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私のチェーンリング、スプロケット履歴

ロードバイクを趣味としていて、愛車のギア構成について悩んだことのない人は居ないのではないでしょうか?
人によってロードバイクの乗り方が違うように、最適なギア構成も人それぞれだと思います。
今回は私がどんなギア構成の自転車に乗って来たかをお話しできればと思います。

1チェーンリング 39T

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Bianchi LUPO
チェーンリング 50×39×30
スプロケット 13-14-15-16-17-19-21-23-25 (9s)

初めて買った本格的なスポーツバイクは、フロントトリプル、カンチブレーキ搭載のツーリングバイクでした。
実はドロップハンドルの付いている自転車ならどれも同じだろうと思い、手ごろなお値段に惹かれて購入したのがこのバイクです。
それ以前に乗っていた自転車はフロントサスペンション付きのクロスバイクだったのですが、その快適性とスピード感の違いには圧倒される思いでした。

クロスバイクに乗っていた頃は120kmぐらいがツーリングの限界でした。
そこでより距離を走れる自転車を探し始めたのがスポーツバイク購入のきっかけです。
始めは不慣れゆえの試行錯誤も有りましたが、この自転車は私の期待に応えてくれ、半年後には200kmのツーリングを達成することが出来ました。

そしてこのツーリングバイクで最も気に入ったのが、フロントのミドルギア39Tです。
狭い日本、長距離を走れば当然のごとく山に行き当たります。
そんな時フロントギアをこの39Tに入れておけば、ちょっとした上り下りは後ろの変速だけで乗り切ることが出来るのです。
この体験が私の後々のギア選びに影響を与えることとなりました。

2チェーンリング 52×39T

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Panasonic FCT19
チェーンリング 52×39
スプロケット 12-13-14-15-16-17-19-21-23-25 (10s)

さてツーリングを重ね、自転車雑誌などを買い漁って知識が増えて来ると、どうしても本物のロードバイクが欲しくなってしまいます。
当時の自転車ブームに乗って始まった一大スポーツサイクルイベント「サイクルモード」での試乗が決定打となり、ツーリングバイク購入の僅か10か月後にはPanasonicのチタンフレームに手を出してしまいました。
自転車自体はショップさんにバラ完で組んでいただきました。

当時はコンパクトクランクが普及し始めたころです。
登りの多いヒルクライムツーリングを考えればコンパクトクランクも選択肢の一つだったのですが、どうしても39Tの使い勝手の良さを手放すことが出来ず、選んだチェーンリングは52×39Tでした。
アウターを53Tではなく52Tにしたのはちょっとでも軽い方が走り易いのではと考えたからですが、今にして思えば特に意味の有った選択とは言えないですね。

ただ39Tに関しては別の場面でも役に立ちました。
当時、知り合いからケイデンスを上げて走る様に勧められたことが有ったのですが、(ケイデンスとは1分間に回すクランクの回転数のことです)ケイデンスを上げるための練習にもこの39Tは最適でした。

3スプロケット18T

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SPECIALIZED Tarmac SL3 PRO
チェーンリング 53×39
スプロケット 12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25 (11s)

時は流れて4年後。カーボンフレームが手の届く値段帯になってきたのをきっかけに新車を購入。
当初はパナチタンからTarmacにコンポーネントを載せ替えて乗っていたのですが、シマノのULTEGRA が11速化されたのを契機にコンポーネントを新調することにしました。
チェーンリングは53×39T、スプロケットは12-25T(11s)をチョイス。
この11速化に伴い手に入れたのがスプロケットの18Tでした。

10速の頃、私が一番よく使っていたギアの組み合わせはフロント52T、リア21Tです。
ここを基本位置としてスピードが上がればギアを重くし、向かい風や坂道になればギアを軽くするわけですが、10速のスプロケットですと19-21-23と上下どちらのギアも2T飛ばしとなって、変速した時のクランクを踏む重さの変化が大きくなってしまします。
特に幹線道路などでスピードを出している時は、21→19→17と2T飛ばしのワイドレシオで走る事となってしまいます。
このフラストレーションを解消してくれたのが18Tでした。

4チェーンリング50×36T

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SPECIALIZED Tarmac SL4 ELITE
チェーンリング 50×36
スプロケット 12 13 14 15 16 17 18 19 21 23 25 (11s)
当初このTarmac SL4は先代Tarmac SL3からコンポーネントを載せ替えて走っておりました。
しかしここで私のロードバイク人生で決定的な出来事が発生します。
加齢と体重増加で今まで登れていた峠に登れなくなってしまったのです。
場所は関東地方に有る、激坂で有名なお寺です。

何とかせねばと、ショップに機材をレンタルさせてもらったり知人の助言をもとに出した結論は39Tとの決別。コンパクトクランクの導入でした。
前々からコンパクトクランク50×34Tで登りを楽にしたいとは思っていたのですが、アウターからインナーに落とした時のギャップの大きさがどうしても気になり、ずっと決心が付きかねておりました。
そこで私の選択は、チェーンリングを変則的に50×36T、スプロケットは以前と変わらす12-25(11s)とする事でした。

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上のグラフは縦軸がギア比、横軸はスプロケットの段数で、緑がノーマルクランクのギア比、赤は変則コンパクトクランクのギア比を表したものです。
(スプロケットは12-25で共通)
良く見て頂くと分かるかと思いますが、赤いグラフは緑のグラフのそれぞれ1段軽いギアのギア比とほぼ同じ数値になっております。
つまりフロントを変則コンパクトクランクにしたことでスプロケットの構成を変えずにアウターギア、インナーギアのどちらでもトップ側を1枚削ってロー側に1枚足した形になったのです。

このチェーンリング50×36Tへの変更はかなり満足度の高いものでした。
ギア比がスプロケット1枚分軽くなったおかげで、前章でも書いた「一番よく使うギアの組み合わせ」がフロント50T、リア19Tに変化し、スピードを上げる変速は19→18→17と1T差のクロスレシオで走れるようになったのです。

しかし、ただ一つ残念なことが有りました。
それはコンパクトクランクを導入してもなお、激坂の峠には登れなかったという事でした。

5チェーンリング50×34T

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S-WORKS Tarmac SL6 Disc
チェーンリング 50×34
スプロケット 12 13 14 15 16 17 18 19 21 23 25 (11s)

そして現在、チェーンリングは50×34Tを使用中です。
これはシマノの電動コンポーネントDi2のセミシンクロシフトのおかげです。
セミシンクロシフトはフロントのギアチェンジを行った時のギャップをリアの変速をリンクさせることで縮小してくれるシステムで、50×34T(16T差)の変速でもギャップを気にすることなく出来るようになりました。

そして、件の峠にも数年ぶりに足付き無しで登頂したのでありました。

6最後に

この記事を書くにあたって過去に乗ったロードバイクのギア構成を調べていて面白い発見が有りました。
それは、その時々で一番良く使っていたギアのギア比があまり変化していないことです。およそ2.5~2.7の間。コンポーネントに変化が有っても使っているギア比は大きくは変わっていませんでした。

そして、昔から比べると巡行スピードは上がっているのです。
つまり速く走れるようになったのは重いギアを踏めるようになったからではなく、ケイデンスが上がったことによる影響が大きいと言う事を意味しているのだと思います。

これは決して体力的な要因ばかりではなく(実際に登坂能力は落ちていますから)機材の影響も大きいと考えられます。
今後もロードバイクのコンポーネントは進化していくのでしょうが、まずはシマノの12速化が待ち遠しいですね。

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