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ベンゾジアゼピン減断薬 - 効率的なオンライン医療相談のために [Free full text]

ベンゾジアゼピンの減断薬をテーマとしてオンライン医療相談を行う場合、「薬の年表」を作ることから始めさせていただいています。
これまで服用してきた薬の種類と用量を時系列で並べ、整理する作業ということになります。

現在服用中の薬の種類と量だけで減薬方針が決まるものではないからです。
相談時に「デパスを1日3mg、サイレースを2mg飲んでいます。減らし方を教えて下さい」とだけ仰り、原疾患の診断やこれまでの治療経過を伺おうとすると「そんな情報必要ですか? 不要な質問をして相談時間を引き延ばそうとしているのでは?」とご不満を表明される相談者様がおられますが、「そんな情報」は不可欠です。

これまでの服薬量×服薬期間=積算服薬量は、オンライン医療相談を行う上で必須の情報です。
現在デパスを1日に3mg服用されている方でも、服薬歴が半年の場合と10年間の場合では依存が成立している可能性や離脱症状の現れやすさ、減薬に必要な期間は大きく異なります。

複数のベンゾジアゼピンや他のカテゴリーに属する向精神薬(抗うつ薬や抗精神病薬)を服用している場合、より評価は複雑になるでしょう。
それぞれの薬が、いつから、どういう理由で処方されて、いつ増え、いつ減り、いつ他剤に変更されたか、それぞれの時点で何が起きたか――これらは相談のスタートラインとなる情報であると言えます。
その状態無しでは、スタートラインにすら立てません。

これを最初から聴取していると、1枠50分があっという間に過ぎてしまうことも稀ではありません。薬歴の聴取だけで3セッションを要した相談者様もおられます。
経過が長く、転院を繰り返していたり、自己判断での減断薬歴やそれによる離脱症状の悪化⇒再増薬といった経過を辿っている方では、服薬歴はしばしば非常に複雑なものになりがちだからです。
それを把握して理解するところからオンライン医療相談が始まります。

うららか相談室から予約手続きを行っていただくと、僕と相談者様の2者間で情報交換に用いるためのチャットルームが使用可能になります(相談完了後には閉じられます)。
時間(とお金)の最適使用のために、ご予約後、このチャットルームで服薬歴をご記載いただけますと、「本題」により多くの時間を割くことができると思います。


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