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『悪は存在しない』in横浜シネマリン

『悪は存在しない』を観た。面白かった!
映画を観た後、感想を上手く言葉に出来ず、今日もずっとこの映画のことを考えている。


映画を観て気になったのは、対比と視点。

対比
都会と田舎、上と下、建設と破壊。
あらゆるものが対比されている。

視点
車視点、鹿の死骸視点、植物視点。
まるで、画面に映る全てのものに命があり、生きているかのような視点。
長回し、歩いている人を追う視点、上を見上げながら歩いているような視点、定点カメラ。だるまさんが転んだ。
映像の撮り方が独特で面白かった。

映画を観て感じたこと

⚪︎上辺だけを見ている

鹿の通り道があるということ、食べられる植物のこと、水が上から下に流れること。
実際に暮らしていないと、町のことなんてわからないし理解できない。
でも、たった数時間、水汲みや薪割りをしたり、その地域の食べ物や自然を感じただけで、あたかも町のことを理解した気になっている。
しかも、高橋は自分が管理人になれば、全て事が収まるという、安易な考えすらもしていた。
それが巧には許せなかったのかもしれない。
特に、車内で上司と部下でマッチングアプリの会話をするシーンは、現代を象徴していて皮肉がきいているように感じた。

⚪︎自然と動物と人間のバランス

大事なのはバランスだ。と巧は言う。
人間がグランピング場を作ろうとすることで、自然を破壊し、鹿が生きていけなくなる。
自然の水や植物、動物をいただくのは人間なのに。
ならば、巧が考えるように、
一時的な娯楽や人間のためだけの利益ではなく、自然や動物とどう共存していくか、どうバランスを保っていくかを考える事が大切ではないかと感じた。

⚪︎人は自分の利益や幸せを第一に考える

会社の利益や助成金、上司からの評価。
町の存続やうどん屋の経営。
ラストの巧の行動。
唯一、花だけが自然を学び理解しようとしたり、自然や動物と共存するために、自分以外のものに興味を示しているように感じた。
そんな花の身に起きるラストシーン。
それは、現代では花のような考えが失われつつあるという、比喩なのではないだろうか。

他にも気になった所
巧の奥さん?花のお母さん?の存在(亡くなっている?)
巧の職業便利屋さん
ラストシーンの謎
グランピング場計画のゆくえ

平日の落ち着いている映画館で観れてよかった。
これからも、ミニシアター巡り、公園巡りを続けよう!

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