SIerデータアナリストの1年の振り返りと今年について

年末年始と夏しか落ち着いて自己を整理できないので、昨年を振り返りつつ今年を考えたみたいという自分語りです。

2019年の本業

今年も自身やチームとして、多数のデータ活用・AI関係のプロジェクトをさせていただきました。チームとしてPoCで数十やるなかで、昔よりも、「ただ流行っているからAIやりたい」という人は減って、実利を目指したプロジェクトがぐっと増えたように思います(だから無理して高度機械学習を使わないものも増えた気が。)。
そのような背景もあり、実運用まで進む確率も上がっており、アフターPoCの時代が来ているなあという実感を得るようになりました。おそらくこれからはモデル作成がうまい、というPoC的な技量よりも、AI・機械学習の運用をどのようにうまくするかに力点が置かれていくのではないかと考えており、その萌芽を感じた1年でした。
金融・交通・小売・物流・エネルギー・通信・建設・不動産・医療などの業界の皆様には特にお世話になりました。ありがとうございます。具体名を書けるプロジェクトとしては、セブン銀行さんのATMは数年来の取り組みが結実した結果で一番感慨深い成果でした。

また、アフターPoCの時代に向けて、機械学習を使ったシステムの開発方法論を作っており、後述の学会と併せて、この手の知見が世の中でシェアされていくとよいと考えています。

2019年の「本業の副業」

本業はデータアナリストであり機械学習のシステム化やデータ活用のプロジェクトをやっていくことなのですが、なりゆきで広報役をやっているので多数の登壇などをしました。記憶の限り、ビジネスカンファレンス4回、web記事6回、テレビ出演4回、、、というところです。広報役は恥ずかしい上、新陳代謝が必要なので今年は後進を育成して譲りたいようにも思います。
講演の中で一番感慨深かったのは、東大の暦本教授とのジョイント講演を企画できたことです。暦本先生が会社の大先輩(OB)であることもあり、また、先生の研究の視座の高さに尊敬していたので嬉しかったです。AIや機械学習は手段ですので、それが目的化するのは良くないと言われて久しいと思います。そんな中、暦本先生は、「人の生活をどう変えたいか」という視点・ビジョンにアイデンティティがあられ、その上で流行のテクノロジーを取り入れていくところが素晴らしいと思います。だから深層学習などもすっと取り入れられ、それでも研究者アイデンティティが失われることがないように思います。自分もそうありたいと改めて思いました。

また、研究者としては現役ではないのですが、企業の「研究所にいない」データアナリストでも普通に論文書いて学会に行けばよい と考えているポリシーなので、学会活動も色々やりました。国際会議参加2回、国内学会は運営もあるので数知れず参加しました。論文も共著込みで国際会議ワークショップ1本・国内会議4本・国内論文誌1本で、国内会議の発表賞もいただいたり、共著論文の後輩が山下記念研究賞を頂いたりしました。会社全体としては研究所がNeurIPSやICMLやAAAIに論文を出しまくっているのでそれでよいとして、今年はもっと、非研究者のチームでも学会に行きまくるようにしたいと思います。

また、ソフトウェア科学会の機械学習工学研究会で、プロセス・事例収集WGを立ち上げることにし、幹事をやらせていただくことにしました。これは、機械学習を使ったシステムやサービスの開発・運用についての知見をシェアしながらみんなで体系化していくという流れを作ってみたいというお誘いに賛同したからです。今年はより精力的にこの手の仲間づくりができるとよいと思います。

年末には職業観を語る場がありました。寝癖が妻に激しく不評で恥ずかしいのですが、アウトソース型データアナリストの面白さについて考えていることを記事にしてもらいました。私は、アウトソース型データアナリストが好きでこの仕事を続けており、特に昨年は、仕事や労働環境の自由度・周りの人間の素晴らしさ・待遇などのバランスがよく、会社をやめようと思わない1年でした。仲間や組織に感謝してます。(NECはデータアナリストを常時募集し続けています。興味があればtwitterでDMください。)

学生教育にも関わらせていただくことが多くなってきました。山形大学で授業させていただいたり、滋賀大学と包括的な連携協定を結ばせていただくことに関与したりしています。機械学習がコモディティ化して、それ自体に価値がなくなるであろう今の学生世代に対して何を教えるのがよいのかを今年はもっと考えていきたいと思います。

2019年の副業

書籍を上梓しました。1年に1冊書くだけで抜け殻みたいになるので、本を継続的に出しているすべての人が神のように思えてきます。おそらく自分は向いていないのでしょう・・・昨年のハイライトではありましたが、苦行すぎて、またやるかはわからないです。本自体は役に立つと言っていただけることもあると思う、ちゃんとしたものにしたつもりですので是非お手を取ってください。

2019年のプライベート

・息子が5歳になり凄く成長しました。子供の成長は凄いです。言葉をつかえるようになって1000日くらいの人の1日の重要度を噛みしめながら接しています。
・引っ越しとか入園とかがなかったので家庭は比較的イベント的なことが少なかったかと思います。家庭でのんびりするのが自分の根幹なので、本当に感謝してます。

2020年はどうしようか

2019年を書いただけで疲れてしまいましたが、以下のように考えています。

本業:
 ① チームを100人オーバーにしても質を維持できるようにする
 ② AIを使った面白いサービスかアプリを1つ以上形にして世に見てもらえるようにする
 ③ 学会にチームメンバーに投稿させて後輩を連れて行きまくる。具体的には国際会議2-3回に3人以上ずつ連れて行く(投稿が採録されていればなおよし)。
副業などその他:
 ① 短期でもよいので英語をガチ勉強する。
 ② 気が向いたら「売れそうな本」ではなく「書きたい本」を書いてみる。出版はされなくてもよい。
 ③ このnoteを月1回ペース程度何か書く。
プライベート:
 ① ずっと休止中の楽器を1回は吹く。子供にも知ってもらいたい。
 ② 車を買う
 ③ (多分学会に接続で)家族で一回海外に行く。 
 ④ オリンピックの何かに行ってみる。パブリックビューイングとかスポーツバーなら可能でしょう

目標を盛ってもどうせやらないので、こんな感じかなと思います。2020年も皆様良いお年になることをお祈り申し上げます。















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