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孤独に寄り添う音楽ー映画フィッシュマンズ

孤独を感じる時、フィッシュマンズの曲が寄り添ってくれた。

私がフィッシュマンズを聴き始めたのは全盛期の頃ではない。ボーカルの佐藤伸治さんが亡くなっていると知ったときはとても衝撃を受けた。もう新しい音楽を聴くことができないんだと思い、悲しみが込み上げてきた。

この映画を観て、フィッシュマンズの活動の中には様々な苦労があったことを初めて知った。

当時、スピッツやウルフルズなどが売れていた中、フィッシュマンズは曲が思うように売れず、伸び悩んでいたという。そして、いつしか売れたいという思いより、メンバーが作りたい曲を極めるようになった。
当時のライブ前、メンバーやマネージャーでさえ、サトちゃんと会話をしたり、声をかけられる状態ではなかったと話している。周りに高い壁を築き上げてしまっていたのだろうか。
そんな中、メンバーの脱退が続く。責任を感じ、気づいたら自分自身を追い詰めてしまっていたのかもしれない。

「頼りない天使」の歌詞に「遠い夜空の向こうまで連れてってよ」というフレーズがある。
この場所ではないどこか違うところへ行きたい、と思うことがわたしにもあった。
でもそんな時、わたしにはフィッシュマンズの曲が音楽が寄り添ってくれたし、そう思うたびに聴くことで支えられていた。
過ぎ去ってしまったことや、取り返しのつかないこと、たまに道を間違えてしまうこともあるけれど、常に前を向いていたい。
自分はそこにいたんだと、足跡をつけて歩いてゆきたいと思わせられる。

そして今年、WIND PARADEのライブで新しい形のフィッシュマンズを聴くことができ、とても感動した。フィッシュマンズに出会うことができて本当によかった。いつまでも宝物にしたい。

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