2020/5/13 日記、読書記録
昨日に引き続き、小島信夫『ラヴ・レター』。難しさに何度か挫折しそうになったが、結局最後まで読んだ。
私は国語の文章読解が苦手で、よく誤読をしてしまうほうだが、おそらく文章読解が得意な人であっても、この本を読み込むのは難しいのではないだろうか。
読解されることをわざと避けているのかと思うくらい、ピントがボケたような、不安な気持ちにさせる文章。初めは晩年に書かれた小説だからか?と思ったが、解説や書評を読むと、その文章のスタイルこそが、小島信夫の魅力の一つであることがわかった。
村上春樹は『職業としての小説家』というエッセイの中で、「作家がまずしなければならないことは、自分の文体を作ること」というような趣旨のことを言っていたが、小島信夫は間違いなく文体を確立している唯一無二の作家だ。
わからないことが多すぎる。まだ、小島信夫の入口にしか立てていない気がする。これから他の作品を読んだり、繰り返し読んだりすることで、理解を深めたい。
一生つきあっていきたい作家だ。
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