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大谷翔平がCMで人気を集める理由とは?

ユーシロです。

3月のWBCとメジャーリーグの活躍だけでなく、オールスターゲームでシアトルの球場で大谷選手が打席につくたび、観客から「Come to Seattle !!(シアトルに来て‼)」コールが起きたことがメジャートップの地位に位置付けたことがそれを物語る。そして日本のテレビCMの世界でも、大谷選手の人気がずば抜けていることはデータが示している。

CMに出演しているタレントについて今年上半期(1~6月度累計)の好感度調査によると、大谷選手はCMタレント好感度ランキングで8位となり、初のトップ10入りを果たした。CM総研が調査を始めて以来、野球選手を含め現役アスリートでトップ10入りした事例はない。

東京キー5局が放映する全CMの評価について、CM総研は毎月2回、計3000人のモニターから回答をもらっている。それによると大谷選手の場合、実に96%がCM出演者、すなわち大谷選手にひかれた、と答えている。大谷選手のどこにひかれたのか。この問いに対する答えはないが、モニターの回答に手掛かりがある。

CM総研の設問項目は、商品そのものの魅力、CMのストーリー展開、使用された音楽、企業姿勢など計15項目にわたる。モニターの回答は往々に分散される傾向があるが、大谷選手の場合は、「かわいらしい」「心がなごむ」「セクシー」といった項目にチェックが多く見られた。

コメント欄にも「かわいくてキュンとする」と寄せられている。バラエティー番組も含め、幅広く話題になりやすい人物ではないだろうか。

WBCの際に大谷選手を起用した企業のCM効果はどうだったのか。上図のセールスフォース・ジャパンのCM「次の世界へ。失敗の数だけ、成長できる。」編のCM好感度は同社で最高スコアを記録し、コーセーのコスメデコルテ「自分が整う」編は美容液「リポソーム」の売り上げが大幅アップし、男性客の購入も出たほどだ。

大谷選手の特徴は、ターゲット層以外にも男女幅広い階層から支持を得ていることだ。コーセーCMのコメント欄には「大谷選手の肌がきれい」という声もあった。

野球選手のCMでは7月前期、WBCで活躍したラーズ・ヌートバー選手が出演するインターメスティックの「Zoff」のCM好感度が上昇した。その内容はCM中にヌートバー選手のお母さんが出ているほんわかしたCMだ。ヌートバー選手は森永製菓やZoffに加え、CM出演のオファーがあったと報道された。

大谷選手やヌートバー選手を見ていると、リラックスした印象を受けて親近感が湧くでしょう。

現役ではないが、イチロー選手もユニクロなどのCM好感度ランキングで常に上位にいます。最近はOBを含む野球選手が出演するCMの放送回数は徐々に増えています。

テレビCMは一昔前「あこがれ」を売る世界だったが、最近は親しみとか生活者のマインドを重視する傾向にあります。野球選手を起用したCMでも「タフさ」を前面に出すよりも、消費者に幅広く愛される「タレント性」を狙っているケースが目立ちます。

CMに出演する野球選手は、社会に愛されるタレント性も必要なようだ。これは私たちが社会に出ていく知恵にもなるだろう。

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