中学の数学 (11) ユークリッドの互除法の証明
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今日学ぶこと
ユークリッドの互除法がなぜ成り立つか説明できる。
前提
a を b で割るとき,次のように書くことができます。
$$
a = b \times p + r
$$
p が商,r が余りです。
a, b の最大公約数は,b , r の最大公約数と同じです。
ユークリッドの互除法はこの性質を利用して,a, b の最大公約数を探す方法です。
しかし,なぜ,a, b の最大公約数が,b , r の最大公約数と同じといえるのでしょうか?
a,bの最大公約数mを考える
まず,a, b の最大公約数を m とします。
$$
a = b \times p + r
$$
すると,a は m で割り切れます。a とイコールである $${b \times p + r}$$ も m で割り切れるのですから,b や r も m で割り切れるはずです。
とすると,b も r も m を約数にもつはずです。
b と r の最大公約数をnとおくと,m と n の関係は次のようになります。
$$
m \leq n
$$
b と r は約数に m をもっていますが,それが最大の約数であるかどうかはわかりません。しかし,n が m より小さいことはあり得ませんから,今のところ,次のように書くことができます。
$$
m \leq n
$$
b,r の最大公約数nを考える
$${a = b \times p + r}$$ を移項すると次のように書けます。
$$
r = a - b \times p
$$
b と r の最大公約数を n とおきました。ですから,rは n で割ることができます。
n とイコールである $${a - b \times p}$$も n で割ることができます。a や b も n で割ることができる,つまり,a や b は約数に n をもちます。
$$
n \leq m
$$
n が m より大きいことはありません。m は a と b との最大公約数です。n が m より大きいと,r と b は共通の最大の公約数をもたないことになってしまうからです。
ここで n と m について二つの関係式が得られました。
$$
m \leq n \\
n \leq m
$$
このふたつが共に成り立つ場合は,$${m = n}$$ のときです。
aとbの最大公約数m はbとr の最大公約数n と一致することがわかりました。
うーん,むずかしい。もっと簡単に説明する方法がありそうなものだ。
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