対人支援職の社会的価値、生産性をうむ事について〜団体を立ち上げて思ったこと〜

対人支援職向け団体「Assemble」を立ち上げて4ヶ月がたちました。
今回は、運営を通しての出会いや関わりを踏まえ、支援職の未来について、ざっくばらんに文章にしてみたいと思います。

※Assembleって?という方は過去noteをよければ。
https://note.com/ytokuda0729/n/ncfc115812744
※一応公式サイトはこちら。
https://sites.google.com/view/assemble191006/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

たくさんの出会いから生まれた新たな可能性

Assembleはミニマムな活動から始め、徐々に関わる方々が増え、トータルすると100名を超えてきました。
心理職、福祉職、ビジネスマン、経営者、学者、医者、コーチなどステータスは様々で、また、勉強会の参加者、登壇者、コミュニティの所属者など、その関わり方も様々です。

Assembleに多くコミットしてくださっている臨床心理士の中村さんは、本人が興味のあるテーマでの登壇やオンライン配信など、実験的な施策に一緒に取り組んでくださり、頭がさがる思いです。
多分今までになかった体験とか可能性を感じて取り組んでくれているんじゃないかなと想像しています。

Assembleという場所を、可能性を広げたり、やりたいことの実現を目指す手段としてとても活用してくださっています。
12/8に行った相談記録の勉強会は、ふとしたやりとりがきっかけで開催が決まり、1週間のみの募集期間の中定員いっぱいお申し込みをいただいた勉強会で、積極的に行動をしたことで新たな価値が生まれた瞬間でした。

また2/16日に開催する【精神科医VS臨床心理士】のライブスーパーヴィジョンイベントですが、精神科医と臨床心理士が一つのケースを元に意見を交わし合うという先進的なイベントのアイディアも、実はご登壇いただく阿部先生や岩倉先生からいただいたものです。

20200216勉強会

「面白いと思っていたけどなかなかやる機会がなかった」という新しい形のイベントも、Assembleだからこそ扱える内容になっているのではないかな、と思います。
(イベント紹介noteじゃないので割愛しますが僕も楽しみなイベントの一つです)

「何かやりようがあるはず」という強い思いから生まれた指針

僕のスタンスや関わりの前提が「支援職はまだまだ改善できることがある」なのでそういう話をよくしましたが、ステータスは違えど、心理職、支援職にはまだまだ発掘されていない社会的意義が存在する、と、口々にしていました。
そこには、未発掘な心理職、支援職の価値に対して、「何かしたいけど、どのように行動をしたらいいかわからない」という統一した思いがあったように想像しています。
色々な方とお会いし、思いに触れ、じゃあ一緒に何ができるだろう?と考える機会をいただいた時に、Assembleが提供できる価値は、その思いを実現できることなのではないか、つまりAssembleが提供できる価値は、「対人支援職の新たな社会的価値と新たな生産性をうむ団体」に設定されるのではないか、と思いました。
この価値は、ピコンと閃いたというより、徐々に明確化したものです。

Assembleが提供できる価値

Assembleは現在、勉強会やイベントの実施を中心に活動しています。(現在に限った話で、やれる活動内容は色々あると思います)
この活動を通して、関わった人の新たな可能性が開かれるきっかけになったり、経験値や利益が生まれるようなきっかけになることを目指します。
ここからはAssembleが提供していきたい、そして提供できると思っている価値について書きます。

①共感を呼ぶ文化

聞き慣れた支援職の一人職場、孤独化は、「共感」を生み出すことで解消が可能だと仮説を立てていました。
同じ感覚をもつ方達の交流が生まれるようなイベントを実施すれば、共通の考えを持った仲間ができたり、新しい可能性が生まれるのではないかなと。

いくつか実施したイベントは盛況なものになり、参加してくださった方々が自立的に交流したり声をかけあったりするような空間にすることができました。


②利益が得られること

利益といっても金銭的収益に限った話ではなく(それも大切ですが)、Assembleの勉強会開催で意識していることは、専門性の高い内容であること、新しいものであること、そして登壇する先生もやりがいを持って(時には楽しんで)臨める内容にすることです。
知識や概念などの研修会は、特に都内であれば多く開催されていますが、もう少し突っ込んでいたり攻めているような、専門性が高く、これまでにない新しい内容(または体験)で、かつ先生が活き活きとやりがいを持って登壇している研修会を実施していきたいと思っています。

今後の支援職に重要なソーシャルキャピタル/ワークエンゲージメント

Assembleを通しての感想で「つながれてよかった」「こんなに仲間がいたんだ」という発言がとても印象的でした。
今つながっている方々は、できたての団体に飛び込む勇気のある方々が多く、とってもエネルギッシュだなぁと思いますが、その方々も孤独感やエネルギーの停滞を感じていたことを考えると、支援職が置かれる状況が起こす損失は本当に大きいものであると想像できます。

横のつながりを作ったり学びを促進したいことの理由は、活性化された働きや協調行動を促進させることで業界内を活性化することです。
つまり、つながりにより社会的効率性を向上させること(ソーシャルキャピタル)、そして充実感や意欲を持って就業すること(ワークエンゲージメント)、この両輪を大切にすることで、一人一人の働き方、そしてクライアントさんに必要な支援が届くことが実現されるのではないかと思います。

例えば、いろんな機関をまわってみんなで営業活動してみよう、でもいいし、カウンセリングの学びのためにみんなでキャバクラにいきましょう、でもいいし、リファー先を見つけるドクターと心理士のお見合いイベントとかでもいいと思います。

レガシー(歴史や文化や伝統)を守りながら少しずつできることを増やしていくこと、人を支援することの新しい可能性を模索すること、新しい社会的価値や生産性を育んでいくことが、今後の支援職にはとても大切になっていくのではないかと思います。

活動は始まったばかりでまだまだこれからです。これを読んで興味を持たれた方は、是非一緒に、新しい可能性について考えていきましょう。
長くなりましたが、2020年もAssembleをどうぞよろしくお願いします!


※個人的な話なので最後に付け加えてちょっと余談なんですが、僕はどこか「いじめないジャイアン」というか「気が強いのび太くん」みたいなところがあって、これまで直面した色々な課題(大学院受験とか、臨床心理士試験とか)も、自分の力(あるいは努力)ではなく、勉強会の実施や誰かの力を借りて乗り越えたことばかりでした(搾取とは言わないでください)。
現在の活動も大抵の場合リソース不足で、イベントの新しいアイディアとかを「新しいことをやりませんか?」と誰かに声をかけることから始めています。
今の活動は、こういった個人的な嗜癖の影響でこの形になっていて、課題解決には色々な解決方法があると思います。
そういうことをみんなで相談していくことも、とても大切だと思います。

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