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革命家たちの奇跡と1984年のヴァイブス! 映画『AIR/エア』超感想

映画『AIR/エア』を観た。

誰もが知る伝説のシューズ エア・ジョーダン を中心に描く本作はまさに、、

・悩める大人に向けた処方箋のようなビジネス映画
・シャレの効いたサントラが最高!80年代アメリカカルチャーの極み
・“バスケの神様”マイケル・ジョーダンの凄さを改めて実感

・・・と言ったところで、とにかく語るべきことが多すぎる。。

サプリを飲むような感覚で、この先私が仕事や人生に悩んだときにサッと観れて常備しておきたい作品となった(円盤はやく欲しい)。

そしてこのサプリをぜひたくさんの人に勧めたい!

という訳で、映画を観て感じたことを意のままに・心のままに語りたいと思います‼︎

Just Do It.(行動あるのみ/やってみろ)


誰もが知る伝説のシューズ ナイキ “エア・ジョーダン”。ひとたび新作が発売されると一瞬で完売してしまう、マニアの間でも入手困難のスニーカー。まさに「スニーカー界の王様」と言っても過言ではないだろう。

ナイキ自体が全世界で愛される超人気ブランドであることはもはや言うまでもなく、名だたるプロスポーツ選手をスポンサーに抱え、我々一般人のファッションの一部としても多く選ばれている。クローゼットを開ければ、誰でも一着はナイキのアイテムが出てくるのでは?

私自身、スポーツウェアを買うときはなぜだろうか、何かとナイキの商品を選ぶことが多い気がする。幼い頃バスケットボールをしていたときは、田臥勇太選手のシグネチャーモデルのバッシュを買ってもらったことを今でも記憶している。

形から入るという言葉をまさに具現化したような症状かもしれないが(笑)、「ナイキを着ていれば・履いていればとりあえず間違いない」そんな気がするのと、ナイキに身を包むとスポーツに対する熱量が一気に加速するような気がするからだ。

シューズやウェアのデザインや機能性はもちろんだが、ナイキを選んでしまうもう一つの理由。

それはきっとナイキのスローガン「Just Do It.」という言葉のせいだ。

「Just Do It.(行動あるのみ/やってみろ)」

覚えやすくシンプルなこの言葉は妙に口にしたくなる印象さえある。人々の心を熱く突き動かすこの言葉、まるでナイキに鼓舞されるよう。

映画『AIR/エア』はまさに「Just Do It.」精神で溢れ、この言葉がなくしてエア・ジョーダンという一足もここまで伝説化することもなかったかもしれないとも思う。

そう、前後してしまうが、映画『AIR/エア』で描く時代、1984年では驚くべきことにナイキバスケットボール部門は人気がなく業績不振だったそう。今では信じられないことだが、いかにしてこの困難な状況から逆転勝利を得ることができたのか・・・! ここがとにかく見どころだもんで・・

誰もがスターになれる、革命家たちの奇跡


バスケをしていた頃、こんな言葉を耳にした。コート上にいる間は、誰もがスターになれるチャンスがある、と。

この映画で登場する人物、つまりエア・ジョーダン誕生に携わったすべての人は、まさに全員がスターだった。誰一人として欠けることのできない、まさにワンチームの戦いが1984年にあり、スニーカー史に色濃く刻まれ、こうして映画化されたことは奇跡と言っても良いだろう。

まだNBAに入る前のマイケル・ジョーダンを見出したソニー・ヴァッカロ(マット・デイモン)、ナイキ社CEOのフィル・ナイト(ベン・アフレック)、エア・ジョーダンのデザイナー ピーター・ムーア(マシュー・マー)などなど、錚々たるプロフェッショナル集団。

そのスターたちは全員、革命家とも言える。しかし興味深いのがその革命家とやらは、歴史に名を刻む偉人たちのようにキリッとした姿ではなく、一見どこにでも居そうなごく普通のおじさんたちに見えるのだから面白い。

主演マット・デイモンの役作りこそリアルなおじさん体型や、ベン・アフレックが演じる飄々としたCEOの姿もこれまた愛着が湧く。スニーカーデザインを人とはどこか違う天才的な世界線で研究するピーター・ムーアをマシュー・マーが嬉々として演じる姿も印象的だった。

そんな、ちょっとユーモアで愛くるしいおじさんたちがほんの一瞬だけ眩(まばゆ)いくらいの輝きを放つ瞬間がたくさんあり、全員が繋ぐチームプレーは本当に奇跡の連続。その奇跡(=エア・ジョーダン)がいま現代もなお多くの人々の希望となり活力となっているのは本当に本当にすごいことだ。

その希望の源とも言える、ソニー・ヴァッカロによるプレゼンシーンはとにかく必見・・・。マイケル・ジョーダンの人生を今まで見てきたかのようなあの言葉は、聞いて響かない方が難しいだろう。あの言葉、あの時間がなければエア・ジョーダンはこの世になかったとまで思うととにかく尊い。演技も素晴らしかった。。

将来私に子供ができたら、ヒーローはスーパーパワーを持つ者だけではなく、こういう人たちこそヒーローなのだと、言い聞かせてあげたいと強く思った。

自分や他人をどれだけ信じることができるか


本作の名シーンで私は妙にスラム・ダンクとリンクするシーンがあった。

ソニーが、元オリンピックチームのコーチを務めていたジョージ・ラベリング(マーロン・ウィリアンズ)にビジネスについて相談をするシーン。台詞こそ忘れてしまったが、とにかく自分を突き動かして止まないエネルギーを沸々と感じるソニー。自分の人生を賭けてでもやり切らなければならない、今しかないんだ!と、その姿はまさに「Just Do It.(行動あるのみ)」。ナイキの精神が肉体を突き破って飛び出してきたようでもあった。

このシーンを振り返ったときに、とある別の男の姿が思い浮かんだ。使命感に駆られ、自分自身を信じる心こそ強いものはない。。

漫画「スラム・ダンク」31巻より
誰にも文句を言わせないこの心意気・・・


信じる心と言えば、マイケル・ジョーダンの母。演じるのは名女優ヴィオラ・デイヴィス。演技も素晴らしかった。。

ビジネスマンでもないのに、あそこまで対等に話ができる頭のキレにも脱帽だが、何よりマイケル・ジョーダンのことを心から信じ、名前の意味を大切にすること、これまた未来を見据えているような価値観に驚きっぱなしだった。胸が熱くなった。

ただの靴だ。しかしその靴は、誰が履くかによって大きな意味を帯びる。

この言葉がいかに重みのある言葉なのかは、マイケル・ジョーダンというバスケの神様の存在が今もなお証明する。

そのマイケル・ジョーダンの描き方も良かった。
「バスケの神様がここにいる・・」とスクリーン越しに歓客をソワソワさせる表現だった。特に痺れたのがナイキロゴを撫でるシーン・・・
にやりとせずには居られない。。

80年代カルチャー&ヴァイブスの極み


最後に、本作で注目してほしいポイントがサントラ! まさに1984年のヴァイブスで溢れていた・・

ブルース・スプリングスティーンやシンディ・ローパー、ホイットニー・ヒューストンなど時代を色濃く写すアーティストたちの往年のヒットチャートが多数セレクトされている。

私個人としてこの時代の音楽がすごく好きで、音楽がかかる度にニヤニヤしっぱなしだった。この時代特有の軽やかな電子音も心地良い。「間違いない〜」と頷きたくなるセレクトと、シャレの聞いた選曲が堪らなかった。。パンフレットでその内容についてくわしく解説してあるのでぜひご購入をお勧めします。

また、サブスクですでにサントラがリリースされている。劇中歌以外にもいくつか楽曲がセレクトされていて、その数なんと92曲。再生時間6時間33分もあるので、しばらく存分に楽しめそう!!



映画『AIR/エア』は、112分とコンパクトな内容である一方、私の記事はかなり長くなっしまった。。笑

もう一度見たいとも思ったし、これだけ楽曲や裏話で楽しく振り返れる作品はなかなか最近なかったようにも思える・・!

いやぁ〜映画って素晴らしい!!映画『AIR/エア』、この春オススメです!!

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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