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福祉現場の動物放置で想定される問題4選

昨日、仲本工事さんのニュースでも少し触れました。

https://note.com/ysnc/n/ndee3f0f1c660

今日は、訪問介護、ケアマネ、生活困窮者支援、子育て支援等の福祉関係者が介入している現場での動物問題について具体的に書きます。

訪問先にペット(野良猫含む)がいる場合、なにが問題なのでしょうか。ニュースでとりあげられるような猫屋敷やごみ屋敷のように、適正管理できていない場合、種々の問題は想像しやすいでしょう。適正に管理されていれば問題ないと思いたいところですが、今にも大問題に発展する可能性が潜んでいます。

代表的な問題4つ

  1. 入院・入所拒否

  2. 健康被害

  3. 精神的苦痛

  4. 動物の置き去り

困った経験がある福祉関係者の多くは最後の最後、大問題が露呈するまで動物問題の大きさに気づくことができなかったり、気づいていてもどうすることもできなかったといいます。ご自身の仕事に専念していたら、それはある意味当然です。しかし、頭を抱える時は急に訪れます。

入院・入所拒否

入院や入所が必要でもペットを理由に拒む利用者さんがいます。これは明らかに動物がいなければ発生しない問題です。拒否まではしなくても、心配事の上位に動物の世話は入ってきます。
福祉サービスをしっかりと履行できないことは、必ず利用者さんの不利益につながります。手遅れにならない時点で入院、適切な時期に入所は絶対にはずしたくないです。

健康被害

健康被害が及ぶのは、飼い主だけではありません。訪問する福祉関係者もリスクを負うことになります。近年、人と動物の共通の感染症(人獣共通感染症)が問題視されています。特にノミやマダニは多くの感染症を運び、中には致死的なものも含まれます。玄関先のちょっとした雑草等にマダニは潜むため、動物に直接接触しなくても感染するリスクは十分にあります。

ノミ・マダニによる健康被害はブログでまとめています。

精神的苦痛

不衛生な利用者宅への訪問は誰しも億劫なものです。放置された餌にたかる衛生害虫、生まれては死にを繰り返す子猫、やっとの思いで生きている犬猫、狂犬病ワクチン未接種の犬。ここまでくると衛生面や上記の感染症リスクだけにとどまらず、精神衛生上もいいものではありません。スタッフさんが精神的苦痛に耐えられずそのお宅への訪問継続困難となることは明日にでも起こる問題です。

更に、ひどい不適正飼養は悪臭や糞尿被害で近隣とのトラブルも起こしやすいです。ご近所さんからの孤立は利用者さん自身のQOLを著しく落とします。

動物の置き去り

利用者さんが入院等で家をあけた場合、動物たちは取り残されます。係留されている動物は水も餌もなくなるため緊急事態です。係留されていない場合も、近所のごみをあさったり、人に危害を加える事故を起こしかねません。こうなってしまってから保健所や警察に相談しても、所有権の問題などがハードルになり迅速に引き取ってはくれません。

入院入所拒否でも同じなのですが、普段からいざという時に動物を任せられる人を探しておくことが大切です。とはいえ親族がいないまたは疎遠である、近所からも孤立、その他に信頼できる関係者もいない状況も多いです。だからこそ、問題が発生する前から動物について相談できる相手を見つけておくことが大切なのです。


やまがた不妊去勢クリニックでは、福祉事業者、自治体、個人を対象に多頭飼育や野良猫について助言を行っています。下記より問い合わせください。
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