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人と出会う、ということ(5)

リング上で戦う帯広選手の姿を見たい!
しかし、そう思ったとき、怪我の手術によるリハビリ期間を含め、長期休場中だった。

嗚呼、我ながら何と間の悪いことか!
このとき、改めて思った。

「下手な遠慮や我慢は、色々な機会をフイにしかねない!」んだと。

そう、機会というのは一期一会。
一度逃したら次はないかもしれないぞ!

Twitterなどの情報によると、帯広選手はリハビリと併せ、新宿歌舞伎町の「エビスコ酒場」で働いているようだ。

エビスコ酒場は、DDTプロレスリング(厳密にはDDTフーズ)が運営している居酒屋で、コマ劇前(今の東宝ビル前)にありながら、お手頃な値段で美味しい料理にありつけるのが特徴。

しかも接客対応や調理も、DDTならびに系列団体の選手が対応してくれるという、プロレスファンにはお馴染みの居酒屋。かくいう自分も、家内や職場の友人たちと、何度も足を運んでいる。

場所柄、居酒屋の激戦区・歌舞伎町でありながら、かれこれ10年近く続いていること。
単に「プロレス団体(プロレスラー)がやっている店」という要素を差し引いたとしても、どれだけ凄いかが、お分かりいただけるだろうか。

さて、話を戻そう。
帯広選手にお会いできる機会があるのなら、と、エビスコ酒場のTwitter(その日のオススメとシフトが公開される)を確認し、2018年2月下旬のある日、立ち寄ることにした。

「いらっしゃいませーーっ!」
元気でハツラツとした女性の声。いた!帯広選手だ!!

長い髪はタオルで包み、試合では見せない眼鏡姿。
Tシャツに前掛け。ちょいと腕を組めば、ラーメン屋の店主スタイル。
ただ、明らかに足を庇っている歩き方になっている。まだ傷は癒えていないのだ…。

ともかく、スマホのアプリ越しで戦った相手とのファーストコンタクトは成功した。

ひととおり料理と酒を楽しみ、帰り際、帯広選手にお声掛けして「実は…」と切り出すと、覚えておいてくださったのか「ああ~!!あの時の!!」と返してくれた。

スマホで写真を撮らせていただくと、この笑顔。

「いや~、写真撮られると、つい変顔しちゃうんスよね~(笑)。」

いやいや!めっちゃいい笑顔ですやん!
なんとなく、いや、ホントになんとなくだが、今まで我闘雲舞どころか、女子プロレス自体に興味を持たなかった自分が、帯広選手に興味を持った理由がわかった気がした。

やっぱり「一緒にお酒飲んだら、絶対楽しい人だな!」と。
そして俄然、リング上で闘う「プロレスラー・帯広さやか」を、この目で見たくなったのは言うまでもない。

(つづく)

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