見出し画像

改革ができない忖度国家

東南アジアの直後に札幌の出張で、劇的な気候の差に体当たりしました笑

昨今、日本がとんでもない人材不足をやっと自覚して、国全体で外国人を受け入れる方向になって来ました。


昔、介護保険の重鎮で有名な厚労省の元次官の方が外国人の受入は必要ない、と断言していたそのご本人が、もはや介護は外国人なしでは成り立たないと先日発言していました。


今更何を言ってるのかと思いましたが笑、このように従来から大きく考えを変えた重鎮の方々が増えてる事自体は喜ばしいことです。


長らく問題になっていた技能実習制度を廃止する議論が、昨年の12月から内閣直轄で行われてきて、先月やっと最終提案が出来上がりました。
今後、この提案が国会で来年1月から改正法審議され、来年度か再来年度から改正法が施行されます。
これによって特定技能も整合性を持たせるために改正がされると思います。エンジニアなどの
技術人文国際の在留資格の変更予定はありませんが、各自治体などにも外国人支援についての予算がつくので、こちらは副次的な効果も期待できます。

ところで、有識者会議で議論された事自体は良い事なのですが、結果的に日本はなんて改革ができない国だろうと改めて感じてしまいました。

転籍が一定の条件で許可される事など、マイナーな改善があるだけで、現行の技能実習と非常に多くの近い形が残存しました。


技能実習の既得権益をどうやって死守するかという考えがいたるところで散見されている次第で、技能実習改め新制度に基づき、新しい在留資格である”育成就労”という在留資格を創設して、特定技能の養成的な位置付けにするということです。


2019年4月に正面から人材不足と宣言して創設し、そしてその意味でとても上手くいっている特定技能に一元化、あるいは統合する方が合理的だと思います。
せっかく機能している特定技能に加えて、新たに似たような在留資格を創設して、受け入れ企業はもちろん、外国人本人をも混乱させると思わざるを得ません。


長い歴史を持つ技能実習のステークホルダーを守るがために、非効率的な制度になりそうで残念です。
日本はこれからアジアで最大の外国人受け入れホスト国になります。なのに、大胆な改革をしないで、どうやって乗り切れるのだろうと思ってしまいます。

これまで日本は外国人に一定の期間だけ働いてもらい、役目が終わったら帰国してもらうという考えでした。
それが、日本の人口や経済の下支えとなるべく日本で長く在留してもらうという考えに変わって来ています。
その結果、家族帯同や永住権も増えていきます。
意味的には完全に移民ですが、移民という言葉に抵抗感がある日本ではこれを共生社会と呼んでいます。大きな転換期を迎えているのに、既存の延長線ばかりを考えている場合ではないと思います。
そもそも、日本は既成概念を破壊して新たな価値を作るという発想がないから一人当たりのG DPなどあらゆる点で停滞しました。今回の技能実習でも日本の停滞の象徴的な一面を見たような気がします。


先日、今や世界一とも言える起業家のイーロンマスクの本を読んで、
私は彼みたいな人は忖度が蔓延する日本では絶対に出ないなとつくづく実感しました。


・他国を渡り合ってチャンスを求めて天才型がいきつく国(アメリカのような)になってない
・コミュニケーション障害(イーロンマスクはアスペルガー)をむしろプラスに転じられる社会的な包容性がない
・リスクをとってチャレンジする母集団がない
・経営だのマネジメントだの言ってて、現場で成果を出すマスクのような上層部がいない

今の日本の真逆がイーロンマスクだと思います。
そういう意味で忖度集団の日本に喝をいれる本なんですが、と言っても、これを読んで変わる日本人は残念ながら少ないでしょう。日本人そのものより、日本の環境がそうさせているので、個人的にはどうしようもない面もあります。
まず、そんな中でも、私個人としては、リスクをとって、未来を創造するチャレンジを純粋にしたいと改めて感じた次第です。
あと、空気や他人を気にしすぎない、という事も重要だと再認識しました。
同時に日本人だけでは、改革は難しいのが現実なので、こういう人が来て起業する制度や社会を作るほうが早いかもしれません。
日本は世界的に低賃金になりつつありますが、賃金を気にするのは労働者であって起業家は賃金自体をあまり気にしないから改革チャンスがあると思えば来てくれます。
改革チャンスがあるよ、とすれば良く、そういう人を特別優遇すればいい。

日本人では至る所で、老害ばかりだから(すみません、でも事実です)、非常に大きな価値になると思います。
今の岸田政権ではスタートアップ育成5ヵ年計画で外国人からの起業と投資を積極的に行う方針を打ち出してますが、ここの観点がもう少し欲しいところです。

話がそれましたが、日本は制度や仕組みを作る際に、根本的にリスクゼロ思考なので、前向きで大胆な策が打ち出せません。
会議や議論でもいい事ばかりをいうのでなく、多少混乱させてでも、リスクを取って前進する方を優先させた方が結果的に建設的な気がします。

外国人の受入も問題だらけですが、それ以上に日本側の方が静かで根深い問題を抱えています。
それは問題ばかりを考えるという問題を抱えているということです。(ややこしい表現ですみません)

逆に言えば、問題がある前提で進めるという思想がもう少し欲しいところです。
イーロンマスクは問題自体を愛していて、これでは、ほとんど変人ですが、実際、そんな変人が世の中を変えるのでしょう。

一方で、働きに来る大半の外国人材は、普通に日本で働き、生活をします。
なので、なんでもかんでも大胆に変革すればいいというわけではありませんが、
制度設計する人や管理する人の方が保守的すぎると結局は停滞する可能性があります。


それでも、多くの外国人が来ると、一部の日本人と外国人との化学反応で変革する可能性はありますので、そこは期待したいです。
逆に言えば、それがないとオワコンに近い日本は本当に終わるかもしれません。

先日、タクシーのアプリを日本で使っていて、東南アジアとの差を感じました。

日本の方がはるかに使いにくいのです。

日本は、例えば運転中に電話したら危ないからと、利用者から簡単に電話できないようにしたりとリスク管理を優先する思考が至る所にインストールされていて、その結果、東南アジアのアプリより圧倒的に不便です。

もちろん、日本の安全は世界に誇れるものなので、大事にする必要はあるのですが、それ以上に単に問題を起こしたくない、という根本思想も感じます。

外国人受け入れはしたいけど、以前問題があったから外国人受入をまだ見合わせたいというお客さんがいました。
その問題と、受入しないマイナスと比較して、どちらが大きいと思われますか、と質問してみたら、明確な答えは聞けなかったです。
問題そのものだけに焦点を当てていると感じてしまいまいました。
イーロンマスクの宇宙ロケットは何度も大気圏に届かずに爆発しています。
とんでもなく問題ばかりですが、それでも打ち続けています。
スケールは違うけど、自分も問題を恐れるより、それ以上の価値の方を考えていきたいと思います。

そんな自分の社内の会議ですら、愕然としました。そこでも問題ばかり議論されていて、開拓的な意見が出てこない。
これではダメだと思って普段任せていたことも含めて、なるべく前進することを意識して発言しました。


私は小学生の時、マイケルジャクソンが大好きな時があり、全校生徒にスリラーを学校のイベントとして、半ば強制的に笑、踊ってもらいました。

高校時代には飛び込みで(ナンパ?)在日米軍の人たちと友達になりました。

異国のものを取り入れたいと無邪気に動いていたわけですが、そんな私は決して、特殊でも何でもなく、異国の人や文化に触れるのが好きな日本人はたくさんいます。


そんな日本人のおかげで、非常に多くの国で日本の商品が製造されたり、売られたりして、今でも、世界的にも飛び抜けて外貨が稼げているのでしょう。円安、停滞していても輸出企業が好調なので経済が保てています。

日本は全体的には保守的でリスクゼロ思考で閉じた国ですが、日本人自体はそうでもない人がたくさんいます。

海外での現地面接などで、興味や関心を持って楽しんでいただけるお客様をアテンドさせてもらっていて、こちらが勇気をもらえる時もあります。

担当者やトップの方に異文化や異国の人に関心が高い人がいるだけで、外国人の受け入れが進む傾向があります。


そのような人たちと一緒に、外国人の受け入れを進めて行きたいな、と思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?