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ファーストペンギン

ユーシロです。

皆さんは「ファーストペンギン」という言葉、一度は聞いたことがあるでしょうか?

念のため説明しますと、群れで行動することの多いペンギンの中でも、危険な海に先陣を切って飛び込む勇敢なペンギンことを言います。

ファーストペンギンは、リスクを冒して海に飛び込み、エサをたくさん食べて子孫を残すことができます。しかし後から飛び込んだペンギンはエサにありつけないことも多く、時には死に至ります。

これをビジネスで言うと、規制で守られた業界は安全だけれども競争力がなくて利益も少ないことが多いということです。今の日本でも、互いの顔色ばかりを伺い、新しい世界に飛び込もうとする企業が少ないのが実情です。

さらに


ファーストペンギンという言葉は、欧米で「不確実な状況下において果敢にチャレンジする勇気ある行動」を象徴しているのに対して、日本にはそのような言葉がありません。


代わりにあるのは「出る杭は打たれる」とか「雉も鳴かずば撃たれまい」といった発想の言葉ばかりです。

今の日本を象徴するような話として、ロケットの製作コストの話が出てきます。国や大企業は、「ロケットは高い部品でなければ飛ばせない」と思い込んでおり、「万一、安モノを使って失敗した場合は、誰が責任を取るのか」と恐れるあまり、国内産のロケットはコストが高く、世界の競争から遅れをとっている、というのです。

一方の新興産業では、大なり小なりこのような事態に遭遇します。市場規模が大きければ大きいほど歪みは大きくなりがちです。

新しい産業というのは、リスクが比較にならないほど大きいので、投資家は当然ハイリスクハイリターンを狙いにいきます。

それに対して、国のサポートが産業の発展を抑える方向に過度に行きすぎてしまうと、産業自体を殺してしまうか、他国へ人材やノウハウの流出を加速させてしまいます。そのようなことが産業レベルでも起き、会社レベルでも起きているのが今の日本です。

投資家のお金が集まることで優秀な人材が才能を思う存分に発揮でき、その発展を国が後ろ盾となってサポートをする。つまり、1つの新興産業で覇権を握ると、世界中のから資金や人材が集まるということです。

確かに、日本人が「同質性をよし」とする風潮は、必ずしも悪いことばかりではありません。例えば戦後日本の高度成長期を支えたのは、優良で同質的な労働力でした。

しかし時代は変わり、今はイノベーションが求められる世の中です。日本でもベンチャー企業が育ちつつあり、以後は次々とファーストペンギンが飛び込む時代がやってくることを期待したいですね。


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