博士と妻 第六回 妻の告白
今日の夕食は妻と鍋を囲んだ。
私は「かしわ」が好きなのでリクエストしたのであった。妻は「かしわ」の意味がわからないと言い、私はそれは鶏肉のことであると、いつもの如く関西弁を伝える儀式を行った。関東では「ヘレ」肉も言わないらしい。「それは『ヒレ』」妻は言う。大阪では肉屋でもヘレ肉を売っている。
鍋の後はテレビで「ベスコングルメ」を見るという流れだった。オードリー春日が司会で「キャスガ(第五回参照)出てるね」、と言うと妻は、もうやめて〜、というような顔をしている。
今日のゲストには高田延彦がいた。
ここで妻が急に告白したのである。
「昔ね、高田延彦と前田日明に同時にプロポーズされた夢を見たことがあるのよ.......」
私もプロレスはそれなりに見ているので、高田延彦と前田日明という名前を聞いてプロレスファンなのかと聞いてみた。
すると、特にプロレス好きというワケではないし、顔は知っているがなぜ二人から告白されたのかはわからないと言う。
夢の中で誰かに告白されたのも、後にも先にもこれだけということらしい。
高田延彦と前田日明って犬猿の仲のようだが、夢の話のチョイスというか、前田日明の名前が出てくるそのシチュエーションに、私は笑ってしまった。
なんというか、妻は話のネタがつきまへんなぁと思った週末の夜だった。
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