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柴田南雄『わが音楽 わが人生』岩波書店、1995年

柴田南雄の著作に触れたのは再発された『声のイメージ』だったけど、大阪万博に関する調査で集中的に読んだ。調査では、万博における現代音楽と邦楽器という、坂本龍一が武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」に感じた違和感と似たものを感じていたところ、ある種の解答を与えてくれたのが柴田の著作だった。
また、ウィキペディアによると69年に芸大を辞職しているとのことで、学生運動をどのように感じていたのかについても興味があった。
柴田の現代音楽における邦楽器の使用の評価は、遠山一行や吉田秀和とは温度差があるように思う。この辺りは、いわゆる文化的アイデンティティ論やナショナリティの問題とも関わるところである(留学中のテーマが回帰してきている)。そのことを考えながら読むことにしよう。しかし、最近は自伝とか評伝が面白いな。

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