ふみを食べる女

その女は文を食べる

段落と
単語と
文節と

合間に入った改行を味わい

句読点に味を愉しむ

彼の言葉は
どんな味がするだろう

いつも読んでいる文は
少し渋めの暗い味

文は
その人を表し

文は人生の影

女は文を食べる
その人生にある時間と経験を
日に当てて
滲ませた味を喜ぶ

人知れず
もくもくと

人知れず
ささやかに

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