続けていると感じたからだ。その頃はまだこの事業に関して串刺しの事業利益を算出するロジックができていなかった。よって売上高、粗利(限界利益)、固定費のみ出してもらった。

案の定、利益が出ていないのに売上が増えるにつれて社員を増やしており、売上の伸びと同じペースで固定費が増加する“膨張”状態だった。売上がいつまでも損益分岐点を超えないのだ。こういう状態が長年放置されてきていた。

問題が見えてくるにつれて
以前から感じていた仮説は正しかった。収益性が見えていないこと、業務部門は膨張状態であること。業務部門は特に組織の管理もできておらず、現場の社員が野放し状態だった。これでは利益は出ないだろう。

問題が見えるようになると改善は半分進んだようなもので、後は必要な対策を進めるだけ・・・と、スタッフ部門なら仕事はここまででよかった。ただしこれからはこれを自分の責任において遂行しなければならない。実行の責任は重いと感じたが、徐々に「自分にしかできない」とも感じるようになってきて、プレッシャーの脅威を挑戦する意欲が上回るようになっていた。

まとめ
・問題の事業は収益性が見えていない
・売上が伸びると固定費も増えるという「膨張状態」
・意欲が湧いてきたら準備は完了

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