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2014年の書評(ピエール・ブルデュー)

今日(2014年2月24日)読んだ図書新聞の原山哲氏(フランス社会学)の書評が秀逸だった。詳しくは読んでもらうとして、ブルデューの界の理論を一元的階級構造から説明していて目から鱗。つまり界とは階級分化された集団の謂でもあったのだと。要するに集団の相互行為の痕跡として現れるということか。

学生時代の大学院の社会調査論の授業で社会移動論が取り上げられ、階層移動が出来る社会が開かれた自由な社会であると先生が話されていたことを今でも覚えていて、これが社会学なのだと思いつつ、多文化社会の国においてはエスニシティでセグメント化されていて移動はそんなに容易ではないということを実際に感じていたりしていたのだが、ブルデューはアルジェリアの調査によって一元的社会における多元的なセグメント化を感じて界の理論を構想したのかとも書評から思えた。原山氏は『資本主義のハビトゥス』の翻訳者であった。

ブルデューは初期の人類学的研究で得られた知見(例えばハビトゥスとか)を、『ディスタンクシオン』のような都市社会の研究にわりとそのまま持ち込んでいるというサンマルタンの指摘もあるようだ。

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