日記2024年6月⑧

6月24日
晴れ。暑い。上司の代理で出勤した。外来診察室がなかなか涼しくならず、しばらく空調の設定温度を下げて風量を最大にして冷やした。休憩時間には行動活性化の勉強をしていた。
妻が早退して先に子供のお迎えをして帰っていた。
涼しい病院から外に出たときの蒸し暑さでシンガポールのチャンギ国際空港を思い出した。ここに屋台街があれば楽しい場所になるだろう。
帰宅すると妻と子供はもう風呂も済ませていたので私もシャワーを浴びた。早めに風呂が済むと非常に楽である。昨日の残りのおかずを冷凍ご飯で食べ、これはこれでなかなかいい食事だった。生活をしている感じがする。洗い物や洗濯も順調にこなし、今日は夕方までけっこう元気だなと思い、そういえば昨日は早めにスマホを置いて寝たんだったと気がついた。よく寝ると元気になるという真理の神々しさ。
昼間、大学院の教官からメールがきて、あるデータについて調べて報告してほしいということだったので、やります、と返信をしたけれども全くやっていない。明日やる。
勤務先の上司とメールでやりとりをし、あらためて仕事を信頼されていることのありがたみを噛みしめた。
今日も早く寝ます。デバイスを手放して素手で上手に考え事をできるようになりたい。

6月25日
晴れ。昨夜早めにスマホを手放したのだが早すぎたせいかなかなか寝付けず、しばらく苦労した。合計では寝られたと思うが、子供が5時半に起きてきたので私も6時前から起きることになった。
仕事を終えて子供の迎えに行ったら幼稚園の玄関に同じクラスの子がいて、私に向かって「あたし、おとうさんのほうがすきなの」とスナックのママ風に言うので、「そうなんですか」としか答えられなかった。
同じタイミングで友達の両親が小さい下の子を連れてお迎えに来ていた。せっかくだからとうちの子を真ん中にして子供たち3人が手を繋ぎ、さらにあちらの両親が両脇で手を繋ぎ、うちの子を中心に人間5人の鎖ができていた。私も参加すればよかったが、まだ手をつなげるほどあちらのお父さんと仲が良くなかった。

6月26日
晴れ。子供が風邪っぽかったのだが、今日の幼稚園のイベントに絶対に出たいと言って譲らないので登園することにした。妻はこんなことで無理をするのが信じられない様子だったが、私も楽しみにしていたことは無理を押しても絶対にやりたい子供だったので気持ちがよくわかる。とりあえず行かせて早めに迎えにいくことにした。幼稚園に行きたいならせめてお薬は飲まなきゃダメだよと言ったら、今まで完全拒否で一度も飲んだことのなかった薬を飲んだ。今日は幼稚園にブンブンジャーが来る日なのだった。ブンブンジャーの力はおそろしい。
仕事は3件予約外の臨時受診が入っていたためにてんてこまいで、妻が先にお昼で仕事を切り上げて子供のお迎えをしてくれた。園では案外元気だったらしい。小児科に連れて行った。気管支炎でしょうということだった。この小児科は人気がなくていつも空いている。医者が変わり者のじいさんで、子供が好きなのは間違いないのだがすごく変な絡み方をして子供の方が気を遣っている。でもいい人なのである。医療的な判断も非常にまっとうで、検査などもサボらない。私はたまたま医者なのでこういう医療的な誠実さと的確さは肌感でわかり、人気がなくてもここはよい小児科だなとわかる。これは医者のお得なところである。
妻と、気持ちを中心とした会話をするにはどうすればいいかと話しあった。
鶏ひき肉とセロリの塩焼きそばを作った。長谷川あかりさんのレシピである。子供も食べてくれた。風呂に入って薬を飲んで寝た。

6月27日
曇り。子供はプールだけお休みすることにして登園した。私は午前中少し寝た。月曜日も働いた週だったのでうつ病人間的には休んでおいたほうがいい。
お昼はいつもの喫茶店に行き、今日もまた繁盛していたみたいで日替わりランチが売り切れだった。お客さんが絶えなかったので席を空けるためにドトールに移動した。詩の講座のための作品を今日送らなければならないのだがまだできておらず、ここで仕上げるしかないので一生懸命やった。どんどん重たく暗い感じになってしまい、もっと軽やかさも出せるといいのだがねばっこく格闘するはめになった。とりあえず送ったらちょうど子供の迎えにいく時間だった。
ツイッターでフォローしている人がスペースを立ち上げていたので入ってみたらリスナーはまだ私だけで、スピーカーに上がってもいいですよということだったので、緊張しながら会話に入った。話し下手ではあったが楽しく話せて嬉しかった。感謝である。
子供のお迎えをし、妻の退勤まで少し待ち、妻を乗せてラーメン屋に向かい、最後にケーキ屋でケーキを買って帰った。
私は疲れるとすぐスマホを見る癖があり、依存といえば依存なのだが、疲労して注意力が低下すると注意を引くように設計されたデバイスに低い強度で注意を触発されるのが楽に感じる状態になり、スマホを見る頻度が増えるというメカニズムがある。これが妻の怒りを買ってしまったので、なんとかして安易にスマホを手にしないように代替行動を形成していかなければならないと考えるに至った。こういうときは会話するのも下手になっているので黙って妻と子供に注意を向けられると最善である。それなら心理学的にはマインドフルネスの技法かなと思い、トライしてみることにした。ケーキを食べているあいだ、妻や子供の顔をガン見していた。これでいいのかわからないが、とりあえずマインドフルネスを強化する試みをやってみる。
ラーメン屋に行くと熱いラーメンと冷たい水を胃に入れることになり、胃が痛くなりがちである。ゆっくりと食べるのが肝要である。これもまたマインドフルネスかもしれない。

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