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不登校の8タイプ タイプ別の対応方法とは?

不登校になるタイプについて、主な6タイプを解説をしていきます。「うちの子はどのタイプだろう?」と特徴と照らし合わせて確認してください。
タイプが分かると、改善策が見えてきます。すると、どんなふうに関わればいいのか。どんなことをしていけばいいのか見通しもつくでしょう。

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人間関係型

[タイプの特徴]
友達が出来ない。グループで揉めたなど、人間関係による不安で学校が行けないタイプ。キッカケは人間関係だけれども、「息切れ型」や「不適応型」の子も多い。

[子どもの性質や考え方]
空気を読むタイプが多い。うまく話しかけられない、自己主張が苦手。
また、反対に自己主張が強すぎて孤立してしまう子もいる。

[学校への意欲]

学校へは、行きたくない。けれど、本当は行きたい。


[解説]
人間関係型の場合、見極めるポイントが少し難しいことがあります。
人間関係のトラブルだけならば、それが解消されると、すんなり学校へ行けます。しかし、実はキッカケは人間関係だけれども、元々「息切れ型」や「不適応型」を持っている子もいます。

人間関係型+息切れ型
人間関係型+不適応型

ですね。

この場合には、キッカケになった人間関係についてなにかしたところで学校へ行けるようにはなりません。あくまでキッカケであって、本当の原因ではないですからね。

友達が出来たら学校へ行きたい?
先生が変わったら学校へ行きたい?
学校は、好き?

などの質問に「Yes」と答えるのであれば、純粋な「人間関係型」かと思われます。

そうでないなら、人間関係だけが問題ではありません。そのときは、他の当てはまる項目の改善策をご覧ください。


[改善策]
課題は、「自分(子ども)」と「環境(周り)」です。

友達が出来ない。
クラスで孤立する。
なにを話していいか分からない。

などが苦痛の場合が多いので、コミュニケーションのトレーニングをすることで学校が楽しくなることが多いです。

SST(ソーシャルスキルトレーニング)などで、練習をする。友達と仲良くなる方法を教えてあげる、ネットで一緒に調べてみるなどが良いですね。ロールプレイングで、家で自己紹介の練習をするのも効果的です。

環境に関しては、学校や教師と相談して、配慮してもらうのが良いでしょう。

息切れ型


[タイプの特徴]
進学校の生徒に多いタイプ。課題が終わらない、テストの点数が悪いなどの挫折がキッカケになりやすい

[子どもの性質や考え方]

勉強出来る出来ないに関わらず、頭が良い。理論的。論理的。クイズ得意。
難しい話をすることが多い。「〜すべき」という考えが強い。プライドが高い。

[学校への意欲]
行くべきと思っている。内心は、行きたくない。
宿題や課題、勉強を理由に休むことが多い。

[解説]
比較的男子に多いのがこのタイプ。「ちゃんとするべき」という考え方が強く、完璧主義傾向があります。中途半端なことが出来ないので、課題を終わらせることなく学校へ行くことなどに嫌悪感を示します。

大人のアドバイスも聞きません。なにか言うと、理詰めで返してくることあります。

「勉強が出来る」「進学校に通っている」などを拠り所にしているため、結果が伴わないと、すべてが無意味に思えてきます。「もう終わりだ……」と絶望を感じることも多いのがこのタイプです。

[改善策]

最大の課題は、「自己受容」です。子ども自身が今の自分を受け容れられるかどうか。この一点にかかっています。

今の状況、今の自分を受け容れられない限り、ずっと現実逃避をして生きていきます。環境や誰かのせいにして、自分を守ります。

まずは、周りの大人が今のありのままの子どもを受け容れてあげること。味方になってあげることで、「こんな自分でもいいんだ」と少しずつ思うことができます。


無力感型

[タイプの特徴]
本人も周りも理由が分からず、学校へ行けない。体がすごく重く感じる。

[子どもの性質や考え方]

勉強は苦手。人間関係での付き合いも上手くない。学校が楽しいと思えない。

[学校への意欲]

行きたくない。「面倒くさい」「体がだるい」などと言う。

[解説]

無力感型の特徴は、学校へ行けない理由やキッカケが特にないことです。息切れ型の場合には、課題が終わらない、勉強が分からないなどの理由がありました。

けれど、無力感型は違います。ある日、突然、電源が消えるかのように行けなくなります。本人にも良く理由は分かりません。ただ、基本的に学校は楽しくなく、意欲的に学校へ行こうとは思っていません。綱渡りのような感じで登校をし、本人が気がつかないような小さなキッカケによって、体が「無理だ」と叫びます。


[改善策]

意欲が出ないのが最大の課題です。なにに対しても意欲が持てず、面倒くさく感じます。好きなこと、やりたいこと、目標を見つけるのが先決です。強みを活かす。本人が好きなことをどんどんさせていくことで、少しずつ充実していき、意欲も高まっていきます。

不適応型


[タイプの特徴]
本人の特性によって学校がしんどい。人が多い環境が苦手。音や光が苦手。など

[子どもの性質や考え方]
HSCや発達などの性質によって、学校という環境が合わない。先生の怒鳴り声やザワザワ音などが苦手。友達の会話スピードについていけない。

[学校への意欲]

行きたい、行きたくない、どちらもある。
ただ、基本的に学校はしんどい。

[解説]

特性によって学校という環境に合わないタイプです。環境依存が大きいので、違う環境になるとガラッと変わることもあります。しんどいながらも登校していたけれど、なにかのキッカケで行けなくなった。疲れてしまったということで、不登校になります。

[改善策]

まずは、特性の把握からしていきましょう。なにがしんどいのか。なにが苦手なのか。「克服する」ことは出来ないので、その中でなにが出来るかを考えてみてください。音が苦手ならヘッドフォンをつける。人が多いのがしんどいなら別室登校をするなどですね。
コミュニケーションが苦手なのであれば、SSTトレーニングも有効です。


拒否型

[タイプの特徴]
学校へ行く意味を感じず、友達と遊んだり、オルタナティブスクールへ通うタイプ

[子どもの性質や考え方]
自由奔放なタイプ。自分の道を進む。学校へ行かない罪悪感は全くない。

[学校への意欲]
行く必要はないと考えてる。

[解説]
学校にあまり必要性を感じていません。主体性が高く、自分でどんどん行動することも出来ます。地頭も良いです。好奇心も旺盛で、いろいろなことに興味を示します。

[改善策]

この場合には、もう学校へ無理に行かせる必要はありません。本人が楽しいと思えることをどんどんさせてあげてください。学校も自分が好きな先生や授業があれば行きます。基本的にメリットがあれば行く感じですね。

ただ、そこまで本人にとって学校へ行くことは重要ではないので、「なんとしても学校へ行かせる」と強く考える必要はありません。

自立出来る子なので、どんどんチャレンジさせてあげてください。ゲームでもどんなことでも良いです。チャレンジをして、成長していく。その結果、やりたいことが見つかる。

その方向性でやっていくのが良いでしょう。

トラウマ型


[タイプの特徴]
学校でイヤなことをされた、恐怖を感じて学校へ行けないタイプ。キッカケはイヤなことをされたことだけれど、学校がしんどい特性を持っており、不適応型な子も多い。

[子どもの性質や考え方]
人よりも敏感、不安を感じやすいことが多い。ただ、その特徴を持たず、単にイヤなことをされたというだけのこともある。

[学校への意欲]
行きたい。けれど、「また、なにかされるのでは?」と不安を感じる

[解説]

学校でイヤなことがあったことで、行けなくなったタイプ。人間関係型と同じで、「トラウマ型」なのか、複合型かによって変わってきます。

たとえば、イヤなことをするクラスメイトがいることで学校に行けなくなったとしましょう。「トラウマ型」の場合、クラスが変わると行けるようになることも多いです。環境が変わることで、行けるようになるのです。

ただ、特性を持っていて、人よりも敏感だ。コミュニケーションが苦手。といった場合には、たまたまキッカケがイヤなことをされただけで、ずっと学校がしんどかったという場合もあります。その場合は、「不適応型」の改善策を参考にしてください。

[改善策]

イヤなことをされるのは自分が悪いからだと子どもが自分自身を責めることもあります。まずは、不安な気持ちを聞いてあげて、受け止めてあげましょう。学校に関しては、「行きたい? 行きたくない?」と聞き、本心の意思を尊重する形で取り組んでいってください。

「行きたい。けれど、あの子がいるならヤダ」などがあれば、「なにがあれば行きたくない?」「どんなところだったら行きたい?」と聞いてみましょう。

学校へ行くと不安になる。嫌いなあの子がいるから無理。ならば、フリースクールも選択肢に入ってくるでしょう。

たくさんの方々に届くように、マニュアルや資料などをどんどん作っていきます。できるだけ無料で公開できたらいいなと思っているので、「役に立つ」「参考になった」と思ったら、投げ銭お願いいたします。