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ベンゾジアゼピンの減薬・断薬

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2020年7月の記事一覧

ベンゾジアゼピン減断薬 -「薬漬け」の精神科医療 - その責任は精神科医のみにあるのか -

ベンゾジアゼピン減断薬 -「薬漬け」の精神科医療 - その責任は精神科医のみにあるのか -

僕はTwitterでもブログでもnoteでも、ベンゾジアゼピンの負の側面についてしばしば言及していますが、睡眠薬・抗不安薬としてのベンゾジアゼピンの使用に絶対反対の立場ではありません。

使い方さえ誤らなければ、良い薬であるとさえ思っています。
その使い方の中には、「どのような患者さんに使い、どのような患者さんには使うべきではないか」という、処方以前の判断も含まれます。

今回は、睡眠薬としてのベ

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長く他院で治療を受けられていた患者さんを引き継ぐ

定期非常勤先の近所の医院(精神科)が閉院しました。
最近の新患の少なからぬ数がそこからの紹介患者さん。
クラシカルな治療を受けられていた方が多い印象です😓

状態像診断(不安状態、抑うつ状態、心気状態)と、説明と同意の無い処方。
ベンゾジアゼピン多剤、抗うつ薬と抗精神病薬のチャンポン、適応外処方多数。

長く通院されていたご高齢の患者さんに「この薬、そろそろ飲むのを止めた方がいいと思うんですよね

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ベンゾジアゼピン減薬・断薬の専門医はいるか(いや、いない)[Free full text]

ベンゾジアゼピン減薬・断薬の専門医はいるか(いや、いない)[Free full text]

ツイート内容のためか実臨床での処方行動のためか、僕のことを「ベンゾジアゼピン減薬・断薬の専門医」であると“誤解”されているフォロワーさんや患者さんは少なくありません。
しかし残念ながらそれは正しい理解ではない。過大評価です。

まずそもそも減薬・断薬に関する専門医資格認定制度は存在しません。
「ベンゾジアゼピンの減薬・断薬に関する知識がちゃんとある医師」は稀少というより事実上ゼロです。

ベンゾジ

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ベンゾジアゼピン減断薬 - 減薬・断薬はダイエットに似ている

ベンゾジアゼピン減断薬 - 減薬・断薬はダイエットに似ている

ベンゾジアゼピン受容体作動薬の減薬・断薬ってダイエットに似ているかもしれません。
多くの患者さんが「プラトー(停滞期)」局面を経験します。

順調に減らせていたベンゾジアゼピンの減量がどうしても進まなくなる。
恐らくこれは脳の回復過程が機械的には進まないことを反映しています。環境変化などがあればその影響も受けるでしょう。

僕が「○週間毎に△%減量」式の減量手順にあまり肯定的ではない理由の1つです

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