見出し画像

プロ野球戦力外通告から学ぶ人間関係

ユーシロです。

年末になると、毎年放送される「プロ野球戦力外通告」。元ドラフト1位選手や元侍ジャパンでWBC優勝に貢献した選手が戦力外としてクビを言い渡され、自分のため、家族のために再起に向けて取り組む姿勢は視聴者を釘付けにしてくれます。

プロ野球界からクビを言い渡された次の日は明日を生き抜くために職を探したりして、右往左往するはずです。

ですが、戦力外を告げられたにも拘らず、球界に生き残る人もいます。例えば、元巨人の村田修一選手は2017年にチームの若返りを図るために戦力外となり、独立チームでNPBから再び声を掛けられることを願い、野球選手として励んでいましたが、叶わずに引退となりました。

しかし、巨人は村田選手のために引退セレモニーを行い、さらには翌年からコーチとして就任するといったことは、戦力外選手では超異例のことです。

他球団の選手も戦力外後はスカウトマンや球団広報として、球界に生き残れる元選手達もいます。

「現役時代に成績が良かったからセカンドライフでも野球に携われるのかな・・・?」と思う人が多いです。確かに現役時代の成績も加味されますが、一番の決定打は・・・


良い人だから


え? それが決定打ですか?

はい、そうです。もともと、人は論理的に決定なんか下さないのです。実はほとんどの場合、感情が決め手となっています。

人が動く時というのは、何かしら感情が動いた時です。端的なところで言えば、会社の人事評価なども、「最後は感情で決めている」というのが、正直なところでしょう。たとえば、目の前に成績の同じ2人の社員AとBがいたとします。

「Aさんはいつも上司を立てている慎ましい人」で、「Bさんはいつも自分の手柄を鼻にかけている人」だとすれば、選ばれるのは当然、Aさんのほうでしょう。人事考課をつけるのが人間である以上、それはやむを得ないことです。上司も人間ですから、甲乙つけがたい状況下では、自分によくしてくれる人を選ぶのが人情、というものではないでしょうか。

誤解しないでいただきたいのですが、いくら上司が「自分によくしてくれる人に好意を持ちやすい」からと言って、いわゆるゴマすりをしても、あまり意味はありません。確かに、上司はゴマをすられれば嬉しいには違いありません。けれど結局のところ、お互いが仕事の関係であるからには、仕事で結果を出すこと以上に上司を喜ばせるものはない、ということです。

社員の中には、逆に上司に対抗意識を燃やしたり、「あの上司に手柄を取られるくらいなら、結果を出さないほうがマシだ」と言ったりして、わざと仕事をしない人もいます。しかし、他人のために自らの前途をふさいでしまうことほど、もったいない話もないのではないでしょうか。1つ確かなのは、出世をする際には、誰かが引っ張り上げてくれることが必要不可欠だということです。

一体、「ゴマすり」と「敬意を表する」ことの違いは何なのか?というと、それは「目的」によります。ただ単に「上司に気に入られたい」とか「おだてれば、いいことがあるかも」と考えることこそ、ゴマすり以外の何ものでもありません。一方、「このプロジェクトを絶対に成功させたい。そのためには、上司の助けが必要だ」という発想で、上司も会社が持つ材料の1つと考えれば、自分を成功に導く人に思えてくるものです。

無論、「普段は上司をバカにしていながら、困った時だけ頼りにする」というような態度が、社会人としてあるまじき行動であることは言うまでもありません。もし、自分に対して礼節のある行動をとって欲しいと望むのであれば、まずは自分から、相手にその態度で臨まなければなりません。

結局、相手は自分の鏡のようなものです。周りの人を巻き込み、協力態勢を構築しない限り、大きな仕事は成し遂げられません。

人間は、感情で動き、論理で納得する生き物ですから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?