#013 発熱とお泊まりと
初夏の月曜日
わたしはワクチンを接種しに駅前のビルにいた
いつものように朝から司と LINE をする
どうやら司は風邪をひいて会社を休んでいるらしい
大丈夫かな?
実は司の家はこの駅前のビルから
車で数分のところにある
「 看病にいこうか? 」
試しに聞いてみた
「 いいの?会いたいよ 」
可愛いこといってくれるね
ワクチンを打ち終わったらすぐにいこう
途中のスーパーで何を買おう
果物がいいかな?
あまりにも風邪をひかないわたしは
そんなこと考えていたけど
風邪の時はアイスやゼリーが正解だよね
ごめんね 司
どこに向かえばいい?
と聞いたら
司は自宅近くのコンビニを指定してきた
わたし「 家じゃないの? 」
司「 風邪菌すごいからさ 」
それならそれでわたしはいい
コンビニの駐車所につき
わたしは司に連絡をした
すぐに司がやってきた
とてもつらそうだ
わたしの車の後部座席ですぐ倒れこむ司
おもっていた以上に体調が悪そう
熱もある
喉も痛いらしい
司は何もいわず
わたしの膝枕で寝はじめた
すやすやと気持ちよさそうに
2 時間くらい寝ていた
風邪のときは寝るのが一番
わたしはうとうとしながらも
身動きが取れない状態で
彼の頭をずっと撫でていた
いつまでもこうしてはいられない
ごめんねと言いながら
サヨナラをした
「 じゃあね 」
司はコンビニに停めていた自分の車に戻っていった
「 えっ、車できたの? 」
本当に不思議な男だ
司の車の方が広いのだから
そっちですごせばよかったのに
あえて狭いわたしの車を選んだ
彼はそういっていた
この次の日
またしても会社を休んでいるという司
昨日よりは体力が回復している
しかし大事をとって休んだ
昨日のことは覚えていないが
幸せな時間だったと司はいった
本当に可愛いやつめ
この日はわたしが少し熱っぽかった
そうワクチンの副反応
でも司に会いたい
休みが全く合わない 2 人
会えるときは会いたいとおもってしまう
今回は司がうちの近所まできてくれることになった
いつもはお姉さん風を吹かし
スリットスカートで綺麗に決めるわたしも
今日は元気がない
黒のスキニーとパーカーのカジュアルスタイルで
許してもらおう
どう転んでも致すことはないだろうしね
司は昨日よりもだいぶ元気そうだった
まずは 2 人でアイスを食べる
そして司の車の後部座席で
イチャイチャだらだらとすごす
このなにげない日常がカップルっぽくてよいのだ
思い返すとこの週は
風邪騒ぎからはじまり
週末ははじめてのお泊まりもした
といっても
いつもと変わらず
コンビニで食事を買い
ホテルですごすのだが
一緒にお酒を飲み
朝まで寝ることができるのは
今回がはじめてだ
ただわたしは次の日仕事なので
朝早くに解散になる
この日も司がハマる
マルチビジネスの商品をもらった
この日はサプリとシャンプーだった
サプリはなかなかのお値段だった
結果いつものように長時間お風呂に入り
ベットで致す
それが気持ちよすぎて
そのままベットで寝てしまった
そう目覚ましもかけずに・・・
いつも自宅で起きる時間に
目覚ましが鳴った
まずい時間がない
隣で寝ていた司を叩き起こす
「 ごめん寝坊した、わたしすぐに帰らないと 」
「 置いていかないで 」
と司
確かにひとりでホテルに残されるのは
地獄である
バタバタと荷物をまとめる 2 人
サヨナラのキスをして
家路へと急いだ
はじめてのお泊まりは飛んだ事件となってしまった
このことはしばらく司にいじられた
「 あの時のゆうかちゃんの慌てた顔、忘れないよ 」
そう司は意地悪な男である
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