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#014 楽しい時間はあっという間

司と出会って 1 ヵ月半

わたしの生活は激変した

いま司はなにをしてるかな?
今日は会えるかな?
頭のどこかで司を想像し
彼のことをいつも考えていた

毎日が司で彩られ
新しい世界をたくさん教えてもらったり
とにかくわくわく充実した日々だった

司との時間が楽しすぎて
大好きすぎて

予測のできない未来に不安になることもあった

そうわたしはシングルマザー
第一優先は愛する娘なのだ

その知らせは突然やってきた

司からの着信
珍しくコールが長く続き
なんども掛かってきた
しかし直ぐに電話に出られず

数分後、電話を折り返した

「 どうしたの? 」

「 会社から連絡があって
     急なんだけどね・・・・・・」

緊急事態ということを悟った

なにが起きたのだろう
全く想像ができなかった

「 実はね、来週から転勤になるの 」

来週??
そんな急なことがあるの?
しかも聞けば転勤先は
400 kmも離れた土地だった

司が遠くにいってしまう
今までのように簡単に会えなくなってしまう

寂しさや悲しさはもちろんあった

しかし驚いたことに
心のどこかでホッとした自分もいた

これで自分の生活が守られる

これが正直な気持ちだったのだろう

司と付き合ってからというもの
独身の彼に時間や都合をだいぶ合わせてきた

もちろんそれは自分がしたいからしていた
司のせいだとはおもっていない

とはいえ可能な範囲で司に喜んでもらえるように
一緒に楽しめるようにしたいと
努力をしていたのも事実である

シングルマザーでありながら
細切れに空いた時間に司と会ったり
会えないときはたくさん通話をした

しかしこの時間は
わたしの時間の大部分をとられ
読書や勉強などできていなかったのも事実だった

自分では気がつかなかったが
司との時間はわたしにとって
楽しい反面負担にもなっていたのだ

どうやらあと 2 〜 3 回しか会えないらしい

今後について考えよう
司との未来にきちんと向き合いた

わたし今までこのかた
遠距離恋愛をしたことがない

そもそも好きな人とは
なるべく多くの時間を過ごしたいとおもっている
同棲もマストなのだ

遠距離で付き合っていく自信もない

司のことは大好きだし
このままうまくいけば同棲や結婚など
輝かしい未来が待っているかもしれない

しかしわたしが彼氏に求めるものは
日常の幸せなのだ

リアルでいかに一緒にいられるか
それが重要だった

いまわたしが優先させるのは子どもとの
生活である

司の存在も大切だがいまの生活を壊したくない

わたしは司と別れることを決意した

司にその決意を伝えた

しかし司は

「 別れたくない、
会いにくるから別れるなんていわないで 」

そう言った

わたしは司に考えた結果を伝えた
遠距離恋愛をしたこともないし
できる自信もない
彼氏とはできるだけ一緒の時間を過ごしたいのだと

それでも彼は譲らなかった

まずやってみよう
遠距離恋愛してみようと

確かに司のことを嫌いになた訳ではないし
できることなら関係は続けたい
何事もやってみないで語ることは好きではない
遠距離恋愛も意外とうまくいくかもしれない

司が会いにきてくれるというのなら信じてみよう
ダメならそのとき別れればいいのだから

まずは 1 ヵ月後
引越しの手続きでまた帰ってくるから
その時に会おうと彼はいった

まずは 1 ヵ月

そう約束をし
わたしたちの遠距離恋愛ははじまるのであった


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