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それでも日はまた昇り沈む

合格発表から一夜明けた。
本試験前後の夜と同じくらいしか眠れなかったのは、喜びのためというよりは諸々の対応とスマホの見過ぎのせいだった。

確かに、嬉しかったのは間違いない。
去年と同様、午後4時までは自分の受験番号があるイメージはついに持てず仕舞いだったが、ダウンロードしたPDFは何だか去年より優しい顔してる気がしたし確かに受験票と同じ数字があった。
ある…番号ある…と情けない声と涙が勝手に溢れてきて、そのまま夫(仕事でトレーラー運転中の)に電話した。

しかし自分の目も法務省も信用できなかったので受験票とPDFを10回くらい見比べたり年度を確認したりごく親しい人にスクショを送りつけて確認してもらい、親たちに電話する際にはくれぐれもまだ人には言わないでくれと念押しした。

何しろネットで番号を見ただけなのだ。
法務省からおめでとうございますなどと言ってもらってもなければ文書が送られてきてもない。
成績通知と口述の案内が来るまでは疑心暗鬼は続く。9回不合格を舐めた人間としては当然の防衛反応だろう。映画バイオハザードとかエイリアンとかでいつまで経っても安心できないのと同じだ。


その10年選手としては、同じ合格者の喜びよりは残念な結果に終わった受験生の気持ちが痛いほどわかる。昨夜も、同じ試験を戦いながら番号が無かった人たちの報告を見て、胸中を思い、眠れなかった理由の一つもそこにあった。

前向きにまた明日を向いていく受験生たちには心からエールを送りたい。やる気さえあれば、あなたなら大丈夫だ。来年は絶対、あなたの番だ。私も同じ道を歩いてきたのだから。


一方で、本当に届けたい相手はこのnoteなんか読んじゃいないだろうとも思う。私もそうだったから。「勝者」が書いたもんなんか到底読む気になんかなれなかった。暫くの間は。

特に、私と同じくらい長く受験してきた人、私なんかよりもずっと優秀な人、そうした人たちは、まだ現実を受け入れられないだろうと思う。
当たり前だ、誰より頑張って、誰よりしんどい辛い思いをしてきて、なのに、神様は微笑んでくれなかったのだ。

だから、努力すれば報われるなんて、手放しには言えない。この試験については。受かるのにどうすればいいかなんて無責任にも言えない。私がこれまで書いてきたことは、全部私個人の体験だから、人様に勧めることなんてできやしない。

それでも、これだけは言える。
この試験は、「受験しないと受からない」のだ。当たり前だけど、それが全てだ。
途中で挫折する人もいる。転進する人も。挑戦することすらせずコスパが悪いとか言って冷笑している輩もいる。
そんな中、あなたはひたすらこれまでやってきたんだ。あなたにこそ、合格への道は用意されてるんだ。

今じゃなくてもいいから、絶対に戻ってきてほしい。私のnoteなんか読んでくれなくてもいい、絶対に諦めちゃダメだ。
これまで幾ら、何時間注ぎ込んできた?もったいないじゃないか。
撤退や転進は、それはそれで勇気のいることだし賢い選択だ。本当にすっぱり止める気なら、手切れ金にくれてやればいい。司法書士になる資格を永久に手放すことに未練を感じなければ、だ。

少しでも迷いがある、やっぱり司法書士になりたい、法律の勉強が好きだ、とちょっとでも思うなら、それだけであなたには受かる資格があるんだ。
何度でも言う、とにかく、受けること、受けると決めることだけが、受かる道なのだ。あなたにしか行けない道なんだ。

その道を行った先に何があるのか、まだ私にもわからない。
筆記に受かったらしいだけの今の時点では、世界は別にバラ色に輝いたりもしてないし、また戦争始めた国もある。この国も相変わらず景気は悪いし地震も多いし空き家だらけで絶望的だ。
それでも生きていくしかない。どうやって生きていくのか、まだまだ考えなければいけない。考えているうちに人生終わりそうな気もする。

何だか全然明るい気持ちにもなれないけど、ひとまず、今日も生きていく。
同期のみなさん、先輩方、これから私なりにゆるゆるやっていきますので、何卒よろしくお願いいたします。途中で嫌にならない程度にご指導ご鞭撻いただければ幸いです。

…あと一、二回程度、書き残してることを書いて受験生としてのnoteは終わりにするつもりです。
今日も長らくお付き合いくださりありがとうございました。

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