v.504 2023年 8月30日 注意喚起

大袈裟なタイトルになっていますが、こういう事もあるよ、という現象を紹介したいと思います。

トヨタのポスト(旧ツイート)でX-T5で電子シャッターで撮影すると、場合により不正な描画をする場合がある旨の発言があります。
フジさんにも報告したり、個人的に検証したりしてわかったことがあります。

同じ画像の200%拡大

動きの速いものを電子シャッターで捉える場合、センサーの読み出し速度によっては作例のように一部に不正な描画が生じる場合があります。
これは電子シャッター使用時のローリングシャッターの仕組み上、原理的に発生する現象となり、読み出し速度に関係する露光期間の差により、シーンによってはどうしても発生してしまうものです。
X-T5などの40MP機では格子縞、X-S20やX-T4などの26MP機では横縞になります。
回避策としては、メカシャッターで撮影すれば発生しません。どうしても電子シャッターで撮影したい場合には、X-H2SとかZ8などのような超高速読み出し可能な積層センサー機を選択すれば、ほぼ発生しません。

テストしたのが現状でフジの機材だけ(深く掘り下げるのはやってらんない)ですが、おそらく他社機でも同様の不正な描画が生じます。実際に他社機でも、横縞だったり櫛形の模様が輪郭部に生じているのを見た気がする。

ちなみに、同じ仕組みで起こるのがローリング歪み。
これを最大限利用したのがRSIと呼んでいる筆者独自の撮影技法です。

コレが、、、
こうなって
ドン!

この技術で何とか面白く出来ねぇかな?と試行錯誤したのが2021年末にやった写真展「孵化」で展示した写真になります。

頭おかしいでしょ?

仕組みが分かれば対処法であったり、あるいは諦めの判断も出来るので、カメラの仕組みにも興味を持って欲しい今日このごろです。

ということで、動きの大きな対象とか速い対象を電子シャッターで捉えようとすると模様が出る場合があるから、気をつけようね。
仮に、模様が出たとしても、目立たないこともあるし「気になるor気にならない」の許容度は個人の感覚に依存します。私は気になるので、サムネを見ていて違和感を感じて調べてみた結果が、今回(格子模様)の事の発端でした。
ちゃんと原因を教えてくれたフジさんには感謝です。
公開もしていいって事なので軽くまとめてみました。


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