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2021年11月に読んだ本まとめ

今月は3冊。あんまり読めてない。
予定が詰まっているのは嬉しいことですが、本も読みたい。でも予定も入れたい。


シリコンバレーや欧米の若者たちに注目される「効果的な利他主義」。感情ではなく、エビデンスと理性によって世界をよりよい場所にしていく方法論が書かれている本です。
本書前半では、健全な寄付を行う為に慈善団体のコストパフォーマンス(寄付額当たりどれだけの人を救っているか)を明らかにした人、出来るだけたくさんの寄付をするために慈善団体で働くのではなく金融業界で働く選択をした人、理詰めで考えた末に納得して第三者に自分の腎臓を提供した人など、普通の感覚ではなかなか理解し難い(けれど間違い無く合理的に善いことをしている)事例が紹介されています。人の善意と論理的思考を合わせれば、もっともっと効果的な人助けの手段があるのではないか、という提案です。

本書後半、筆者は次のような問いを突きつけてきます。「なぜ我々は、目の前で困っている人がいたら助けるのに、途上国で餓死する人のことは見殺しにするのでしょうか?」と。この問いに筆者は「思いやりが足り無いからではなく、論理的かつ客観的な思考能力が足りないから」だと答えています。知らない誰かの命の重さを想像するには、理性が必要だと説いているのです。

善意を「コスパ」と結び付けるのって何となく違和感があります。しかし、自国の人を1人救うのに必要なお金で途上国の人を10人救えるとしたらどうでしょう? その10人が目の前にいるの想像してみたら? そのように考えると、同じコストなら近くの1人より遠くの10人を救う方がより「善いこと」と言えるのではないでしょうか。

自分もお金に余裕が出来たら1番効果を上げているチャリティ団体に寄付しようかなーと思いました。寄付先は本書で挙げられていたGive Directlyとかが良いのかな?

参考記事:エビデンスベースド慈善活動を「Give Directly」で実践してみるの巻


「無名の実力派」を「格安」で手に入れて、弱小球団が強豪球団を打ち負かしていくノンフィクション作品。この作品は映画化されていて、数年前にそちらを先に見たのですが、主人公であるゼネラルマネージャーのビリービーンの最後の決断があまりにも格好良くて感動した記憶があります。
書籍ではビリーが見出した野球戦術がどこから生まれたものなのか、過去にどういう風に評価されていたのかがストーリーとしてまとまっていて面白かったです。また、当時は打率が低いけど出塁率が高い(=四球を選ぶ能力が高い)選手は過小評価されていて、そこを正しく評価すべく、古い伝統に負けずに科学的なアプローチを貫いたビリーの葛藤も詳細に書かれていて思わず熱くなりました。

また映画を見返したくなりました。


さすが東野圭吾。推理小説と人間ドラマの魅力をギリギリのバランスで両立している作品です。登場人物がかなり多いですが、みんな違和感なく動いてくれます。すごい。
この作品が発表されたのが1990年。東野さんの作品はこの辺りからトリック重点から人間ドラマ重点に移行してきているような気がします。

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