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AI時代に日本のスキルシェアサービスに未来はあるか?2023〜Chat-GPTに人は勝てるのか

こんにちは、ロコタビの椎谷です。
前回、「シェアリングエコノミーの未来」について書いてから、早くも3年が経ちました。その後に起こったコロナ禍によるインパクトで、良い意味でも悪い意味でも、色々なものが露呈された期間でした。

今回の話題はシェアリングエコノミーに関するもので、前提としてシェアリングエコノミーの知識が必要です。詳しく知らない方は、前回の記事を参照してください。
今回は、人間の「スキル」に関するシェアについて、大きな変化があると考えています。

本文が長くなってしまったので、先に結論を述べます。

カテゴリー化され、デジタルデータ化される「スキル」はシェアリングエコノミーの過渡期に価値を失うと考えられます。

以下で詳しく説明します。

シェアリングエコノミーの中のスキルシェア

一般社団法人シェアリングエコノミー協会が作成したシェアリングエコノミーのカオスマップによると、「スキル」領域のサービスが全体の半分近くを占めていることがわかります。

一般社団法人シェアリングエコノミー協会

以前に私が書いたシェアリングエコノミーの分類は、以下の4つでした。
アイドルエコノミー Idle Economy
タレントエコノミー Talent Economy
グループエコノミー(共同シェアリング) Group Economy
リサイクルエコノミー(再流通プラットフォーム) Recycle Economy

「スキル」という言葉は使わず、「タレント=才能」をベースにした「タレントエコノミー」という概念を提示しました。

また、シェアリングエコノミーの課題として、以下の点を書いています。

現在起こっている問題の多くは「アイドルエコノミー」に属するサービスが関わっています。「アイドルエコノミー」の多くは既存市場が存在し、ターゲットも明確なため参入しやすく、市場規模も大きいのでシェアリングエコノミーのジャンルとして普及が先に進んだと考えられます。例えば、Airbnbはホテル・宿泊市場、Uberはタクシー市場。
「アイドルエコノミー」の課題は『価格競争に陥いる』『既存市場でシェアの取り合い』をどう克服するかです。

シェアリングエコノミーの本質は「供給力を向上させ、新しい産業・市場を創出する」ことだと書きましたが、既にある市場をシェアリングという仕組みでユーザーのニーズを満たすことだけでは、「供給力を向上させ、新しい産業・市場を創出する」ことにはなりません。
アイドルエコノミー含めシェアリングエコノミーの存在意義が問われるのは、今後、既存市場に無い新たな需要を生み出し、新しい市場を創る事が出来るかどうかです。

現在のスキルシェアサービスが抱える課題がまさにこれです。

ChatGPTの登場

ChatGPTという、2022年後半から話題となっているチャットAIサービスをご存知ですか?

その名の通り、ChatGPTに話しかけると答えてくれます。下記には、ChatGPTについての質問とその回答が示されています(長文ですので、興味のあるところだけ読んでいただいても結構です)。

「ChatGPT」は、OpenAIによって開発された、大規模な言語モデルのひとつです。言語モデルとは、自然言語処理(NLP)の分野において、テキストデータのパターンを学習する機械学習モデルのことです。

ChatGPTは、特に文章生成の分野において、優れた成果を上げており、自然言語での対話や文章生成、要約、翻訳などのタスクに利用されています。ChatGPTは、事前学習(プレトレーニング)と微調整(ファインチューニング)の2つのステップで構成されており、大量のテキストデータから学習されます。

ChatGPTの最新バージョンである「GPT-3」は、大量のパラメータ(1兆以上)を持ち、非常に高い生成能力を持っています。例えば、ChatGPTを用いて「あるテーマについて記事を書いてほしい」という指示を与えると、人間のような自然な文章を生成することができます。

また、ChatGPTはオープンソースで公開されており、様々なプログラムやアプリケーションに組み込まれて利用されています。例えば、ChatGPTを用いたAIアシスタントや、文章作成支援ツール、チャットボットなどがあります。

簡単に言えば、ChatGPTは自然言語処理の分野における最先端技術の一つであり、人間に近い文章生成能力を持っています。そのため、文章生成や自然言語での対話に利用され、様々な分野で活躍しています。

少し文章が長すぎるので、「ChatGPT」に150文字に要約してもらいました。

ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模な言語モデルで、文章生成や自然言語での対話に利用されます。ChatGPTは、大量のテキストデータから学習され、最新バージョンでは1兆以上のパラメータを持ちます。ChatGPTは、自然言語処理分野における最先端技術であり、AIアシスタントや文章作成支援ツール、チャットボットなどに利用されます。

それでも説明が難しいので、作家の「俵万智」さん風に書き直してみました。

ChatGPTとは、最新の人工知能の一つで、言葉を理解して文章を作成することができます。例えば、あなたが書きたいテーマを伝えると、ChatGPTは自然な文章を生成します。これは、文章作成支援ツールやチャットボットなどで利用され、私たちの生活に様々な形で役立っています。ChatGPTは、たくさんのデータを学習しているので、人間のような文章を書くことができます。今後、ChatGPTがどのような進化を遂げるのか、ますます注目されています。

さらに、「村上春樹」さん風に説明すると。

ChatGPTは、今時の最新型の人工知能で、自然言語処理に優れ、文章生成に大きな力を持ちます。これは、例えば、あなたがテーマを伝えると、自然な文章を自動生成してくれるツールです。ChatGPTは、たくさんの文章を学習することで、人間に近い文章を作ることができます。現在、文章生成支援やチャットボットとして使われることが多く、その応用範囲はますます広がっています。今後のChatGPTの進化に期待が寄せられます。

このようにChatGPTと会話することで、文章を書くというスキルが外部化され、アウトプットされます。

また、スキルシェアサービスを利用する目的の1つは「スキルの外部化」であり、AIのアウトプットクオリティが人間を超える、もしくは同等になるタイミングで、人間のスキルの価値が大きく下がることは明らかです。

デジタルデータ化するスキルがAIで代替可能になる?!

今日では、文章を書くことだけでなく、デザインの分野でも同様の動きが見られます。

例えば、Microsoftが昨年発表した「Microsoft Designer」は、従来のテンプレートを利用したデザインから進化し、AIと対話することでデザインが出来上がるツールです。

表示される空欄に作りたい文書のイメージを「文章で」書く。するとMicrosoft Designerはその内容を読み取り、適切と思われる画像とデザインを「生成」して並べる。

Impress Watch:「Microsoft Designer」とAIが本当に変えるもの

プレゼン資料をAIが作ってくれる(支援)「Tome AI」

ChatGPTを使ったWEBサイト作成

他にも様々な応用事例がありますが、基本的に、すべてのデジタルデータ化されるスキルはAIに置き換わる可能性があるということです。

ただし、デジタルデータ化されるだけでは不十分です。ChatGPTの説明にもあるように、データを機械学習することで高度なアウトプットが可能になるのがAIの特徴であり、その力を最大限に発揮するためには、多量のデータが必要となります。

言語モデルとは、自然言語処理(NLP)の分野において、テキストデータのパターンを学習する機械学習モデルのことです。

一般化しやすく、多くの人が求めているため需要が高く、それに伴ってデータ量が増える傾向があるスキルは、AIに置き換わる可能性が高いと言えます。

シェアリングエコノミーの中で、多数のユーザーが利用するカテゴリー化され、デジタルデータ化されたスキルを提供するシェアサービスは、AIに取って代わられる可能性があるため、そのリスクに対して対策を講じることが必要です。

スキルシェアの行方

以上、かなりネガティブな話をしてしまったかもしれませんが、前回の記事でも述べたように、単に既存市場をシェアリングという仕組みでユーザーのニーズを満たすだけでは、「供給力を向上させ、新しい産業・市場を創出する」ことにはならないことを理解しておくべきです。
既存市場のスキルをシェアリングという仕組みで効率性やコストパフォーマンスを向上させていた場合には、今回のようにAIの出現によってそのサービスが価値を失う可能性があります。

それでは、どんなスキルシェアであれば、今後価値を出せるのか。

ChatGPTに聞いてみました。

AIの得意なこと:

  • パターン認識
    AIは大量のデータからパターンを見つけることができます。例えば、画像や音声の認識、自然言語処理などが該当します。

  • 予測モデリング
    AIは、過去のデータを分析して、未来のイベントや傾向を予測することができます。例えば、株価予測や気象予測が該当します。

  • 自己学習
    AIは、データを基に自己学習することができます。これにより、より正確な予測や意思決定を行うことができます。

AIの苦手なこと:

  • 意図や文脈の理解
    AIは、人間が普通に理解できるような、文脈や意図を理解することが苦手です。例えば、ジョークやアイロニー、文脈による単語の意味の変化などが該当します。

  • 創造性や想像力
    AIは、人間のような創造性や想像力を持っていないため、新しいアイデアや発想を生み出すことができません。

  • 感情の理解
    AIは、人間の感情を理解することができません。例えば、文書の文章からその著者の感情を読み取ることはできない。

この答えを見て、私は2つの道があると思っています。

1)データが少ない領域

たとえば、オフラインサービスは、データ化されづらく、AIのパフォーマンスを発揮するのが難しい領域です。
特に、リアルで接触のある1対1のサービスなどは、その人たちの中でしかデータが共有されておらず、デジタル化もされない場合があるため、AIが学習する機会が少なく、実用化されにくいと考えられます。
オンラインでも、データ自体が少ないもので、それがスキルと連動している場合には、価値を出すことができます。ロングテールなスキルを活かしたシェアサービスが有利になるでしょう。

ロングテール(英: long tail)とは、インターネットを用いた物品販売の手法、または概念の1つであり、販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃えること、または対象となる顧客の総数を増やすことで、総体としての売上げを大きくするものである。

wikipedia

2)総合格闘技(スキルの十種競技)

人間と直接的な関わりがあり、創造性が必要なサービスは、AIに置き換えられにくい領域です。
たとえば、占い師など、占い結果自体をAIでアウトプットすることはあっても、人間が介在することで価値が生まれます。
また、複数のスキルが必要な総合格闘技のようなものは、少ないデータ量で想像力を働かせて決断を下すことができる人間の方が、一つでもデータ量が少ない場合には、AIよりも有利です。

シェアリングエコノミーの本質は『供給力を向上させ、新しい産業・市場を創出する』ことです。
この点について、3年前と変わりはありません。しかしながら、スキルシェアにおいても、既存市場には存在しない新たな需要を生み出し、新しい市場を創造できるかどうかが重要なポイントとなります。


以上の話を頭に入れながら、各種スキルシェアサービスを見てみると面白いかもしれません。

なお、この記事は最後にChatGPTによって添削・編集してもらっています。

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