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日本の課題と外国人雇用

最近、北朝鮮の行為により、国防の問題が大きくなっています。


有事の時、日本国家を守る自衛隊の重要性が高まりますが、実は、この自衛隊にも、少子化の影響が出ています。

最近5年間で、20代の日本人の人口は90万人も減っています。

今いる23万人の自衛隊の高齢化が始まっており、しかも20代が中心となる自衛隊の募集が年々、激減している為、将来的に要員の維持が可能であるか、懸念されています。

日本はすでに少子化の悪循環になっています。

今、日本は、合計特出生率(一人の母親が一生のうちに何人子供を産むか)が少し改善したところで、すでに母親候補の絶対数が減り始めているので、よほど多産な母親が増大しないと、次の少子化に向かっていきます。

本来は、母親候補の絶対数が多い内に改善すべきでした。

しかし、次の人口増加に向けて、最も期待されていた今の40代の団塊ジュニアは、20代の時に、経済の低迷による不安定な雇用で、結婚率も低く、親へパラサイトしている非正規社員も多くいます。

さらに、人生や経済への不安から、合計特出生率すらも、思うように伸びませんでした。

団塊と団塊ジュニアの高齢化が待っている中、若者は少なくなる一方であり、近い将来、今のままでは、あらゆることが、持続不可能となります。

そこで、対策として、AI(人工知能)、女性、高齢者、外国人という4つの選択肢で乗り越えようという動きが政府内で出ています。
AI、女性、高齢者の3つは時間がかかる対策ですが、4つめの外国人だけは、規制を緩和すれば、すぐに人数を増やすことは可能です。

しかし、最初の3つに比較して、治安、国防、社会保障などの問題が大きく、大胆な策を打ちきれていません。

例えば、永住する外国人が増えすぎると、将来的に外国人の高齢化という問題を抱えます。また、一部の地域で外国人比率が高まり、参与権などを与えた場合、そこが、別国化する恐れがあります。
そのため、日本では、特に外国人の単純労者の受入れには、慎重になっています。

その代わりに、活用されているのが、日本の滞在期間が限定されている技能実習や留学生のアルバイトとなります。
スキルのある外国人の受け入れに関しては、日本は積極的です。しかし、ここにも、日本側の問題もあります。

まず、その様な外国人が魅力と思う事業、文化、社会であるかに加えて、日本語の問題が出てくることもあります。

たとえば、私も先週、何人かの優秀な外国人とやりとりしましたが、せっかく日本に関心を持っているのに、言葉の問題があるのは、もったいない、と思いました。

この人たちは全員、英語が話せますが、仕事もしくは生活上で、言語的な不安を感じて、他の国を選ぶことも少なくありません。

ちなみに、経営、セールス、データサイエンスト、マーケティング、経理、メカニックエンジニア、ITエンジニア、コールセンターの職種の人たちでした。

AIについては、シンギュラリティが話題になっています。

シンギュラリティ=特異点を越すと、無限大に知能が発達するという意味で、これは2045年に到来すると予測されています。

例えば、現在の10万円のノートパソコンの知能は、ネズミの知能ぐらいですが、このパソコンが、2020年に一人の脳全体に匹敵し、2045年に全人類の知能に匹敵するようになり、あとは、無限大に加速度的に発達するということです。
こうなると、詳細な分析を要する遺伝子学、薬学なども加速度的に発達して、不老不死などが実現するかもしれません。

既に70歳のおばあさんを20歳のギャルに変貌するような技術がネズミで実現していますが、これを人間に応用される時代が到来するかもしれません。

将来、AIが問題解決するか、または、AI自体が問題化していくことが増えると思われます。

このような技術的な発達は、アメリカのグーグルなどで、人材確保と育成が進み、日本が遅れを取り始めています。
グーグルが開発したグーグルブレインが、人間から学ぶことなく、猫を自ら認識したことで話題になりました。

この自己学習能力は、加速度的に発達することを意味します。
言語の機械学習が進めば、言語の問題が解決されていき、日本語というハンディを持つ日本としては追い風かもしれません。

また、冒頭で話した国防上の問題は、自衛隊の若者の人数の問題以上に、技術的な進化の競争によって、優秀な技術者を確保できるかの方が重要になるかもしれません。

今や、日本は世界一の長寿国ですが、1950年代、実は日本は先進国の中で、寿命が最も短かったのです。

わずか数十年で寿命が伸びた理由は、平均所得の上昇、医学の進歩、皆保険の成立の三つだと言われています。
これらは、いずれも、死亡リスクを取り除くことで、結果的に寿命が伸びたと言えます。

例えば、1950年前後は、結核が、死亡要因の第1位でしたが、健康診断の実施と医学の発達により、結核による死亡は大幅に減少しました。

これまでは、死亡するリスクを取り除くということが中心でしたが、これからは、生きることそのものを延ばすということに移行します。

そうなると、各業界で、サッカーのカズさんのように、今の各業界の平均年齢から30年増しの現役選手が急増していくことでしょう。

日野原先生のような100歳超えて現役、も当たり前になると思われます。

結果として、社会保障費用も下がり、外国人の社会保障リスクについても、問題が軽減する可能性があります。

ところで、イギリスでは、5段階に分類して、外国人を受け入れています。
1)高度なスキルを持つ労働者
2)スキルと内定を持つ労働者
3)単純労働者
4)学生
5)短期労働者
であります。

イギリスには、国内で一定期間の求人を開示し、募集がないことを証明した上で、外国人を受け入れる労働市場テストという制度もあり、国内の労働需要を奪わないための配慮がされています。

ちなみに、日本の就労ビザ(技術・人文・国際)は、2)に該当します。
1)と2)を積極的に受け入れる方針であることは、日本と同じです。
3)は現在は一時停止の状態です。経済が低迷しているので、雇用ニーズも減少し、社会保障や治安などのリスクを取りたくない面もあるのでしょう。

ところで、イギリスのEU脱退は移民排除をして国民をまもる、というのは真っ赤な嘘です。
イギリスの移民はEU域内からは半分しかいなく、また、その大半を占めるポーランド人は、イギリス人が好まない単純労働に従事しているため、イギリスの雇用に与える影響は少ないのが実状です。

さらに、イギリスはEU域内の自由な移動を保証する協定にも加盟していないので、EUからの流入がコントロールできないはずもありません。

強烈な階級社会のイギリスにおいて、経済が低迷しても、所得の再分配がうまくいかず、政治家がEUに矛先を向かわせて、扇動している様子が見えます。

外国人雇用は国のあり方に影響するので、政治に影響されます。
それも表層の部分と深部で動くことの両面があるので、複雑な問題だと思います。

ただ、様々な国際情勢、人口動態、技術変化があっても、また、善悪は抜きにしても、傾向として、外国人材が日本で増えていくことは間違いありません。
したがって、これからは、日本人の外国人雇用に関する見識を高めることが必要だと思います。

このブログも、そんなことに少しでも、役立ちたいと考えています。
本業で忙しいみなさんが、複雑な外国人雇用制度や傾向について自ら、時間を浪費するより、効率的に触れてくれればと考えています。

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