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千歳くんはラムネ瓶のなか8

初めましてyu_kiです。
ユウキでもゆーきとかでもかまいません。

まずはわざわざ開いて頂きありがとうございます。


チラムネ8巻を読んで、、、

あまりにも想いが溢れすぎて、どうにもこうにも状態だったので、初めてnoteとやらに吐き出してみたのです。
途中からあれもこれも書き足したい事がどんどん出てきてすんごい量になり、今に至ります。

ネタバレや考察のようなものがあります。
必ず8巻を読んでからご覧ください。

とても長く、所々読みにくい箇所もあるかと思います。

ただ、読んで自分が感じた事や伝えたい事もたくさんあり、何よりこの大好きで素敵な作品への想いを綴らせて頂きましたのでお付き合い頂けたら幸いです。



裕夢節のプロローグでチラムネワールドに浸る。


はじまりはいつも儚く美しい文章、多彩なことば遊びを堪能し、チラムネワールドへと入りこむ事が出来るのが魅力のひとつ。

端から冷めた目で見てしまえば、ポエムみたいだとか、登場人物達の台詞がクサイとか、暑苦しいヤツらだなぁ、なんて思う人もいるかもしれない。

でも僕らはこのプロローグのおかげで、初めて手に取って読み広げた時の高揚感や、物語の中に入り込むような没入感をいつだって感じる事が出来るのを知っている。
朔たちのように心を燃やし、熱くなる事が出来るんだ。

また、チラムネの特徴のひとつとして、ひらがなの擬音語?副詞?が使われる。
例えば「めいめい」「はふう」など、
それがなんだかとてもかわいくって。
今日日使わねーな!と言ってしまうような。
そんなことばの柔らかさや古臭さが懐かしい雰囲気を醸し出し、より身近に、より鮮明に感じられるのだと思う。


今回出てきた歩道橋の話なんかもとてもノスタルジーを感じられるものだった。
確かに小さい頃はそれなりに使っていたけど、今はほとんど利用する事もない。
通学路で登っていた歩道橋からの景色は、自分が少し大きくなれた気がしたし、簡単に非日常を感じられるスポットだった。

余談ですが、なぜか青春ラブコメでは時々、
歩道橋で大事なイベントが起こったりする!


都会でも、すごく田舎ってほどでもない福井市という街がちょうど良くて、ふるさとを連想しやすいのもあるのかなって。
又、実際の施設やお店が出てくるので、忖度しすぎでは?なんて思われそうなものだけど、福井コラボなんかで聖地巡礼した時の満足度、作品や街への理解度、解像度が段違いだと思います。
多くの人がチラムネを通して、福井を盛り上げていこうという気持ちで溢れていて素晴らしいと思うし、これからも出来るだけ続いてほしいものです。



ストーリーに隠されたメッセージがある。


各々が感じてほしい。考えてほしい。
そんなメッセージが散らばっています。
(主観です。)


今回でいうと、ある一面を見ただけで全てを理解した気になっていないかということ。
前巻、突然出てきた新キャラクターで
朔たちの後輩である望紅葉。

天真爛漫なキャラで、朔たちに近づいて散々掻き乱していた。結果ヒロイン達は皆、居場所を奪われたと傷つき涙してしまう。


ここだけを切り取ったら、
突然割って入ってきてなんだよ。
空気読めよ。
なんてひどい女なんだ。
なんて思ってしまうかもしれない。

そもそも、グループというのは役割が自然と出来ていたりする。

チラムネでは序盤から正妻ポジ、妾(?)ポジ、なんかが出来上がっていたり、男友達みたいな関係、似たもの同士な関係、いつも河川敷に行けば会えるミステリアスな先輩がいたり。
各々がそういうキャラクターを自然と演じていた。


もちろん初めは性格や居心地の良さからそこに居座っていただけではあるのだけど、
外からみたら、いつからかヒロインたちが、自分の場所や役割と勝手に決めて朔の隣にいる状態が出来上がっているような。
(もちろん決して悪いことではない)

そして途中から入ろうとした紅葉に対して、ここは自分たちの場所だから入ってこないで。取らないで。と勝手に傷ついた。
という捉え方も出来てしまうということ。


答えを出さないまま曖昧にして続けていたキャラや設定を見て、それがホンモノ?と問うてみたり、ぬるま湯に浸かっているヒロイン達に喝!とばかりにぶっ壊したようにも見えた。

同じスタートラインに立てなかったことや、現状維持で停滞した関係にモヤモヤしたのだろうか、多少掻き乱したいという心根はあれど、基本的には自分の気持ちにまっすぐなだけだった。


紅葉というキャラクターの底はまだまだ見えないけど、どの視点から見るかによってかなり印象が変わるということ。


気を付けてても、先入観や第一印象、他人から聞いた話だけで勝手に判断してしまう事はよくある。
気分が落ちていたら、相手にそんな気がなくてもネガティブに受け取ってしまう事だってある。

SNSでも、実際見てもいないのに誰かが言ってたからそうなんだと思ったり、切り取った一部を、さも真実かのように、または自分の言葉のように発信しているのをよく見かける。

合う合わないの好みや、価値観は人それぞれだから色んな意見があると思う。

ただ安易に流されず、惑わされず、まずは出来るだけ自分でしっかり見て考えて、可能なら直接見る、話すなどした上で知ること。
そこに必要なら正解な情報を足していく事が大事なんだろうと。

落ち着いて考えてみたらそんな当たり前の事と思うかもしれないけど、感情は一定ではないし、咄嗟の判断ではそれらが出来ていなかったりする。

その他にも相互理解の大切さや、下から目線という見方、みんなそれぞれ違うということ、努力している姿の美しさなど、そんな分かっていても忘れてしまいがちな事を考え直させてくれる、思い出させてくれる素敵な作品だと思う。



チーム一丸となってバスケットをやるのってすごく難しい。


バスケットに限った話ではないが、部活などでチームスポーツをやっていると一部の強豪校以外では大体チーム内のレベル差、そして温度差に戸惑う事があると思う。

以前、陽もキャプテンとして、エースとしてチームの事、自分たちの熱量の違いで悩んでいた。

自分は2年生で部活の顧問が代わった時に聞かれたのだけど、


これからこのチームは
勝つためのバスケをやるのか、
楽しむためのバスケをやるのか、
相談して決めて欲しいと。


もちろんやるからには試合で勝ちたいし、上手くもなりたい。でも厳しい練習はほどほどにしてほしい。ギスギスもしたくない。

相談した結果、当然のようにみんな勝つためのバスケをすると言った。正直、温度差は確実にあった。でもその選択肢以外選ぶことはない。

上手くいってる時は見えなくても、
些細な事でそれが見え隠れする。

それだけが原因というわけではないが、
部内がギスギスする事も増え、
元は雰囲気を明るくしてくれるようなお調子者キャラだった2人が途中で辞めた。

色々あったし、もっと頑張っておけばという後悔もある、でも厳しい練習をこなしたおかげで自分達なりの成果は実感できたし、もちろん得るものもたくさんあった。
最後の試合のあと顧問の先生から言葉がかけられ、みんなも泣き出してしまうくらいにはなんだかんだ3年間頑張ってきたのだ。

でも僕は本気で泣けなかった。

高校に入ってからはまた部活に入ろうとも思ってはいたが、雰囲気が合わなそうだったので友人と社会人チームを作った。
今度は全力で楽しむためのバスケをやるつもりだった。
初めはメンバーを集めるのにも苦労したけど、男女問わず年齢も多少違ったり、経験者、未経験者共に入り、それなりの人数が集まりワイワイやって、練習後にご飯を食べに行ったり楽しくやれていたと思う。
そのうちに外部との試合も組めるようになり、試合を重ねていき、大会なんかに出れるようになると経験者達に本気で勝ちたい欲が出てきた。その辺りからまた温度差や壁、遠慮なんかが生まれ、必ず誰かが我慢をしなきゃいけなくなり、チームのまとめ役としてみんなとコミュニケーション取りつつも、上手くバランスを取る事はとても難しかった。

チーム一丸となって同じ方向を目指す事は
本当に難しい。



(長くなりましたが、ここからが感想になります🙏)



千歳くんはラムネ瓶のなか8巻


美咲ちゃんが素敵過ぎる!

みんなで色んな壁を乗り越え、
結束力増して行って欲しい藤志高。

そしてまた立ちはだかる壁。
ナナとチームメイトとの壁。

ウミはこの壁を乗り越えられるのか。

(ところで裕夢さん、
そりゃ調べているとは思うけど
思った以上にバスケ詳しい!)

そして美咲ちゃんは本当に素敵な先生ですね!
生徒たちを良く見ていてくれる。
蔵センもそうだけど(真似してる?)
落ち着いていて、大人としての意見をしっかり子供目線に合わせて話してくれる。

ちゃんと自分達で考えさせて答えを探させる。
でも本当に行き詰まってしまった時には手を差し伸べてくれる、そんな存在。

バスケットにおいて、身長はとても大事。
小さい選手は大きい選手の何倍もの技術や努力が必要だったりする。

誰にも負けないスピードだったり、様々なテクニック、とっておきの飛び道具、そのあらゆるものを駆使してディフェンスを翻弄し、壁を越えていかなければ生き残れない世界。

でも本当に難しくて大切な事は、
壁にぶち当たっても逃げずにその度しっかり向き合い続けること。
たまには立ち止まって悩んでもいい。
完全に折れさえしなければまた立ち上がれる。

陽ならきっとまた越えられる、応えてくれると信じてるんだなって。

美咲ちゃんは陽に自分を重ねていたんだね。
思わず胸が熱くなり、泣いてしまった。

蔵センが先輩っぽいし、美咲ちゃんと富永先生との関係性も気になる。
わたし、気になります!


陽は好きを自覚し、原動力を得たことでさらに強くなった。

それなのに相方にあっさり置いて行かれてしまった。
届かないつらさ。
誰よりもひたむきに熱く全力で向き合ってるはずなのに。

悠月とナナの想いに応えられるのか。
美咲ちゃんの喝もあって、
4巻の時以上の熱が点った。

陽とウミの恋とバスケの快進撃も楽しみ‼︎


文化祭の演劇めちゃくちゃ楽しみ!

体育祭に関してはダンスくらいしかまだ分からないけど、
なぜか同じチームなのにウミがナナに、亜十夢が朔に勝負吹っ掛けるとかあったり?
運動系はなんだかんだ圧倒しそうだし。
また航海の途中でひと波越えて、団結力を深めた船員たちの姿が最高の見せ場になるのかな。

劇の方はかなり進んでた。
なずなは本当に良い性格してる。
亜十夢もツンデレ属性付いたし、
ホントに最初に絡んできた印象とはまるで違う。

そんでもってココ!
見本としてプロローグやっただけなのにやけに完成度が高い。
掛け合いも面白く、期待高まる最高の演技だった。
なずなは悠月のこと良く見てるな。
早く本番観たい!

こういうところなんか特に、
いつか映像でも観て見たいなと。

金沢旅行を経て、なずななりの気配りも効いた3人に寄り添ったシナリオ。

最後の見せ場でもある結末をアドリブに委ねるという攻め攻めなシナリオと優柔不断な王子様の選択がどうなるか気になるところ。


一ー一場面は変わって。

ダンスの練習中買い出しに出掛けたふたり。

明日姉が可愛過ぎる‼︎
地味に属性多くない?

先輩、姉、妹、幼馴染、ミステリアス、ポンコツetc...


優空とのコンビも最高。
少し遠慮のない会話が新鮮で気持ち良かった。

先に書いたような、思い違いに気が付いて停滞していた自分と向き合い、信頼出来る仲間に曝け出す事で一歩進む事が出来た。

明日姉は輪に入り、並ぶ事の意味を知る。
誰かが報われれば、誰かが不幸になる。

もし、自分が報われた時、
知らんぷり出来たのに。
幻の女のままでいられたのに。
それでも並ぶ事を選んだ。

この一歩がこれからどう影響していくのか。
ヒロイン同士の関係も楽しみ。


ー一ー朔と夕湖。

夕湖のふいに見せる一皮剥けたような、どこか諦めたような淡い雰囲気に「夏の涙からの新学期のおはよう」をどうしても思い出してしまい、泣けてくる。

本当の意味か分からないけど、夕湖が「手向ける」という言葉使った事が信じられなかった。
優空や明日姉がまだ持っていない、ひとりあの夏を越えた事で持った覚悟なのかもしれない。

久しぶりに朔としっかり話した場面はとても良かった。
ゆっくり掌を広げていくように会話するふたりにどこか寂しさを感じ、でも決して暗くはなく、確かに距離は近づき、前を向いていた。

その先が同じ方向を向いていたらいいのにな。
なんて。


ーーーそこに現れた紅葉。


朔の前で緊張しているという事や、もらい泣きしまった事はまだよく分からなかった。
夕湖には何かが伝わり、別の機会で何か話したんだろうか。
スタートラインに立てなかった事が果たしてそのままの意味なのか、
そもそも望紅葉という女の底が全く見えない。

悠月と1番似ていて張り合っているような、
大抵の事はそつなくこなし、演じれるタイプの美人。

ただ正直、あまり同じタイプには見えないんだよなぁとも思う。
そこにヒントがあるのかも。。

実は入学前から朔に憧れていて、そこそこのスペックだったのを必死に磨いて、5人を見て、とことんまで研究して今の紅葉になったのかなとか。
演じる事で結果的に、悠月のような女優タイプになったとか。
だから学年以外の理由でスタートラインに立てなかったとか。

まだ暑さの残る少し遅れてやってきた季節。

紅葉は仲間はずれにはされたくない。
でも仲間にはなりたくない。

ホントいいキャラしてる!

何にせよ、イベントでみんなが揃ってるところで何かを起こすんだろう。
参加型と言えば叫ぶ系のアレとかかな?

朔たちの劇を行けたら行くってのはイベント次第みたいな、
ホントは見たいけど見れないかもと。。。

ただ夕湖との会話で最後にちゃっかり「そういうお友達に」を「えへへー」で流した事は見逃さないからなー!


文化祭の劇と悠月の行動絡めるの天才すぎない?


前巻の終わりから悠月が覚醒して劇的に変わると思ったけど、序盤ではバスケのプレー以外にそれほど変化があったわけでもなかった。
陽やチームメイトに後ろめたさが残っていたのは少しホッとした。
ただ自分の仮面や仲間との輪が邪魔して、紅葉や以前の明日姉のような立場や気持ちになれない。
でも変わらなきゃ変えられないジレンマ。

そこから後輩の挑発にのって、
ついに本気モードになった七瀬悠月。

(挑発されたという理由を得て変わった悠月。
毒りんごの魔女は紅葉でもあるのでは?)

まるで完璧で究極のアイドル演じる実力派女優さながら。

それぞれのキャラになりきり、
朔を撃ち落としにかかる。


劇の見本から始まり、
ってかこれだけでも圧巻な演技。

夕湖の人懐っこい笑顔と包みこむ温かさ。

明日風の大人びたミステリアスさ。

優空の気軽さや母性のような柔らかさ。
(+きゅいっ)

紅黒く夜に染まったナナは熱く妖艶に。

(あれ?陽は?)
(試合でウミに代わってエースになったから?)

七瀬悠月という女の魅了に
どんどん吸い込まれるように、
堕ちていくような感覚。

ただでさえハイスペックなのに、
これだけ完璧に演じられてしまえば、それは隙のない、とても魅力的な女性でしかない。



毒りんごの魔女となって朔を誘惑していく。

(いやこれなんすか⁉︎)
(熱いバスケ漫画?青春ラブコメ?官能小説?)

ここの余白の使い方が先ほどの夕湖と朔の会話とは似ているようで、まったく違う速度と表現をしていて、とてもゆっくり、そして生々しく感じられて心底ゾクゾクした。

境界線を曖昧にし、ひたすら攻め込んでいく。
今まで一度だって底を見せなかった女がナナとして全てを曝け出して囁く。

とても長く濃密に感じられるような一時が流れていく。

でもいつしか悠月が演じてるという事に違和感を抱く。

朔の隣にいるあなたは誰?
七瀬?
悠月?
ナナ?
それとも他の子?

七瀬悠月が我を見失っている事に気が付いた。

朔は何度も抗おうとするがナナは止まらない。

いや一線越えてない!?
一部は避けたけど!避けたけど!


正直、
もう流されてもいいやん!
お前が悠月に恥をかかそうとしてるやん!
悠月の覚悟を無駄にすんなや!
このヘタレ野郎!


と、思ってしまった。
だけど、少し落ち着いてみれば、
毒りんごの魔女に魅了されて溺れていたのは読者である自分だという事に気が付いた。


ナナには好都合かもしれないけど、七瀬悠月にとって、ここで本当の一線を越えることは恥となるのかもしれない。
冷静になり、悠月に戻った時、千歳朔という男七瀬悠月という女がこんなタイミングで、こんなひとりよがりなやり方で手に入れてしまったら絶対後悔するだろうし、朔は責任をとって悠月を想い護りながらも、自分だけを責めるだろう。
仲間やライバル達の心だって雑に、そして深く傷つけてしまっていただろう。

そんな悠月を見たくないから、そうあってほしくないから朔は溺れてしまいそうになっても最後まで抵抗したし、結果として一線は越えなかった。

お互いが自分を責めたし、
僅かな傷は残ったかもしれない。

でも、本当に、

千歳朔が大好きな七瀬悠月に戻れて良かった。


朔にとっての居心地の良い場所は現状維持というものそのものだった。
変わらずに、答えを出さないように、
名前を付けてしまわないように。

いつものように素敵な仲間たちとふざけ合ったり、泣いたり、笑ったり、時にピンチを救ったり、そうしていつまでも変わらない関係を続いていきたい。

みんなのスーパーヒーローで居続ける限り、
昔のような事にもならないはずだと。

でも本当に大好きで大切な仲間が出来た。
本当に大好きで大切な仲間だからこそ、
いつまでも曖昧に、気持ちを裏切るような、はぐらかすような事も出来ないし、したくないと夕湖や悠月の気持ちを受けて痛感させられた。

本気の気持ちには本気で応えなければならない。


期限を設けて答えを出すと言ったところで
ちょっと男らしくないなぁとも思った。

ただやっぱり冷静に考えたら、
千歳朔はどうしたって千歳朔であり、
スーパーヒーローは十七歳のそこらへんの男子高校生でもある。
ピンチの時に必ず助けてくれるスーパーヒーローだって完璧な人間ではないし、悩みだってある。
どこまでも優しく、決して人のせいになんてしない男の子。
ましてや本物のヤリチン糞野郎でもない。

それにこれだけ魅力的な女の子たちに好意を向けられたら、誠実に向き合おうとしたらどんな男でも迷うだろう。
こんな大事な問題の答えなんて簡単に答えが出せるはずがないだろうし、今までのように誤魔化さず、自分に縛りをかけてでも必ず応えるという決意が確かに感じられたんだ。



きっと、どうしたってみんな笑顔で誰も泣かない答えなんてないんだろう。

それでも朔は名前をつける。



悠月はあの夏を越えた夕湖のように殻を破り、大人になった姿を見せてほしい。

劇の結末も気になる。

他のみんなも少しずつ変わり始めていて、

朔はまだたぶん3人ないし4人分越えなきゃいけないんだろう!泣

頑張れっ‼︎朔‼︎



チラムネは美しい。



名前をつけるために

なんてロマンチックな響きだろう。

生き様を選ぶ
なんてクールな響きだろう。


蔵センは選ばなかったのかな。
自分に千歳朔という青春の真ん中にいる若者を重ねてたりするのかな。
あの夜、手を伸ばした月に、爽やかな炭酸が詰まったラムネ瓶のなかのビー玉を重ねるように。


自身の経験もあって、教師となって生徒達を見守り、時に不器用ながらも導いてあげたいと心の中で思ってるんだろうな。
でもあの人、そんな事絶対言わないだろうけど。


鏡よ鏡。

一一たとえば私が、悠な月だったなら。


こんなふうに一旦、幕を下ろす。


岩浅さんのいうとおり
終わり方も本当に美しく、素晴らしかった!

1巻から今まで積み上げてきたものを7巻で一度バラバラにし、この8巻から本当にゆっくりと積み直すように、でも、まったく同じものを創るわけではなく、それぞれがそれぞれなりに自分らしいものを創りあげていくんだろうな。
そんな感想でした。


最後に。

僕は学生時代、バスケをしていたし、成績はあまり良くなかったけど学級委員や、文化祭の実行委員なんかをやる機会があったし、お決まりの河川敷で応援団に混じって練習に参加してたりしました。もちろん好き人だっていました。だから途中、心に刺さりすぎて胸がいっぱいになって何度も手を止めてしまいました。

最近では世間という大きな声に思うところがあったり、自身の周りや体調の面でも悩んでいたりします。
ただそんな時、チラムネを読んだり、関わる人たちを見ていると自然と温かい気持ちになったり、世の中捨てたもんじゃないなぁと思えて元気や勇気が貰えています。


大人になって、大切なことに気付かせてくれたり、思い出させてくれる素敵な作品に出会えたこと、本当に感謝しています。
これからも裕夢さんの創るチラムネ、そして夏に向けてまた盛り上がっている福井を応援しながら、自分の生き様についてもしっかり考えていこうと思います。


raemzさんの美しすぎる表紙や口絵イラストにに始まり、
本を立ててみれば何やら黒いページが後半に集まっていらっしゃる!
7巻での怒涛の泣き顔カットを思い出してしまいましたが、今回もとても破壊力のあるイラストでした!
ラフイラスト集も最高でした‼︎
ポストカードでも欲しいくらい‼︎



驚くほど長くなってしまいましたが、
ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございました。

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