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一人っ子も姉も妹も味わってきたけど、一人っ子が一番いい

突然ですが、クイズをしたいと思います。私、雁屋優は、姉でしょうか、妹でしょうか、それとも一人っ子でしょうか。

少し、意地悪な出題だった。答えはそのすべて、だからだ。どういうことかはこれから説明しよう。

私の育ちは複雑だ。まず一人っ子として生まれてある程度育ち、親の離婚に伴いひとり親家庭になり、その後親の再婚に伴って姉と妹になり、さらにその後下にきょうだいが生まれた。

4人きょうだいの2番目であるけれど、私の心は最初の一人っ子のままだった。今もそうだ。私は一人っ子のままの心で生きている。

だから、よい姉でもよい妹でもなかった。いつも自分は姉だから損をしていると思っていたし、妹だから損をしていると思っていた。この家に子どもが自分一人であればいいのに。そんな思いがずっとあった。

姉と妹と一人っ子を経験した上で言う。何だかんだで、一人っ子が一番いい。きょうだいが役に立つのなんて親のイライラがこっちに向かってこないように身代わりにするときくらいだからね。

私がどんな姉で妹だったかというと、姉として高圧的で支配的で、妹として甘えたり助けられたりしていた。そして総じて他人を見下していた。

これだけ聞くと、いいとこ取りに見えるかもしれない。でも、そんなことはなかった。

妹だからお下がりを着ることもあるし、姉だからと下のきょうだいを優先されることもある。私はそのすべてが許せなかった。すべてにおいて、優先されるべきは誰よりも優秀な私なのに。そして当然のごとく、私は他のきょうだいが嫌いだった。私を優先しない親のことも嫌いだった。

とりわけ一番下の弟のことが嫌いだった。歳が離れていて、親に優遇されているからだった。いなくなってしまえばいい。そう思ったことは一度や二度ではない。

一番下の弟のことが嫌いなので、私は彼とLINEで繋がっていない。LINEで話すこともないからだ。

いや、話すことがないのは弟とだけじゃない。私は他のきょうだいのアカウントは一応知っているけど、基本的にLINEをしない。やり取りがない。用がないからだ。金欠ゆえに妹に服をもらったときは、さすがにお礼のLINEをしたけど、それ以外では何のやり取りもない。

妹は今実家から少し離れたところに住んでいて、たまに実家に顔を出す。私が一番よく会うきょうだいになった。私たちの間に、仲睦まじい会話はない。趣味も合わない、考え方も価値観も合わない。する話は必然的に仕事の話しかない。

私は高いお給料をもらっている妹が妬ましくて仕方ないので、その話をしたくないオーラを出している。そして会話がなくなる。でも、今は別に妹のことを嫌いじゃない。どうでもいいと思っている。好意も悪意もない。

先ほど書いた事情で血が繋がってないからやっぱりどうしても"かつて一緒に生活させられてた他人"でしかない。私の心はいつも一人っ子だし。

いいや、血が繋がっていないなんていうのは言い訳だ。私は彼らに興味がなく、好意もない。嫌い続けて、大学進学で家を出たことを機に、没交渉状態になった。今仕方なく実家に戻ってきて、たまに会うときも会話がない。

友人に話すととても驚かれる関係性だ。友人は妹と住んでいたこともあるのだから。きょうだいに興味も好意もない自分を正当化するため、私は今日も"血が繋がっていないから"と言い訳する。そうすると大抵の人は仕方ないよね、と同情的になってくれるのだ。

これから関係がよくなるとか悪くなるとか、それはわからない。ただ、関係改善のための行動を取る気はない。離れて終わり。それでいい。

執筆のための資料代にさせていただきます。