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【野口整体】夏の養生について

野口整体を取り入れた夏の暮らしを映像にしてみました。

動画内で説明しきれなかったことも含めて、夏をすこやかに過ごすための知恵を文章でまとめておきます。


キーワードは発汗と排熱

梅雨の時期は体の中に溜まった湿気をいかに出すかが重要ということで、排水する力が求められるのですが、夏は熱を出す・捨てる力が重要になります。

発汗は体温調節の役割もありますが、排泄という役割もあります。冬の間に溜まった老廃物や毒素を春に下痢として出し、夏の間も汗として出しています。胸椎の5番という、肩甲骨の真ん中あたりにある骨は発汗と関わっており、肩甲骨や肋骨の動きが悪いと5番の弾力も失われ、汗がかきにくくなります。交感神経が優位(過緊張)な状態も体が冷えるので汗がかきにくくなりますので、「身体の余計な力を抜くことが上手になる」ことも大切です。

汗をかくことが良いとはいっても、エアコンを使わず家でダラダラ汗をかき続けるのは体力を消耗します。入浴後や運動中だけかくようにして、家で休んでいる時間はしっかりエアコンを使いましょう。

夏の入浴に関してはぬるめの温度で長く入るよりも、熱めの温度でサッと入る方が良いです。上がった後にじんわり汗をかくような入り方です。
サウナが流行っていますが、湯船に浸かるだけで十分です。
冷房などで身体が冷え切っている場合は、入浴の前後を避けて動画内で紹介している足湯をするのも良いです。足湯の後、セルフケアで紹介している足指3,4指間を調整します。

汗をかいた時の注意点は汗をかいた肌に扇風機の風を当てたり、濡れた服のままで過ごさないことです。かいた汗を冷やして引っ込めてしまうことを「汗の内攻」と呼び、それが体調不良に繋がります。

「今の季節を快適に過ごせるかどうか」「一つ前の季節をすこやかに過ごせたか」で決まります。

夏に向けて身体が開き始めるのは春ですが、開きにくい身体を開こうとする現象が春の風邪や下痢、花粉症です。そうしたものを薬で抑え込んでしまうと身体は開かないまま梅雨・夏になり、暑さに対応できません。

これからの季節でいうと汗をかくべき夏にしっかり汗をかいたかどうかで秋の過ごしやすさが決まるということです。夏の間にしっかり汗をかきましょう。


発熱することを恐れないで

排熱について。
心臓が活発に動き、呼吸量の多い夏は吐く息だけでなく皮膚呼吸でも盛大に排熱しています。たとえば頭や肩、胸、脇腹(側腹)の辺りから排熱していることが感じられるでしょうか。

頭や目を使い過ぎている人は頭蓋骨が呼吸とともに動かず、頭から排熱ができません。食べ過ぎが慢性化している人は肩を含めた背中の大部分が潤いのない、ビーフジャーキーのような固い背中になり、やはり呼吸で肩・背中が動きません。ストレスの多い人は胸が動かず胸から排熱できない、というように日常の様々な疲労によって身体が強張り、呼吸ができない・排熱できない身体になっていきます。

こうした夏向きではない状態を夏向きにするための役割が夏風邪で、熱を出しきれば排熱が出来る身体になるものを、途中で解熱剤で下げてしまうと排熱口は閉じたまま、排熱できない身体のままになってしまいます。
高熱が出ている時、悪寒で身体が震えますが、振動させることによって硬直した部位を弛め、身体の可動性を修復しています。

後遺症が残るのでは、熱が下がらなかったらどうしようといった萎縮した気持ちがあっては身体は良い方向に変わりません。恐れを捨てて身を委ねること、自分の熱を出す力、修復する力を信頼することが大切です。

すこやかな身体は呼吸に合わせて身体が波のように動き、振動しています。そうした波、振動のある状態が「気の通った身体」です。
整体の勉強を始めた人から「気が通っている・いないがわからない」と言われます。誰しも最初はわからなくて当たり前なのですが、呼吸で身体が動いているかどうかに置き換えてみると分かりやすくなったりします。

深く息を吸い、呼吸で身体を動かす。
夏だけでなく、すこやかに生きる上で大切なことです。

心地良く呼吸できるいる気がしないという方は、ぜひ整体を取り入れた暮らしを始めてみてください。

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