後輩に無理にすすめられてはじめるはめになったブログ、

タイトルの最後の読点、これは意図的にそのままにしています。

中学生の頃、僕は作家になりたいと思っていた。

中学の卒業式のあと、各々が自分のクラスに戻る。
最後のホームルームでは、クラスメイトに対して一言ずつ話す時間があった。
「みんなありがとう。」「高校に行っても仲良くしてね。」クラスメイトが教卓の前に立ち、それぞれの思いを発する。

「僕は将来作家になるので、皆さん大人になったら僕の本、買ってください。」
クラスでの自分の立ち位置はわかっていたし、その期待にも応えたかった僕は冗談ぽく道化し、教室の後方にいる保護者たちも笑わせた。

作文も読書感想文も得意だった。何となく、大人が喜ぶ勘所がわかっていたから。

でも、今のところは作家になっていない。本当は今でもなれると思っている。
もう誰かが喜ぶ勘所もわからなくなってしまったが、それでも。

昨日、後輩から文章を書くことをすすめられた。きっかけは何でもよかったのかも知れない。「先輩も文章書けるじゃないですか」という言葉にぐっときたのでこの文章を書いている。

書くと決めて阪急京都線に乗車し、梅田から河原町まで何を書こうと頭を悩ませたにも関わらず、テーマも決まっていなければ、もちろんオチも思いつかず、ただたゆたうように筆を走らせている。

まずは書くという行為を行う自分に満足できれば良いかなとも思っている。
思っていることに輪郭を作ること、道筋を立てること、伝えること、できるようになることは楽しいと思う。

仮にこのテキストノートが続くとして、数か月後に「何だこの駄文」と赤面できれば嬉しい。

中学生の頃、僕は作家になりたいと思っていた。
30歳の今も、僕は作家になりたいと思っている。

ちなみにこの文章は喫茶店で書いている。
隣のとなりの席で小一時間読書をしていた女性だと思っていた人は、顔を上げると髭の生えたおじさんだった。
ま、こんなものである。

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