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イヤイヤ期、本人はイヤイヤしたいわけじゃ、ないらしい。

魔の二歳。イヤイヤ期。
何かにつけて「いやいやいやいやいやいやああああああ!!!」
というやつ。

現在5歳と2歳になる我が家の2人のこどもも、ご多分に漏れず、1〜2歳の頃はあらゆる床でピチピチの魚如くイヤイヤしていました。げっそり。
現在進行中の皆さん、おつかれさまでございます。
ダイジョブ、終わりは、必ず、来る。

イヤイヤ期の正体

ところで、このイヤイヤ期。なぜ起こるかご存知ですか?
生まれたばかりの赤ちゃんに「自分」という概念はまだ存在していません。親に完全に依存する状態で生活をしてきたので、親と一心同体のような気持ちがあるのです。

それが、成長とともにだんだんと自分で動けるようになり「自分」というものが存在しているらしいことを分かり始め、それを確認する作業が、このイヤイヤ期の真の目的であるとされています。

かっこよく言うと、ジブンとの出会い。

イヤイヤ期の行動には、2つの意味があります。
まず第一に、親と自分は違う存在らしいことに気づき、親と違う意志を持つことを確認する。
親の意思と違うことを言ってみる!つまり親の提案を「いや!」という。
これにより、おお、自分は親と違うことを言ってみたぞ、親と違う人間なのだな・・・と確認している。
イヤイヤの一言もだいぶ奥が深い。

第二に、自分の能力を試したい意思の現れ。
これまで親におんぶにだっこ状態だったのを脱したい欲。とにかく自分でやってみたい!というやつ。
親の提案をはねのけ、自分でやることで、自分のできること・できないことの境界をひとつずつ確認する作業を行っているところ。
冷静に考えればそのとおりなのだが、こどもは、自分でやったことしかわからないので、自分でできることとできないことがわかっていない。「いやそれは普通に考えたら無理でしょ」の親の見通しは全く通用しないのです。

つまり、イヤイヤ期はイヤイヤ言うだけではなく、自分という人間の存在を理解したり、自分の実力を確認している作業で、それがわかれば次第に落ち着いてくるということでもあるのです。

そんな中で親にできることはなにかというと・・
このイヤイヤ期のイヤイヤをただじっと待つのではなく、本人の納得と理解を促す関わりをすることだと考えている。

そう、幼児は納得が9割(持論)なのだ。

我が家の娘はイヤ!じゃなくて、ジブン!だった

ここで我が家の下の子のイヤイヤ期の話をひとつ。

イヤ〜!!って泣くんじゃなくて何でもかんでも「ジブン!!」と親のお手伝いを存分に拒否しておりました。スーパーで駄々をこねるときは「ジブン!!」と言ってかごを持ちたがったりカートを押したがったりなんやかんやという感じ。
床でピチピチのお魚イヤイヤしている時はお腹が空いているときか眠たい時でした。笑

ジブン!と大変分かりやすく教えてくれたので、ただただこの子は自分でやりたいのだなと思って、可能な限り付き合うことにしていました。

服を着替えるのもジブン、食べるのもジブン、靴を選ぶのも履くのもなんでもジブン。まぁいい。怪我や危険がなければやっておくれ。ここで靴を履くのに5分かかって5分スーパーに行くのが遅れてもさほど困らないか、、靴履いてる間に帰ってきたあとの昼ご飯の用意でもしておくか、、と一生懸命私自身に言い聞かせながら、ひたすら待った。

流行りのモンテッソーリ教育は小さいうちから自立に向かっていろいろなおしごとがあるんだし、きっとこの「ジブン!」もリンクしていると思ってモンテッソーリのおしごとにどんなものがあるか調べたりして、なるはやで「ジブン!」を獲得してもらうことに注力した。遅かれ早かれジブンでやらなきゃいけないしね。
図書館で「モンテッソーリ」のタイトルの付いている本は一通り借りたんじゃないかというぐらい。


モンテッソーリを学んでいると、本人の納得というか一人の人間として関わるという大切さも折に触れられていたので、ここも意識をしていました。
つまり、こどもだからと適当に邪険にするのではなく、見通しを伝えたりすることをサボらないように心がけて、

あなたとわたしは違う人間だから本当は好きにさせてあげたいのだけど、今からこういうことをしなければならないので、もうでかけます。ジブンでやりたかったよねー、ごめんねー、ママにやらせせてくださいませーという具合に。

ジブン!を尊重したらそれぞれが一人の人間として生きている感

子の個性もだいぶあるのは重々承知の上で、の話になるけれど、2歳9ヶ月の現在、かなり物事の理解が早く見通しを伝えると自分の言葉で語れるようになっていて、ともに生活をするのがだいぶ楽になりました。着替えや食事、トイレやお風呂もだいぶ自分でできることが増えていて、ジブン!!に付き合ったご褒美のようなものだなと感じています。

もちろん、お世話をしなくて楽だからこどもに手がかからないのかといえば必ずしもそうではないのだけど、「しなければならない」ことが減るというのは相手の自由を尊重するというか、親である私自身を犠牲にしなくてもよいというか、それぞれがそれぞれでいられる時間が増えるというのは、確実にある。

日常の基本はなるべくジブンでやっておくれースタンスでいたら、こどもが「ジブン!」ということも減ったし、私が「あぁ待たなくては」と思うことも減って、お互いのためによかったなと思う。
知らない間に色々できるようになっていて夫は毎回ビックリするというお土産付きでした。笑

発達心理学でいうイヤイヤ期とは

エリクソンのライフサイクル論によれば、イヤイヤ期頃の幼児初期は「自律」と「恥・疑惑」とを経験することで「意志」が生まれるとされています。できると思ったのにうまくいかない、ジブンでやってみたいと思うことは、どちらもその子の発達には欠かせないのです。
そして、うまくいかないというネガティブなことより、やってみたいと思うポジティブなことが上回ることが大切です。
うまくいかなくてもいいからやらせてあげて、それを怒らない(肯定的な経験にする)ということですね。
イヤイヤしてジブンを見出しながらジブンの限界を知る経験が、この後の集団生活で生きていくための基本的な土台になっていくと言われています。
お友達や先生と関わる上で、ジブンがどうありたいと思うか、その意志はとても大事ですよね。

さいごに

こどもの目線に立つ、厄介でしかないイヤイヤ期もなんだか壮大な自分探しの旅に見えてきます。
あなたのお子さんはどのような景色がみえているでしょうか。
親としてどのような応援をしたくなりますか?





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