夏の読書記録①



夏休みに読んだ本の記録を残していきたいと思います。

余命一年、男をかう
吉川トリコさんの作品です

幼いころからお金を貯めることが趣味だった片倉唯、40歳。ただで受けられるからと受けたがん検診で、かなり進行した子宮がんを宣告される。医師は早めの手術を勧めるも、唯はどこかほっとしていたーー「これでやっと死ねる」。
趣味とはいえ、節約に節約を重ねる生活をもうしなくてもいい。好きなことをやってやるんだ! と。病院の会計まちをしていた唯の目の前にピンク頭の、どこからどうみてもホストである男が現れ、突然話しかけてきた。
「あのさ、おねーさん、いきなりで悪いんだけど、お金持ってない?」。
この日から、唯とこのピンク頭との奇妙な関係が始まるーー。


私はブクログを登録しているのですが(登録しているだけで、見る専門です)
本ランキングをチェックして、そこから気になった本を読むことが多いです。
この余命一年、男をかう はブクログを見ていて気になったもの。
そして本屋さんで見つけたときにスピードワゴンの小沢さんが帯を書いていたので
これは!と思い買いました。芸人さんが帯書かれている本は面白いというイメージでした。

テンポ良くてあっという間に読めて面白かった一冊。
節約生活をしている主人公 唯の感覚に笑ってしまったでだしでしたが、話の途中で唯の気持ちが大きく揺れる場面では何回か泣いてしまいました。
最近書かれた本なので、コロナ禍の描写もあり、小説って当たり前だけど時代が反映されていくよなー、この先この本を読んだ時にコロナ禍の時はそうだったよね、と思える様になってるといいなと思いました。

私も独身だったら、もうずっとこのまま1人でもいいって思うけど、やっぱり自分の気持ちに寄り添ってもらえる存在は必要なんだろうな。


印象に残った唯のセリフ 

「これまで私は周囲にいる人間全てに
 自分自身にさえレッテルを貼り、そういう人だと見なして接してきた」

ホストのリューマの言葉。

人間には様々な側面がある。
目の前の相手を単純にカテゴライズしてなんとなくの理解で済ませようとするのはわかりやすくて楽かもしれないが、それだと多くのことをとりこぼしてしまう
指先からこぼれ落ちたそれらのもののほうが、むしろその人自身をあらわしているんじゃないかー

私も自分の思い込みで、一つの価値観の眼鏡で周りを見ていることがあったなと気付かされました。気を付けよう。

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