【5】 闇市2

    シーカーはその場所の空気に圧倒され動けずにいた。

【お前、新顔だな?】
    声の主である黒いマントを羽織った男は鋭い視線でこっちを見ている。
【俺の名前はじーま。ここを取り仕切ってるモンだ】
    時折手に持ったダイスを親指でポーンっと上にはじき、キャッチしている。

    いや、していなかった、キャッチしていなかった!コロコロ~ってダイスがあっちに、それを追ってって男は向こうに行ってしまった……

「何だったんだ今のは……
しかし、色んな物が売ってるなー。
とりあえず俺の作る剣や鎧と相性の良い道具とアクセサリでも買って帰るかー」

~30分後~
「ふぅー、色んなのがあるから迷っちゃったなー。でもこれだけ買えば10日くらいは棚置き買わなくても大丈夫だな」

【もう帰るのか?】
    さっきの黒いマントの男、じーまだ。
「もう十分買ったのでそろそろ帰ります。」
『まだお金あるんじゃないの?』
黒いドレスの可愛い妖精だ。
どうやらこの妖精はじーまのお手伝い妖精のようだ。
「これ以上買うと赤字になるので。」
『ワタシが選んであげるからついてきなさい』
【アジト闇市サイコー!】
    まるで会話にならない。
シーカーはその後彼らに連れられたくさんの食物を買わされた。
『このメイチーパンはワタシのチョーオススメ!メィプルとチーズが絶妙にマッチしてるの♪』
「そ、そうなんですね。」
('今日はめちゃめちゃ赤字だ。帰ったら赤字分何とかしないと)
シーカーは心の中で泣きながらでつぶやいた。

「今日はありがとうございました。」絞り出したような声で言った。

【まぁ、また来なよ。この闇市はいつでも商売人達を歓迎するぜ】
    そう言うと彼はまたダイスを親指で上にはじいてキャッチした。

いや、していなかった、またキャッチ出来てなかった!コロコロコロ~ってダイスとじーまがあっちに……笑。

    ちょっぴり苦い思い出と甘いパンを手に入れたシーカーだった。

店主 シーカー
創業336日目
老舗武器屋で孤高の鍛治屋


読んで頂きありがとうございました!
# 3,4-1 では闇市への招待状
# 4-2 ではアジト街の【闇市のじーま】さんに出演して頂きました!本当にありがとうございました!
その他の登場した人物、レシピ品全てフィクションです。
気になるレシピがあれば実際に作って頂いても構いません(作ってもらえたら飛んで喜びます)

作中に出ても良い店主募集中。
店主名、オーナー番号
をTwitterでDM下さい。
普段のプレイスタイル等入れてもらえたらなるべくそれに沿って書かせて頂きます。
登場する話は事前にDMで確認して頂いた後掲載させて頂きます。

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