なんで、私がランパーンに?
初めまして。ほとんどnoteを更新したりすることなく4年生になってしまいました。最近色々な経験をさせてもらう中で、文字に起こして残しておきたいと思うことが多くなってきたので、久しぶりに筆を取るに至りました。普段、あんまり文章を書かないので、読みにくいかもしれませんが、へーこんなこんなやつが、こんな留学したんだくらいに思って読んでもらえると助かります。先日私はタイの北部にあるランパーン病院に約1週間留学させていただきました。今回はその体験談と、これからランパーン病院に行きたいと考えている学生・研修医の方に向けて何か残すことができればと思い、noteを書いてます。
ランパーンってどこ?
そもそもランパーンてどこやねん、タイといえばバンコク・プーケット・サムイくらいしか知らんぞというあなた、大丈夫です。僕も同じでした。実際今回の留学に興味を持った時の僕はほぼほぼタイの地名は知らず、いざいくとなって調べてみて初めてランパーンがどこにあるのかを知りました。一応ランパーンがどこにあるのかを下図に示しておきます。
ランパーンはタイ北部でチェンマイから車で1時間くらいの場所に位置しています。案外アクセスは良い&インバウンド向けの街ではないので、物価も安いし郷土料理なんかも楽しめちゃいます。
なんで私がタイに?
なぜ、タイに留学なのか?疑問に思う人も多いと思います。僕もタイに留学に行くだなんて思ってもいませんでした。イメージしていた留学は英語圏の大学や病院で、求められるTOEFLも高得点で、なかなかにハードルが高いと思っていました。上級生になった時に留学に行けるようにそろそろ英語の勉強を真面目に頑張るかと思っていたある日、一つのTweetに目が止まりました。
タイで日本の医学生の留学を受け入れている病院がある!しかも日本大好きな先生がいるから日本語も少し通じる、宿泊費・食費はほとんどかからず、交通費だけで行ける!タイの医学生や医師の方々は英語でコミュニケーションが取れる!しかも短期から可能!
それまでアジア圏に留学に行くという選択肢がなかった私は驚愕しました。そして、海外留学に行ったことがない私にとって、留学第一歩としてぴったりな内容でした。タイで英語を使いながら医学の研修をできるのはとても魅力的でした。
このツイートを見て、夏休みを利用してタイへ短期の留学に行こうと決めました。早速ツイートの主である潮田先生にDMを送り、Thanin先生と連絡をとり始めました。
事前準備
弊大学は留学に関して寛容であったことから、特段必要な手続きはありませんでした。書類を何枚か書いただけです。これは大学によると思うので、学務科などに聞いてみてください。
保険に入り、飛行機の手配を自分で行い、出発の日を待ちました。Thanin先生からランパーン空港を利用するフライトは高いからチェンマイ空港に来てくださいと連絡があったので、チェンマイ空港行きの飛行機を手配しました。
現地での生活
ランパーンについてから、私はThanin先生の自宅の2階に約1週間住まわせていただきました。基本的にThanin先生の勤務時間に合わせてERに行き、ERで実習をさせていただきました。主な内容は超音波検査の練習と診断。約1週間の間、毎日8時間、超音波検査とその他ERでのさまざまな仕事をやらせてもらいました。5年生以上ならタイミング次第ですが、気管挿管をやらせてもらえる日もあるようです。初日は模型を用いて基本動作を学び、2日目以降は実際に患者さんに対して超音波検査を行わせていただきました。学生が検査を行い、異常があるか診て、Thanin先生に報告の上、Thanin先生が再度検査を行なってくれます。日本で実習を行なったことがなかったので比較はできませんが、異国の地での実習だからか、自分の頭で考える機会が多かった気がします。たまに医学クイズをThanin先生から英語で出されるので、必死で考えた記憶があります。正解はできませんでしたが…(正解できんかったんかい)あっていようが間違っていようが、必ず先生が確認してくれるので安心感がとてもありました。
日を増すごとに手早く患者さんの超音波検査を行うことができるようになりました。それに加えて超音波検査で異常のある患者さんも多くいられたので、自分が今大学で学んでいる座学の知識が臨床とつながる瞬間を感じることができました。わからなければ悔しいし、わかれば嬉しい。単純ですが勉強に対するモチベーションがかなり上がりました。
実習のシフトに関して
私たち医学生のシフトは基本的にはThanin先生のシフトに依存します。
Morning shift:朝8時から16時
日中は医師の数も多いので割とゆったりとしている。
Evening shift :16時から0時
医師の数も日中に比べると少ないため、かなり忙しそうだが、その分多くの経験をつめた。
Night shift :0時から8時
経験していないのでコメントできないです。すいません。
実習以外の時間の過ごし方
私が行った期間はNight shiftが主だったので、午前中に起きてから16時くらいまでがフリータイムでした。初日はThanin先生のお父さんお手製のガパオライスをご馳走になり、2日目以降は同じ時期にランパーンに留学に来ていた日本人3人とThanin先生の5人で先生おすすめの地元のレストランで北タイの郷土料理をいただきました。Morning shiftの日は実習終わりにチェンマイ式マッサージへいき、その後留学のきっかけになった潮田先生を交えて5人で夕食に行かせてもらいました。早朝からレジデントのペット先生の案内でLamgpangの観光に連れて行ってもらい、夕方からNight shiftに入ったのもいい思い出です。めちゃくちゃ楽しいかったです。一つやり残したことがあるとすればもっと現地の学生と交流したかったということでしょうか。Night shiftであったため仕方がなかったのですが…他の期間にランパーン来た友人はMorning shiftが多かったため、基本的に現地の学生と過ごしていたと聞いています。
飛行機
関西空港からバンコクまでAir asiaで往復6万円くらいでした。ちょうど良い時間に着くことができるのでかなりおすすめです。安いし。また、バンコクからチェンマイへ乗り継ぎをしたのですが、それも往復で1万円くらいでした。もう少し早く予約しておけば1万円かからないくらいだったので、2ヶ月前くらいに予約することをおすすめします。飛行機の取り方でおすすめはスカイスキャナーで調べて、当該のエアラインのHPから直接予約するといいと思います。
バンコクはスワンナプームとドムアン空港の二箇所空港があるので注意が必要です。両空港間は無料のシャトルバスが通っているのですが、移動に30分から1時間くらいかかるので、時間に余裕を持って移動することをおすすめします。
持ち物
お金:現金2万円分くらい持ってれば1,2週間は過ごせると思います。僕はクレジットカード使えるか思ってたら、意外と使えないところ多くて詰んだので両替はしっかりしておきましょう。
虫除け:タイではマラリアなどの感染症も日本に比べて多いので、虫除けは必須です。
日焼け止め:基本日差しが強いのでこちらも必須です。
サングラス:外出する時日によってはかなり日差しが強い日もあるのでサングラスはあって困ることはないと思います。
変圧器:タイでは日本のプラグがそのまま使えます。iPhoneなどの充電に関しては特に変圧器は不要なのですが、ドライヤーなどを持っていく際は変圧器は必須です。
ドライヤー:寮に泊まる方はドライヤーはないようなので必要な方は持っていくことをおすすめします。ホテルに泊まっていた友人もなかったみたいなので念の為ドライヤーはあったほうが無難かも?
SIMカード:タイで使えるSIMカードは用意したほうが良いです。eSIMでも物理SIMでもどちらでも良いかと思います。
そのほか:セブンイレブンがあるので、大概のものはコンビニで買えます。また、コインランドリーもあるので、雨季で洗濯物が乾きずらくても安心でした。
どんな人に勧めるか?
逆にこんな人には合わないかも↓
タイは良くも悪くも大雑把です。というか日本がきっちりとしすぎている気がしますが。日本の衛生が良すぎるが故に、潔癖な人は少し厳しいかもしれません。水が汚いということはありませんが(レストランでもコンビニでも飲料水を飲むことができます)、年中蒸し暑いので虫は出ますし、飲食店の衛生もお世辞にも日本に匹敵するとは思いません。「火を通しているから、なんやかんや大丈夫か」と思えたり、「病院に実習に行くし、体調崩しても、なんとかなるか」くらいの心もちになれる人には超おすすめです。ご飯も安くて美味しいし、人も優しいし、勉強になるし、何よりも異国の医療に触れる機会を得られるっていう、超貴重な経験をすることができます(正直これが一番大きいと思います)。
最後に
どの先生も気さくで優しくて、面白いので夏休みや冬休みに海外の医療を見てみたいとか、海外で実習ってどんな感じなのかとか、少しでも留学に興味がある人はぜひLamgpangに実習に行ってみてください。きっと貴重な経験になると思います。また、1週間以上滞在する場合はERでの実習だけでなく、心臓血管外科での実習もおすすめします。このnoteで1人でも多くの人の背中を押せたら幸いです。
少しでも興味を持った方は僕に連絡してください。
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