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マスク文化の違い

日本に限らず世界は右を向いても左を向いてもコロナ。
そんな中で生活の必需品となっているのが”マスク”ですよね。

日本では、もともとマスク文化があったからコロナが海外ほど莫大な増加をしなかったとも言われています。

ウクライナを含む多くの諸外国はマスク文化がありません。
それはなぜなのでしょうか。

この記事ではマスク文化がどのように違うのかを紹介しています。

そして、マスク文化の違いを通して見えてくる、たくさんの災害を経験した日本が世界に発信できることは何なのかということを考えることができるはずです。

ウクライナの現状

日本は20,000人を越えました。
2020年7月10日時点でウクライナのコロナ感染者は50,000人を越えています。

ちょうど日本の2.5倍の感染者です。
では、マスクはみんなしているかどうか…ですね。

ウクライナでは検疫措置が取られるようになってから、その項目の中に建物内に入る時はマスクをすることを"義務化"するよう言われています。

なのでスーパーや薬局などでマスクをしていなければ入店できませんし、無理に入ろうとするなら罰金になります。

現在の日本でも同じような状態があるでしょう。
それが同じようになっているのです。

だからウクライナ人もマスクをして入ります。
この先が日本とは違います。

出たら”すぐに”マスクを外します。
ウクライナではロックダウンまではいかないものの、一時期スーパーと薬局以外の全ての店が営業停止になりました。

その頃の街の様子はみんなマスクをしていました。

しかし、6月に入り規制が少しずつ緩和され(検疫は7月末まで継続中)、レストランなどの営業が再開されるにつれて、今や街中でマスクをする人は見かけなくなりました。

なんならマスクをしている人を若干白い目で見るくらいのレベルです。

国によって違うマスクをする動機

今はコロナのせいでどの国でもマスクは珍しくなくなりました。
医療者を除く一般人がマスクをする背景にはどんなことが動機になってマスクをしているのでしょうか。

当然「感染予防」は全ての人に当てはまるのでそこは除外しますね。

◆日本

・相手に感染させないため

昔風邪を引いてマスクをしていなかったら、親に「マスクをしなさい。あなたが良くても他の人に風邪を移すでしょう」と言われたことがありませんか?

実は我々日本人はマスクをすることは”礼儀”の一つとして教えられてきているのです。

だから、風邪気味だなと思うとマスクをしますし、していなかったら「風邪が移るからマスクしろよ」という会話が自然に飛び交うのです。

◆アジア系の国

・伝染病の経験があるから

アジア系の国はSARSなど伝染病の恐ろしさを知っています。
だから、二度とあんな辛い経験をしたくないと考えるのですね。

今回もコロナが流行り始めていち早くマスクの品切れが起こったのもアジア系の国が多いことに納得がいきます。

◆インドネシアやフィリピン(東南アジア)

・大気汚染から身を守る
・自分をウィルスから守るため

大気汚染から身を守るためにマスクをする、という文化は日本ではあまり考えられないでしょう。

共感できるとしても黄砂が酷い時期や花粉が酷い時期という限定的なことが多いですよね。

もちろん感染予防の為、ということがありますが、その上で日本のように「移してしまうから」という相手の思いやりまでには意識が向かないようです。

基本的に海外は”自分ファースト”だという考え方がマスクの文化にも影響を及ぼしているのでしょう。

◆ウクライナ

・しなければお店に入れないから

自発的ではなく受動的。「やらされている感」が強いですね。

実際ウクライナ人といてマスクをしていると、

ウクライナ人「どうしてマスクをしているの?もう大丈夫だよ。かからない、かからない。」
私「どうしてそんなことが言えるの?」
ウクライナ人「だって俺は強いもの。周りも誰もしてないだろ?」

これが基本的な考え方なのです。
この人だけがマスクをしていないならわかりませんが、本当に街中では8割以上の人がマスクをしていません。

毎日500以上感染者が増えているのに…。

諸外国がマスクをすることを嫌がる理由

なぜそこまでマスクをするのが嫌なのでしょうか。

・表情が隠れてしまいコミュニケーションが取りづらい
・重い病気にかかっていると思われる
・そもそもマスクの効果を信頼していない

日本に比べて海外の人はスキンシップや愛情表現がとても豊かです。

表情が隠れてしまうと確かに話している相手の感情がシャットアウトされたような感じがします。

人は視覚から大半の情報を得ていることからもコミュニケーションが取りづらいというのは理に適っていると言えるでしょう。

海外では、”予防”でマスクをする習慣がないので、マスクをしている=重い病気→だからとりあえず近づかない。
という負の連鎖が起こってしまいます。

確かに根付いてしまった概念を変えるのは難しいですね。

最後のマスクを信頼していない、というのは科学的根拠がないようにも思えます。

ウクライナと日本の医療技術からすると大きな差があります。
これはウクライナの病院の医者自らが言っていました。

もし日本がウクライナの医療レベルだったならこのようにマスクに信頼がない状態があったのかもしれませんね。

まとめ

マスクの文化の違いは国の文化の違いと深く関係していると言えます。

・自分ファーストなのか他人ファーストなのか
・伝染病の怖さを肌で知っているのかどうか

日本でもコロナの最初の頃、東京にいる若者が「自分はかからない」などウクライナ人と同じような言葉を発していたのが思い出されますよね。

しかし、若者たちも「志村けんさんの死」によってコロナの見方が確実に変わりました。

何か無意識のレベルで根底から覆されたように。

人は理解できます。しかし”理解”と”体験”は大きすぎる壁があります。
身近な人がコロナで亡くなった時、初めて「コロナはヤバい」と体験として認知します。

これが知らない人だと途端に”他人事”になるのです。

つまり、志村けんさんの死は多くの日本人にとって他人事ではなかった。
だからその経験でコロナにきちんと向き合う人が出たのでしょう。

日本では、豪雨、地震、津波…多くの災害がありたくさんの怖さを知っています。
これは悪い事だけではなく、その対策をすることが出来、今後どこかの国で同じことが起きた時、その方法を伝えて、一人でも多くの人を救うことが出来るはずなのです。

綺麗事かもしれません。
それこそ自分が災害で大切な人をなくしていないから言えるのかもしれません。

それでも、前を向いて生きていくためにはその辛さを乗り越える必要があるのではないでしょうか。

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