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「生きるために働く人」が多い日本人

ユーシロです。

皆さんは、自分の会社の企業理念を知っていますか?

経営者が書いたビジネス書には、必ずといっていいほど「理念」の重要性について説かれています。しかし、なぜ理念が大事なのかを理解している人は少ないようです。そもそも、自分の会社の企業理念さえ知らない人も多くいます。

「理念」とは何かというと、その会社が社会にどのような価値を提供しようとしているかを語っているもので、そこで働く人たちにとっては「働く目的」になるものです。

なぜその会社で働くのか、なぜその仕事をするのか、何のために売上をあげる必要があるのか、自分たちが働く目的を示したものが、その会社の企業理念です。

ところが、企業研修の場面などで「あなたは何のために働いているのですか?」と質問をすると、ほぼ全員のビジネスパーソンが「生活のため」と答えます。

「では、宝くじが当たって生活できるようになったら、会社は辞めますか?」と質問すると、ほぼ全員が「辞めます」と答えます。たとえその場に社長がいても、躊躇なくそう答える人が多いでしょう。

企業理念は、一般的に「ミッション」「ビジョン」「バリュー」に分類されます。


ミッションとは文字通り、「使命」です。


世の中にどの様な価値を提供するのか、どのように貢献するかという、その会社の使命を表すものです。

Googleであれば「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」。Facebookなら「コミュニティーづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現すること」です。


ビジョンは、どうありたいか、どうなりたいかを示す「目標」や「方向性」です。


Yahoo!は「世界でいちばん、便利な国」というビジョンを掲げ、「買いたいものが手に入る。知りたいことが分かる。世の中を便利にするほど、人はもっと自由に、人生はもっと豊かになる」と、会社が目指す具体的な方向性を示しています。


バリューは、「価値観」「あり方」「姿勢」などを示す行動指針です。


メルカリは「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」というミッションを実現するために「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」という3つのバリューを大切にしています。

どの企業も、理念と商品やサービスが密接につながっており、ミッション・ビジョン・バリューの実現が社員の働く目的になっています。

企業理念とは、壁にかかっているものではなく、その会社が世の中にどういう価値を提供するのかを示すものです。会社とは本来、その価値を一緒に提供するために集まった、理念を実現する場所です。

理念と目的がつながり、皆が同じ方向を向いている組織は強いです。そういう会社で「働く目的は何ですか?」と質問すると、理念に関する言葉が出てきます。

社員みんなが理念に共感し「一緒に実現していこう!」という状態になると、働く目的が明確になるので、誰もが高いモチベーションを持つことができます。

そのため「何のためにこの仕事をやるんだろう?」「こんなことして意味あるのか?」と悩んだりすることもなくなります。働く目的が「生活」や「お金」のためだけだったら、仕事は辛くなります。

あらゆる仕事は、誰かに喜んでもらうために存在しているはずです。売り上げを伸ばすのは、自分たちの商品やサービスによって、より多くのお客様に喜んでいただくためです。仕事を通じて、多くの人を幸せにするためです。

こうした意識が浸透すると、組織の雰囲気が明るく変わります。社員の能力も業績も伸び、モチベーションの高い社員が生まれ、外部からもよい人材が集まるようになり、雇用面でもプラスの好循環を生み出します。

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