v.520

しばらく振りです。

バタバタしていて更新が滞りました、
その間にいくつかインプレ記事が公開されています。

今回はVoigtlanderのNOKTON40mmF1.2 Aspherical RFのお話をば。

記事はコチラに ↑
初めてコチラをご覧になる方向けに。

Voigtlander

コシナのレンズブランド名称でフォクトレンダーと読みます。

NOKTON

Voigtlanderレンズで、開放F値がF1.5より明るい(数字が小さい)レンズに冠されます。ノクトンと読みます。
「のくとん」と可愛く発声しても良いです。お好きな方でOK。

Aspherical

アスフェリカルと読みます。
光の屈折する面の曲率が一定ではない「非球面レンズ」という、レンズの曲率が可変しているレンズを用いていることをアピールしています。
同じ結像性能を目指すのであれば、球面レンズと比べてサイズを小さくすることが出来るってのがメリット。
ちなみに球面レンズはスフェリカル。

ってことで、名称から
 ”明るくて性能も頑張った40mmレンズだけど、比較的コンパクトにも出来てるよ"
ってことが何となく分かります。


で、本文中にも記述してますが、簡単にこのレンズの事を表現すると、
撮影がバカ楽しくて、40mmのレンズとしては最高峰です。

楽しさと最高峰とした共通の理由として、描写のコントロール性と絶妙な収差バランスが挙げられます。
察しの良い重症患者であれば、これだけでピンと来ると思いますが、そうじゃない健常者の方々もいらっしゃるので簡単にそこんところに触れてみます。

私の担当したインプレ記事に「絞りの利くレンズ」みたいなフレーズが登場する事があります。これは別に私が開発した言葉ではないし、探せばもっと良い記事とか写真がワンサと出てきます。
絞りが利くってなんぞや?というのは、経験者であれば「あ、アレね」みたいな感じでピンと来ますが、ビギナーにはサッパリだと思います。

NOKTON40mmF1.2で撮った写真で一例を挙げると

EOS R6 Mark II + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 RF
f/1.2 ほぼ至近端
至近端かつ開放絞りなので球面収差などによってほわほわしています
こういう作例ばっかり出してると、きっと怒られます

撮影距離と絞りによって描写変化のあるレンズに「絞りの利く」というフレーズを使っています。
ザックリ言えば収差のコントロールで、見方によっては結像性能が悪いってことになる。点が点として結像出来ずに、滲んでしまったり変形してしまったりすることで、こうした現象が起こります。
詳しくは自身で調べてみてください。

こうした収差は、必ずしも悪者であるというワケではなくて

EOS R6 Mark II + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 RF
f/1.2 至近端から指2本弱離れたところ
ほわほわはしてるけど、同じレンズとは思えないくらいに
ほわほわがグッと抑えられていますね
筆者的には胸キュンの大好物です。
同じ写真でもモノクロにするだけで雰囲気が俄然良い
ちょっと暗く調整していますよ

こんな具合に、雰囲気が良くなることもあります。
今回のNOKTON40mmF1.2は、遠距離では比較的シャープ。至近側でソフト(滲む)になるタイプで、絞り込むにつれて滲みは減じられていきます。
撮影距離でも同様。
レンズによって色々特性が異なるので、そのレンズが得意(性能が出る)条件と、不得意な条件を知っておくってのは嗜みのひとつでもあります。
別に知らなくても楽しければ良いです。
積極的に知ろうとしなくても、続けていればそのうち何となく分かるようになるハズ。


EOS R6 Mark II + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 RF
f/1.2 さらに離れるとスッキリ綺麗に
多分1mくらいかな
中央部の拡大
普通にシャープでキレイな写りっしょ?

こんな具合に、NOKTON40mmF1.2はいつでもほわほわしているワケではありません。
だからフットワークと絞りの関係で描写特性をコントロール出来るのよ。
これが、イメージ通りに撮れたり想像以上の表現になったりすると、ものすごく達成感がある。

自分は天才なんじゃないか?ってマジで思います。いわゆる脳汁ってやつ。
真面目な表現を用いれば「高揚感」になります。

これが描写のコントロール性と収差バランスの話。性能が良いところと、ほわほわをコントロール出来る領域があって、しかも扱い易いです。


ただし、こういう特性はセッカチさんには向かないとも思います。
向き不向きは人それぞれあって良いので、仮に楽しめなかったとしても「そういうものだ」ということで他の選択肢に目を向けて貰えると幸いです。

楽しいと感じることは皆違うからね。正解もないし。


EOS R6 Mark II + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 RF
f/1.4 
撮影距離3mくらいかな
結構写ってるでしょ
あんなホワホワしてたとは思えないんだよね


EOS R6 Mark II + Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 RF
f/1.4

性能出てるところだと、ピントが浮き上がってくるように見える。
特にマジックアワーにローキーな撮影していると、そのピントの見え方が潜像状態(露光して現像する前段階のやつね)の印画紙を現像液に突っ込んでフワッと像が浮き上がってくる感じに似てるのよ。
銀塩写真とモノクロプリントやった事ある人だと、グッと来ると思います。


口径食の感じね。非掲載です。
f/1.2
載っけた写真。
f/1.2
風が強くてピント合わせるの大変だった
強風は、作例撮影の天敵(切実)
これも載っけた写真
f/1.2

試用中の感想として一番大きかったのは新鮮さ。
写真学生に戻ったみたいな心持ちがして、それがすごく新鮮でした。
何にレンズ向けても楽しかった頃を思い出した、って言えばいいのかな。

ってことで、買えとは言えないけど、でも体験して欲しいレンズのひとつです。

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